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『レンブラントの帽子』バーナード・マラマッド(夏葉社)

バーナード・マラマッドは、20世紀の作家で、ロシアからアメリカに移住してきたユダヤ人の両親から生まれました。そのため、『レンブラントの帽子』も含めて、彼の小説には「ユダヤ人」や「ロシア」が題材に使われることも。

ひとり出版社として有名な夏葉社さんから出版された『レンブラントの帽子』には、表題作のほかに2つの短編が収録されています。1975年に刊行された同名の短編集から3編を選んで、2010年に復刊させたものです。装丁は村上春樹作品なども手掛けてきた和田誠さんが担当されています。この『レンブラントの帽子』の復刊にあたって、夏葉社の島田さんが『あしたから出版社』という本にそのエピソードを詳しく書いています。出版社を立ち上げた島田さんの奮闘を描く、この1冊もなかなか面白いです。

『レンブラントの帽子』という短編は、マラマッドの傑作と言われていますが、他の2作もとてもいい小説でした。どれも心がじわっと温かくなる作品だと思います。

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