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『春雨物語』上田秋成

『春雨物語』は江戸時代の怪異作家上田秋成が晩年に執筆した作品です。
秋成の怪異小説としては、『雨月物語』のほうがその名を知られているかと思います。どちらの作品も、いくつかの短編で構成されています。

村上春樹さんは、秋成の作品を愛好されていて『雨月物語』の「菊花の約」や『春雨物語』の「二世の縁」が、『海辺のカフカ』や『騎士団長殺し』に引用されています。

秋成は、この両作品にて、現実と非現実が行き来しているお話を書いています。現実の話のように見えて、非現実なことが混ざり合っている点で、村上作品と似ているなあと感じていましたが、村上さんも秋成の作品を意識して小説を書いているところもあったそうです。

僕は、『春雨物語』の中だと、大罪を犯した男の人生のお話である「樊噲」が好きですね。

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