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愛犬短歌

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犬と暮らしてきた日々のこと、自由な短歌にしてみました。 犬を飼ってきた人には懐かしく、犬を飼いたい人には空気感を伝えられるような短歌になれば幸いです。
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#愛犬短歌

食べ残し ふやけたフードを 流しに捨てる 泣いてる場合か 無理に鼻歌

シニア犬になってもずっと元気だったけど 1ヵ月前から突然の食欲不振と食べむらの連続 治療…

なばな円盤
11か月前
6

燃える夏を 無事に越え行く シニア犬 色鉛筆で 愛を描くよ

我が家の犬は夏で13歳になりました。 命をつないだ元保護犬。 ちょっとぴっちり気味の冷え冷…

8

検査値の 赤い数字を指で隠し 片手で愛しい 頭をなでる

定期的な血液検査 OKな時もあれば ちょっとがっかりな時もある いつだって 生きようと頑張…

3

つるつるオヤツ

昼そうめん 犬用ボウルに 八本分けて 一緒にすする 静かな土用入り 仕事で一つ失敗しちゃ…

2

ちょうだいと いつものオヤツ はじめてのように 喜ぶ天使よ

犬は天才 よろこびの天才 笑う天才 優しさを受け取る天才 それを何倍にも与える天才 犬が…

9

赤と黄色 冬用犬服 洗い干す 小さく並び 揺れる可愛さよ 

人間用の服を干した竿のはじっこに、愛犬用の中綿入りの小さなジャケットが並んでいる。 もは…

5

目が覚めて 犬のお尻がすぐ見える うふふと笑い 顔うずめる休日

腰から尻尾の付け根までのあたり 毛がみっちりとあるところ 鼻をうずめてみる この香り アイデンティティ 面倒くさそうに ちょっとだけ足を動かしている それから「ふーん」とため息ついてる もう少しだけ このまま寝ていようかな

庭の石段 転んだ様子に のぞき込めば 少し擦れた鼻 切なく犬を抱く

愛しの我が子 愛しの老犬 以前ならひとっ飛びだったこの石に 後ろ足が引っ掛かったんだね …

7

犬も私も いずれここから旅立つけれど 忘れないでいて 桜たち

太い桜の樹 目の前を どれだけの人間と どのくらいの犬が 通ってきたのだろう 「きれいだ…

8

あとわずかと 仲良しの子が 告げられた 一緒に歩こう 公園への道 

仲良しで 毎朝泥をつけながら遊んで お互いどんどん年を重ねていく まだいかないで 一緒に…

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底冷えの キッチンでそっと焼き重ね 老犬のための かぼちゃのパンケーキ

腹巻をして日向で昼寝をしている愛犬のために、なぜか、こんな寒い日に、丁寧に野菜のパンケー…

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好物を用意する午後4時~愛犬短歌(57)~

好物を 温めている秋の午後四時 起きてこぬ犬の 背はみかん色 (以前だったら、大好きなお肉…

行っておいで~広い草地にて

~愛犬短歌(56)~ 1歳の時と 変わらぬ丸い目 振り返る 「行っておいで」と 群れの中へ送る …

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息ひそめ ~愛犬短歌(55)~

目が覚めて 重なりし脚の可愛さに そっと息ひそめ カメラに収める