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政治活動に潜入してみた。選挙は戦略ゲーだった。

調子に乗って2回目のnote投稿(反応もらえるって素敵!)。

選挙活動が好き。という奇特な趣味を持つ友人がいる。なんでも幼少の頃から、選挙カーに乗ってみたかったそうだ。
最近その友人と、選挙ボランティアにノリで参加し、色々な政党内に"潜入する"という遊びをしている。知らない世界を覗き見てニヤニヤしたいからだ。 

noteの練習に、今日はそのことを書く。

先週末、とある政党に所属する、次の地方議会議員選挙に立候補予定者の、街頭演説のボランティアをやってみた。

(なお、絶対に知り合いには見られたくないので、近所ではなく、かなり離れた地域で活動した。【政治にかかわる奴はなんかヤバいやつ(と思われそう)】という自分の固定観念はどこから来てるのだろう?)

街頭演説の手伝いとは、一体何をするのか?
やったことは以下の通り。 

街宣活動でやること


・演説する場所にのぼりを立てる(主に駅前) 
・候補者が拡声器で演説するなか、「よろしくお願いします」等と言っては街ゆく人にチラシをくばる(→まぁだいたいは存在を無視されるか、受け取りを拒否される。おじいちゃんおばあちゃんがわりと受け取ってくれた。)
・別の駅(選挙区エリア)に移動して同じことをする
・移動中の車中は、拡声器で「お騒がせしております。こんにちは、●●党の●●でございます」などとマイクで言いながら、窓から沿道の住民に手を振る(私にもマイクが回ってきたので、ものすごく緊張したが見よう見まねでやってみた)
・ポスティング。ゼンリンの地図のコピーを片手に、戸建もマンションも、1軒1軒、ポストに候補者のチラシを入れていく。


こんなことを5時間やった。事前トレーニングとかそんなものは全くなく、いきなりぶっつけ本番。「はい、じゃあこれね(チラシの束やマイクやノボリを渡される)」という感じだ。
その程度は覚悟していたので、多少ストレスはありつつも、へぇ〜こんな感じかと。

【ザ・選挙活動】という感じだが、このステレオタイプなイメージには訳がある。

公職選挙法の縛り、

だ。
選挙活動においては、公職選挙法を守る必要があり、法に抵触すると一般人でも逮捕される。このルールがなかなか厳しい。

たとえば、
・訪問NG:個人宅や会社などを訪問して投票依頼してはNG
・事前運動NG:選挙ポスターが貼り出される期間(公示期間)以外では「投票してください」と言ってはダメ
・飲食物の提供はNG:お茶と水まではセーフ。コーヒーも贈賄にあたりダメらしい。
(→要は法で「贈与」を禁止している。物品もダメ。うちわを配布して辞任した大臣もいた。返報性の原理から?とか贈与論を読んでいるので興味深い)
・有料広告はNG:お金を払って新聞や雑誌に載る、テレビラジオにゲスト出演するのはNG

などなど。要は、【切れるカードが制限されており、結果としてできることがだいたい決まってくるので、立候補者はみんな同じ行動になりがち】という背景だ。
なおネットでの活動規制は割とゆるいので、Twitterやインスタ、TikTokを積極的に使って活動をする党も最近多い。

今回手伝ったのは、初めて立候補予定という新人候補だった。(公示期間ではないので選挙前の事前運動。あ、この段階で「立候補するので票よろしく」と話すことも法に抵触するらしい)

活動してみて思ったが、演説を立ち止まって聞く人はいないし、チラシを撒いたって読んでくれるかもわからないし、そもそも、ほぼ受け取ってくれない(体感的に30-40人に1人くらい?)。
わかっていたつもりだが、手応えのなさがすごい。

選挙活動は、言わば知名度をあげてフォロワーを取り合うゲーム。そのために取れる行動は法律で制限されている。
というか、そもそも、投票に行く人は世の中のざっくり50%程。その条件下で、最大限票を取るために何をするのか、考えて臨まないといけない。投票所に行く50%のシェアを奪いにいくのか、投票所に行かない層のブルーオーシャンを狙いにいくのか等々。
戦略ゲーだ。

そしてこの仕組み、古参が超絶有利だ。
すでに知名度がある、地盤がある、各種団体などの組織票を持っているなど。票の獲得だけではなく、私がやったようなビラ撒きの手伝い等の労働力の確保という点でも有利だ。

知名度もない地方議員や、現職ではない国会議員候補などは、孤独に1人で活動していることも多い。後ろ盾のない者は圧倒的に不利だ。

私はそもそも選挙に興味がなく、選挙カーはうるさいだけで、投票にもあまり行っていなかった。いまだに地元の地方議員、名前も何してるかも全く知らない。(そういう人は多いんじゃないだろうか?)
そりゃ、当選するためには特定団体と癒着もしたくなるよな、と実感した。いや知らんけど。


わかったこと:
選挙戦=戦略ゲー
特に、後ろ盾のない新人ほど無理ゲー

ということで、
選挙活動は、戦略ゲーム的な面白さもありつつも、よっぽど民間企業よりも大変だと思った。
また、1日中演説してビラ配りで歩き回ってクタクタでも、イメージにかかわるので常に明るい笑顔でいなければいけない(そう言われた)。
彼らを見ていると、会社で起こった嫌なことは大したことはないような気分になってくる。知り合った議員に話を聴くと、野次を飛ばされたりアンチがいても全く気にもならなくなったそうだ。
そのメンタルは見習いたい。


おわりに


自分と別世界の境遇の人たちを眺めてニヤニヤできるので、この遊びはしばらく続けようと思っている。

仕事や日々の生活が大変だな、と思うとき、ちょっと選挙ボランティアをしてみるのもいいかも知れない。
初めに飛び込むときは緊張したが、私の場合は、どうして来たの?と言われた時のための適当な理由と、仮に党員になってくれ、応援リツイートしてくれ、などと頼まれたら嫌なので「SNSは何もやってない」「家族に内緒で来ているので」という断り文句だけ考えて行ってみたら、意外と全然大丈夫だった。
そもそもあちらさんも、少しでも人手がほしいので、ライトな感じでも(30分だけチラシ折りやります、とかでも)もれなく大いに歓迎してくれるので、自分の承認欲求も適度に満たされる。そして普段絶対に出会えなさそうなジャンルの人間がいるので、人間観察が面白い。


今回手伝った新人候補の彼、せっかく手伝ったし(1日だけだけど)、当選してくれたらいいなと思う。私の居住地域の選挙区じゃないのでそもそも投票できないのだが。がんばれ。


おしまい

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