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研修医の日常の疑問を解消するためのマガジン

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病院の後輩研修医達に向けて、有用記事をまとめています。 「研修医一年目の、辛かったあの頃」 右も左も分からないまま、難解な医学書を買い漁るものの、 「研修が忙しすぎて読んでい…
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2021年2月の記事一覧

医療現場における「言語化」のパワー①

「言語化」という、抽象的だけど、大切な話 今回は抽象的な話になりそうですが、「ウンウン」とうなずいていただけるのではないかと思う内容になっています。そして、無意識ながらに現場のみなさんが「これは大事だ」と思っておられることでもないかな?と思うことを話します。  抽象的すぎる内容なので、まずは、最初にいくつかの具体例をみていきましょう。今回は具体例1つ目です。 具体例A: 「ショック」と認識できるか? みなさんは「ショック」というと、どんなイメージが湧きますか?  ①医

日本版LIFE SPAN? 〜不老長寿メソッド〜

 読みやすいしまとまっている!  「LIFE SPAN」でブームになった長寿メソッド。しかし、「LIFE SPAN」は洋書ならではの読みにくさがありました。本書は読みやすい。  比較するのはおかしいかもしれないけど、LIFE SPANのように、一般的に入手困難なメトホルミンや、それほどエビデンスの蓄積されていないNMNなどのサプリが存在感を持って書かれているわけではない(そのせいか、なぜか、あの本は「NMNを宣伝した本」みたいな認識のされ方をしています)です。  また、一

心臓の解剖は「骨格」から②

前回の記事、 で、冠動脈の走行や、心臓のど真ん中にある大事な骨格構造のイメージはつかめましたか?実は、この心臓の「骨格」の中にもうひとつ書き加えて欲しい構造物がひとつあります。何でしょうか? さあ、この絵を見てください。違いに気づきますか?冠動脈の付け根に「もう一つ弁がある」ことに気づきましたか? 「心臓の骨格」の中にある「大動脈弁」と 「心臓の骨格」からずれている「肺動脈弁」 大動脈弁の当たりから、左右の冠動脈が分岐していることはご存じですよね?ということは、上図