見出し画像

ドーピング

うつがひどくなりすぎて、久しぶりにODとリスカをしてしまった。

忙しさによるものもあるが、とにかく思考の停止がすごい。あれこれ指示を受けても、考えが全くまとまらない。大変辛い。自分のアホさにため息が止まらず、情けなくてたまらなくなった。

数日前、ベッドに腰を下ろした途端、やって来た真っ黒なかたまり。
首絞めたいな。
ところが紐やらコードが首の外周より短いものばかり。
死にたい。死にたい死にたい死にたい死にたい…。
手当たり次第に枕元の薬を手のひらに出した。飲んでいたブラックコーヒーで飲み込んだ。
足りない。何もかも足りない。
私は生きてはいけないのだ。早く死ななければ。
カッターが目に入った。チキチキチキと長く刃を出し、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も…、左手首をこすった。
はたと、アホらしくなって、カッターを放り出しベッドに体を横たえたが、身体が無性にうずく。ビクビクと痙攣がする。
辛くて辛くて、髪を掻きむしり、叫びたい声を押し殺して(こういう時でもリビング向こうに寝ている母の睡眠を妨害したくないという気持ちが働くのはなんて滑稽なんだろう)、気がつくと翌朝になっていた。

数日後に精神科通院があったため、覇気のない声で、ODとリスカの報告をした。
先生は忙しいのにそれを頑張っている私を何度も労ってくれたが、私には戯言にしか聞こえない。
躁状態が強くて減らしていた薬は、すぐに増やされた。

現在。
あの黒いかたまりは頭の端で小さくなっており、声に張りが出て、思考はぐるぐると動いている。なんだったんだ、アレは、と思う程である。
左手首の薄い傷跡が視界に入る度、自分のしたつまらない自傷行為がつくづく愚かだと感じる。

とりあえず仕事さえ出来るならもうそれでいい。
ドーピング上等。
とりあえずあと半年ほどは生きて、来年の誕生日直前には、自ら消えるつもりである。