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モンサンミッシェルのスフレオムレツ

今から16年前の事です。
僕は新婚旅行で、
フランスの世界遺産で有名な
モンサンミッシェルに
行っていました。

その時の、モンサンミッシェルの
神秘的な風景は今も
鮮明に覚えています

モンサンミッシェルの
有名な伝統料理で
スフレオムレツという
料理があるんですが、

このオムレツには
ある女性の料理人の
優しさが込められていました。


今から100年前、
カトリックの聖地である
モンサンミッシェルには
フランス中から巡礼者が
訪れていました。

当時は今のように
車も電車もないので、
何週間も歩いて巡礼に
行かなくてはいけませんでした。

道中に強盗や山賊に
襲われる可能性もあれば、
夏は過酷な暑さ、
冬は凍える寒さを耐えねば
なりませんし、
その日の食事に
ありつけるかどうかもわからない中、
進んでいくのが巡礼です。

まさに命がけの旅!
「モンサンミッシェルに
行くなら遺書を置いていけ。」
と言われていたそうです。

命からがら
モンサンミッシェルに
たどり着いた巡礼者たちは、
島内に1軒だけある、
プラーおばさんが営む
「ラ・メール・プラー」
という宿屋に泊まります。

宿屋の主人のプラーおばさんは、
命がけでやって来た
腹ペコの巡礼者たちを
元気づけようと、
きっと豪華な食事を
用意したかったんだと思います。

しかし、モンサンミッシェルは
海に浮かぶ岩だらけの島で、
畑もないので野菜も十分に
用意できません。

しかし、巡礼者たちを
少しでもお腹いっぱいにと思った
プラーおばさんは、
島内でなんとか手に入る
卵を使って、泡立てた
大きいスフレのような
オムレツを作ってあげようと
考えたのです。

これがモンサンミッシェルの
伝統料理・スフレオムレツの
はじまりです。

それから100年たった
今もそのお店で作り続けられています。


モンサンミッシェルの
スフレオムレツの中には
「どうにかして巡礼者たちを
もてなしてあげたい!」、
そんなプラーおばさんの
優しさが詰まっていたんですね。

100年の時を超えて、
僕もプラーおばさんの
優しさが伝わるように
作り継いで
いきたいと思います!

出来立てのスフレオムレツを
テーブルに持っていくと、
その大きさとフワフワな食感に
歓声があがります!

そして、特製のソースと一緒に
口に入れると一瞬で
なくなるという不思議なオムレツです!

ぜひ、みなさんにも
召し上がって頂きたいです!



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