上室頻拍の鑑別について
教科書に載っていないことを「ざっくり」書きます。
上室頻拍を見たらまず、
①年齢層と②HRでだいたいアタリをつけよう
高齢で初めて指摘される上室頻拍は、かなりの確率で
「心房細動」か「心房粗動」
です。
RRが不整ならすぐ心房細動と分かります(PACが頻発している、ということもあるので、P波はちゃんと確認してください)が、RRが整の場合は心房粗動のことが多いです。
RRが整の上室頻拍の場合、PSVTの可能性が否定しきれないのですが、次にレートでアタリをつけることができます。
心房粗動の場合は2:1伝導ならHR150bpm.前後になっているはずです。3:1とか4:1なら粗動波がしっかり見えるはずですし、HRも3:1なら100前後、4:1なら75前後になっているはずです。
ときどき3:1と2:1を交互に繰り返したりして、RR不整のこともありますが、心房細動のように絶対不整ではないので、良くみたら分かるはずです。
やはり発作性上室頻拍PSVTは、ERに動悸を主訴に受診する比較的若年者のイメージが強いように思います。
そういう、臨床的な「背景」を多分に加味して「心電図だけをじーーーっと見てあれこれ考えこまない」姿勢も、実践的には大事です。
どうでしょうか。意外と、現場で役立つ知識というのは、こういうところなのかなぁと感じています。教科書には書きにくい、だからこそ発信する意義があるんじゃないかなと感じます。こういった知識に対するリクエスト等あれば、遠慮なくご連絡ください!
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