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『異邦人』カミュ

20世紀に活躍したアルベール・カミュ。彼はフランスの作家に分類されますが、生まれは当時フランスの占領下にあったアフリカのアルジェリアです。第二次世界大戦中に反戦を掲げ、拠点をフランスへと移しました。
『異邦人』はカミュの代表作です。

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』で、主人公と図書館員の女性との会話でも『異邦人』が出てきます。実際に読んでみて、主人公が世の不条理さに直面して自分を失う点で、この2つの作品は似ているところがあるのかなと個人的に思います。

母を亡くした主人公ムルソーは、友人のトラブルに巻き込まれ人を殺してしまい、裁判を受けるというのが、この小説の簡単なあらすじです。
当然ながら人を殺すことは決していいことではないけれども、それでもシステム・権力の前で1人の人間の尊厳・命が失われていくことに対してむなしさ・違和感を僕は感じていました。日本の死刑制度も少し頭によぎりました。
システム・権力の不条理さ、人間の無力さについて思い返すことになった小説でした。



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