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ワインについて語る必要のないワイン

ワイン名:アップル・ツリー・フラット・ロゼ 2019 ローガン・ワインズ
生産地:オーストラリア・ニュー・サウス・ウェールズ
タイプ:ロゼ・辛口
品種:メルロ45%、シラーズ37%、テンプラニーリョ18%
希望小売価格(税抜):¥1,300

ワインの楽しみ方というのは全てにおいて同様にみられている節があり、グランヴァンの楽しみ方こそが正義で、デイリーワインについても同様なアプローチで楽しむのが当然のように思われています。

しかしデイリーワインにはデイリーワインなりの楽しみ方があり、グランヴァンばかり飲んでいる方には分かり知れぬ良さがあるのです。

ロゼワインはその最たる例で、ロゼを楽しむシチュエーションとして最も相応しい図式としては、ワインそのものを語ることをしなくても楽しくワインを飲めるということです。

このロゼは何のひっかかりも無くスルスルと飲めて、友達や家族とリラックスして飲むシチュエーションにおいて、会話を盛り上げるための潤滑油として気が付いたら1本空いていたというタイプ。

一人で寡黙にワインと向かい合って飲む、なんてシチュエーションには最も相応しくなく、一人だと1本しか空かないであろうけれど、二人で飲んだらついつい会話が弾み、気が付いたら3本空いていた、なんて光景が想像できてしまう、そんなワインです。

きりっと冷やすとさくらんぼやベリーっぽい優しい果実感が際立ち、ほんのり甘みを感じたかと思いきや、キレのある爽快感がずっと続く印象。

フードペアリングを考える必要もなくどんな料理でも口中をリフレッシュしてくれるので、1杯飲むともう1杯飲みたくなる優れもの。

ワインを知的好奇心を満たすための崇高な飲み物として捉えている人々には分からない、カウンターパートとして君臨するのがロゼワインの世界。

草野球にプロ野球と同じような高いレベルを求めないのと同様、ロゼに求めたいのは草野球レベルの草ワイン感。でもワインが好きで楽しむ気持ちはプロにも劣らない。

そんな態度で臨んでもらえると、ロゼワインは今よりずっと楽しめるし、敢えてロゼを飲もうという気持ちも高まるのではないかと思います。

まじで、ストイック禁止です。


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