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研修医の日常の疑問を解消するためのマガジン

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病院の後輩研修医達に向けて、有用記事をまとめています。 「研修医一年目の、辛かったあの頃」 右も左も分からないまま、難解な医学書を買い漁るものの、 「研修が忙しすぎて読んでい… もっと読む
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2021年5月の記事一覧

はじめての降圧薬

「種類が多すぎる」ことが悩みのタネ 研修医で、外科や整形外科などをローテートしていると、入院患者さんの血圧管理を頼まれることもあるかもしれません。  また、症状はないものの「血圧が高い」というだけで救急外来を受診される患者さんを診ることもあるかもしれません。  でも、「降圧薬は種類が多すぎてお手上げ」になりやすいと思います。  この記事では特に「一年目」の研修医がおさえておくべき降圧薬の知識について「ざっくり」述べたいと思います。いつも通り結論からいきましょう! 結論

神経内科〜研修医から非専門医まで〜

 僕のブログほど(割り切りすぎて、怒られるレベル)ではないにせよ、かなり「初心者向けに割り切った」著書を見つけてしまいました!研修医でもすらすら読める、なのに「明日から即戦力間違いなしの一冊でした!フライングで紹介です! 神経内科専門医だけではカバーしきれないほどの「コモン」疾患〜脳梗塞〜 神経内科というと難病のイメージが強いですが、急性期市中病院にいると比較的多く出会うのが、「脳梗塞」。  生活習慣病の延長として発症する脳梗塞や、昨今高齢化とともに増えてきている「心房細

「前負荷」と「後負荷」を考えるときに、右心系と左心系を分けて考える必要はあるか?

 とても良いご質問をいただいたので、その内容をもとに、記事作成に至りました。みなさんのスキとコメントが僕のモチベーションにつながります! 上記タイトルの答えは 「右心系がよほど悪くない限り、右心系と左心系を分けて考える必要は、ない。そして『右心系だけが悪い』ことはめったにない。」 です。 右心系が先に悪くなることは結構レア先に後半について述べます。左心系よりも右心系が主に悪い患者さんというのは、多くの場合は重度の肺気腫(COPD)のような、肺疾患による肺高血圧が原因で

単一疾患として理解が困難な心房細動

 過去に心房細動について、コメディカル向けの内容で述べたことがあります。  心房細動には「切り口」によっていろいろと種類があります。 ですが、同じ「心房細動」でありながら「患者によって病像があまりにも異なり『過ぎ』る」ため、「心房細動」という単一疾患として理解するのが困難になったと思います。 そこで、「○○○な心房細動」のように、病態別の対応を考える必要性に迫られているなと感じていました。 患者と病態によって勧める治療すら異なる 実際に、患者さんに治療法につい