見出し画像

2021年のラッコ調査の振り返り

 今年の2月22日、マリンワールド海の中道のラッコのマナが亡くなりました。国内の園館で飼育されているラッコも残り8頭というところ、リロとの繁殖を期待され、職員の方が温度を調節したり照明を暗くしたりするなど環境を変えたりして妊娠成功のための試行錯誤をされていました。
 マナは人工保育個体でマリンワールドの職員から手厚く育てられ、その分愛された個体となっていました。国内のラッコが少ないことを知り、2018年から僕はラッコを観に海の中道に通うようになりました。七五三や誕生日イベントなど、残り少ないラッコとの時間を記録に残すようにしました。

マナは大分と長崎の水族館のラッコたちの血を受け継ぐ個体で、現地に赴きラッコを飼育していた当時のお話を職員に聞いたり、図書館の地方新聞からラッコたちの活躍を辿りました。

マナが亡くなってからマナとその一族の記録をちゃんとまとめられたのか分からないところで、まだまだ工夫できるところはありそうな気はしていますが記事でやれることはやりました。大分マリーンパレスのことを個別にまとめる必要がありますが、マナの祖父にあたるカイの両親が不明なことと、当時のラッコショーの様子をもう少し知ってから記事にしたいなと考えているのでまだ先になりそうです。


宮島水族館のラッコ


3月12日に広島の宮島へ渡り、宮島水族館を訪問。
少し宮島を観光。
その後、廿日市市立図書館から広島市立中央図書館へ行き、資料探し。
広島市立中央図書館では、中国新聞の索引からラッコ関連の記事を探してリストにまとめる作業になりました。

翌日13日、広島県立図書館で前日にまとめたリストを元に、
CDに収録された中国新聞から記事を探して複写。
レファレンスの方にも相談して雑誌に宮島水族館のラッコの記事がないか探しました。雑誌からは一件のみでした。
新聞記事の方から比較的数多くの記事が見つかりました。


長崎バイオパークのラッコ


 12月2日、森きららへ行くついでに佐世保市立図書館で長崎バイオパークのラッコの情報が見つけられないか再トライ。
2000年7月前後の長崎新聞に最後の個体の「平太」が亡くなった前後で関連記事がないか探しましたが、収穫なし。代わりに三か月後の10月にラッコ水槽に八景島シーパラダイスからオタリアのつがいが来て名前を募集している記事を見つけました。
あとは、たまたま90年代前半ごろのものと思われる長崎バイオパークのパンフレットを発見し、ラッコの写真が大きく写っていました。エビや魚と同居していたようです。


北海道で飼育されていたラッコ


 北海道でラッコを飼育していた園館の中で現存するところへの問い合わせと、すでに閉館してしまったひろお水族館やオホーツク水族館には町の方に問い合わせをしました。
11月1日~11月4日の北海道旅行で、ラッコを飼育していた登別マリンパークニクス・おたる水族館・サンピアザ水族館を訪問しました。
そして札幌市中央図書館・札幌市民交流プラザ・北海道立図書館で新聞記事やパンフレットのラッコを紹介している資料を複写してきました。


かごしま水族館のラッコ


 鹿児島県立図書館の横断検索で検索をしていると、指宿図書館に「かごしま水族館20周年記念誌」を発見したので指宿図書館を訪問しました。
須磨と新潟から「ラッキー」の両親がやってきてから、チェリーが亡くなり代わりにアザラシ水槽になるまでが書かれていました。
「ラッキー」の赤ちゃん時代の写真が載っていました。


加茂水族館のラッコ


 加茂水族館にメールでラッコについての思い出を問い合わせました。当時のラッコ担当者だった方に繋いで頂き、ラッコの思い出についてメールで頂きました。
 もう一つ、山形県立中央図書館にも加茂水族館のラッコについて資料がないか問い合わせました。加茂水族館発行の出版物からはラッコについて参考になる資料はなく、山形新聞の記事から見つかりました。遠隔複写サービスを利用して該当の記事を取り寄せました。


下田海中水族館のラッコ


 下田海中水族館にもメールでラッコの思い出について問い合わせました。こちらもラッコを飼育していた頃の思い出をメールで頂けました。
 静岡県立中央図書館でラッコの資料がないか問い合わせたところ、下田海中水族館発行の季刊誌、「海のよこちょう」でラッコが来館した当時のことが書かれていました。遠隔複写サービスでコピーを取り寄せることができました。

その他


 他に海遊館、鳥羽水族館に少し過去のラッコについてお問い合わせ、今は閉館してしまったマリンピア松島水族館について宮城県立図書館のレファレンスで資料を問い合わせ、石川県立図書館のレファレンスで金沢水族館で飼育されていたラッコについて紹介した記事について問い合わせなどをしました。

関東地方で飼育されていたラッコについては、図書館が遠方からのレファレンスを受け付けていないので当分は保留になりそうです。

石川県立図書館は新しい図書館に移行中のため、遠隔複写サービスがつかえないのでこちらも保留です。

日本の全ラッコさんから論文などから集めたラッコの情報を提供していただいています。僕が集めた過去のラッコの情報を提供しました。

2022年も国内のラッコについての資料をどれだけ集められるか挑戦が続きます。「大宅壮一文庫」という過去の雑誌から記事を検索できる施設を見つけましたので、そちらからも探して見ようと思います。
鳥羽水族館に訪問予定。

 マリンワールド海の中道の公式ブログで、過去に飼育していたラッコについて紹介されています。過去のラッコ情報が公式から直接出るというのは周知の点でありがたいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?