マガジンのカバー画像

愛犬短歌

71
犬と暮らしてきた日々のこと、自由な短歌にしてみました。 犬を飼ってきた人には懐かしく、犬を飼いたい人には空気感を伝えられるような短歌になれば幸いです。
運営しているクリエイター

#犬との暮らし

目が覚めて 犬のお尻がすぐ見える うふふと笑い 顔うずめる休日

腰から尻尾の付け根までのあたり 毛がみっちりとあるところ 鼻をうずめてみる この香り ア…

7

庭の石段 転んだ様子に のぞき込めば 少し擦れた鼻 切なく犬を抱く

愛しの我が子 愛しの老犬 以前ならひとっ飛びだったこの石に 後ろ足が引っ掛かったんだね …

7

犬も私も いずれここから旅立つけれど 忘れないでいて 桜たち

太い桜の樹 目の前を どれだけの人間と どのくらいの犬が 通ってきたのだろう 「きれいだ…

8

あとわずかと 仲良しの子が 告げられた 一緒に歩こう 公園への道 

仲良しで 毎朝泥をつけながら遊んで お互いどんどん年を重ねていく まだいかないで 一緒に…

1

息の吸い吐き~愛犬短歌(54)~

叩きつける 雨音に小刻みに 震える胴体 両腕に抱いて 床で眠る日 はなと今日もふたり。 外は…

2

歯磨きの姿 ~愛犬短歌(53)~

両脇を  抱きかかえられ   童子のように    歯ブラシを見つめる     愛しい老犬(画…

2

千日紅の花言葉 ~愛犬短歌(50)~

「不死 不朽 永遠の愛なんだって」   そう語るとじっと見上げる    限りある愛しい命よ (画像はクリエーター名みちそら様からお借りしました。ありがとうございます。)

花と木と ~愛犬短歌(49)~

気づかずに 通り過ぎていた長年を 犬と取り戻す 花木愛でる心 (犬とのんびり歩くうちに、…

10

乗り越えて ~愛犬短歌(48)~

盆過ぎて  カナカナ聞きつつ   「この夏も    よく越えたねと」     耳の後ろを撫で…

5

若返る ~愛犬短歌(47)~

缶ジュース  四半世紀も久しい味   ふたりで若返りたくて    空見つつ飲み干す (普段…

3

頼り頼られ ~愛犬短歌(46)~

雨雷  震える犬を撫でる時   頼られる幸せ    受け取る台風の日 (うちのおとーちゃん…

3

ぎこちなく ~(愛犬短歌45)~

ぎこちなく  父母の声にこちら向く   12歳の夏    ただひたすらに愛しく 愛犬はな、12…

6

朝四時半 ~愛犬短歌(43)~

あんなにも  夏は好きなはずだった   犬と暮らして    早朝だけ夏を楽しむ    

5

過去と犬と雲と ~愛犬短歌(41)~

雲を見て  過去の苦さが胸まで登る   リードを引かずに    そっと歩く犬の優しさよ (しばらくぼうっと物思いしながら歩けるほどの、静かな散歩時間。 あ、そだ、はなはどうしたっけ、と少し振り向くと、のんびりこちらを見上げてました。空の美しさに辛いことを思い出した朝、すっとそれを散らしてくれる犬の存在に感謝です)