自動詞と他動詞ってなんだ?
英文法を学ぶ上で、避けて通れない自動詞と他動詞。
自動詞とは、自分だけで成り立つ動詞で、
他動詞とは、他に働きかける動詞のことです。
たとえば、前回の例文
Frog pushed Toad out of bed.
pushedという動詞が、目的語であるToad に働きかけているのが矢印でわかりますよね。なので、pushed は他動詞ということになります。
日本語では自動詞と他動詞はカタチが違うので、区別が簡単です。
たとえば、「閉まる(自動詞)」「閉める(他動詞)」
「ドアが閉まる」のが自動詞
「ドアを閉める」のが他動詞
わかりやすいですよね。
ところが、英語ではどちらも ”close"を使います。
The door closed slowly.
「そのドアはゆっくりと閉まった。」(自動詞・第1文型)
She closed the door slowly.
「彼女はそのドアをゆっくりと閉めた。」(他動詞・第3文型)
他動詞の方は、彼女がドアノブに手をかけて、ドアに働きかけているのがイメージできますよね。
他動詞のイメージはそんな感じなのですが、理屈で言えば、目的語があれば他動詞、なければ自動詞です。自動詞の後には修飾語が来ます。
さっきの例文で、
自動詞の方は、close のすぐあとに副詞(修飾語)のslowly、
他動詞の方は、目的語のthe door が来ていますね。
(修飾語とは、slowlyのような副詞や、前置詞+名詞であらわす副詞句です。)
もう少し例をあげてみます。
He went to Tokyo last week.
「彼は先週、東京に行った。」
これは、動詞のあとに to Tokyo という修飾語(前置詞+名詞)が来るので、自動詞。
He visited Tokyo last week.
「彼は先週、東京を訪れた。」
こちらは、動詞のあとにすぐに目的語のTokyo が来ているので他動詞です。
日本語では似たような意味ですが、英語では注意が必要です。
このような違いを知っていると、読む際には区別はできるようになります。
ところが、書いたり話したりする時には、He visited to Tokyo(×) などとしてしまいがちです。
では、どうするか。
これは例文で覚えるしかないです。
前置詞が要りそうでいらない動詞(他動詞)があったり、さらには日本語のように自動詞と他動詞でカタチが異なる動詞があったりと、英語は複雑です。
たとえば、
He apologized to her . (彼は彼女に謝った。)
この場合はto が要るので自動詞です。
She married him. (彼女は彼と結婚した。)
with は不要なので他動詞。
He entered the room.(彼はその部屋に入った)
intoは不要なので他動詞。
They discussed the problem.(彼らはその問題について話し合った。)
aboutは不要なので他動詞。
The sun rises in the east.(太陽な東から昇る)
自動詞・rise-rose-risen
She raised her hand.(彼女は手を挙げた)
他動詞・raise-raised-raised
ちょっと面倒ですが、文法書や辞書で調べて、例文を覚える。それしか方法はありません。辞書を引く時に、「自動詞かな、他動詞かな」と意識を向けるだけでも、英語を理解するうえでとても有効に作用するでしょう。ぜひ、例文をチェックする癖をつけて下さいね。
それと、自動詞と他動詞を説明する時に、句動詞についても言及しなければならないのですが、それについてはまたの機会にします。
<英語のしっぽのつかみ方 22>目的語があれば他動詞、なければ自動詞
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?