小学生の頃の頭の中。

9月の後半。
夕方の4時半。
砂場で1人座っている。
すーっと手から砂がこぼれ落ちるのをずっと見ていた。
かすかなカラスの鳴き声と、全てオレンジ色の世界。
あの頃はこの地球にいる人みんなオレンジ色の世界に包まれていると思っていた。
額に汗をかいている気がするけど、そんなこと何も問題ではなかった。
じりじりとオレンジの光があたる。
でも、私は手の指の隙間から落ちる砂に夢中だった。
頭の中は空っぽ。
暑くも寒くもない。
かすかにお腹が空いている。
今何時だろう。
もうすぐ5時だ。
帰らなきゃ。
手の中にあった砂を投げ出して、私は公園から出ていった。

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