インド生活を振り返る / インド人は優秀?

インドを振り返る記録、第二弾。
前回は導入編ということでサラリと書きました。
いよいよ今回から具体的な話を少しずつ書いていこうと思います。導入編の最後に書きたいことを列挙してみたのですが、よく考えるとそれら以外にも結構書きたいこと、伝えておきたいこと、むしろ伝えなくてはならないことがあると思った次第です。
インドに対する思い、というか怒り・憤怒・鬱憤等が噴出して抑えきれないこの感情を何とかしてほしいと思います。
マジで許さないからな、人生の3年間もあんな経験させやがって。

さて、今日のテーマは「インド人は優秀なのか」についてです。
日本に帰国した際に「インドからちょっと戻って来てまして」とか「今インドに住んでます」とか言うと、ちょいちょいある反応が、

「インド人で頭いいんでしょ?」
「インド人て優秀らしいね」

といったもの。そこで今日はこれを比較的客観的に冷静に自分なりの考えを書いてみたいと思います。

結論から言えば、「YESでありNOである」なのだと思います。

非常にタマムシ色ですが、皆さんが質問する「インド人」と、私が理解する「インド人」にそれはそれは大きなギャップがあると感じています。

普段インド人に接していない日本人が思い描くインド人っていうのは、例えばGoogleのSundar Pichai氏だったり、英国首相のRishi Sunak氏(彼はインド人ではなくインド系ですが)だったり、世界トップのテック企業でエンジニアとしてバリバリ働く人たちだったりするものと思います。
その観点でいえば、「インド人は優秀」です。これは疑う余地もなく、超優秀、世界的頭脳なレベルだと思われます。

ただ、ここでいう「インド人」の定義は、「海外で活躍するインド人」ですね。欧米の第一線で活躍するインド人は確かに多く、経営層やエンジニア層にはハイレベルな教育を受けてきた方々がずらりと並びます。

私も日本以外に3か国居住し、欧米・アジア・豪州・中東・アフリカ様々な地域に渡航した経験上、あらゆるところでインド人と接する機会がありました。その経験から僭越ながら申し上げるとすれば、インド国外在住のインド人は総じて優秀、そして地域ごとに層分け出来るような気がしています。

第一層は欧米に居住しているインド人。彼らは欧米で生活できるだけの仕事・収入を得ており、当然居住VISAが発行されるレベル。英語もいわゆるインド英語バリバリではなく、国際的に通じやすい英語を操るエリート層の印象です。

第二層は欧米以外の先進国/準先進国に居住しているインド人。例えば日本・シンガポール・マレーシア等にいる人たち。彼らも比較的第一層に近い印象があります。

第三層は中東に居住するインド人。中東、例えばサウジアラビア・UAE・カタール・オマーン・クウェート等には数多くのインド人が住んでおり、現地企業のマネージャー級はインド人だらけというところもかなり多いです。インドから距離的に近く、里帰りしやすい地理的環境ということもある他、インド国内で若干迫害されやすいイスラム教徒のインド人が中東エリアに移住しているケースも多いです。

第四層はインドの大都市圏(例えばデリー・ムンバイ・チェンナイ・ハイデラバード・バンガロール辺り?)に居住しPrivate Schoolで教育を受けた層。彼らはインド国内居残り組ではトップ層ではあるので、比較的意思疎通は可能ですが、何よりも英語がインド英語バリバリなのと、海外経験がない人が多く、いわゆるGlobal Standardは一切通用しません。若い層になると考え方がオープンになるので、もう少し柔軟性が高まるような印象もあります。インドで暮らしている中で接するトップ層ですが、それでもかなりイライラします。

その下には、大都市郊外層、地方都市層、村人、公務員(警察官や政府系勤務)、その辺を意味なく歩く層、リキシャ(3輪タクシー)運転手、ベジとか言ってるクソデブ、とかなり細分化された層が広がります。

少々長くなりましたが、私のようなインドに居住し仕事をする人間が接するインド人、つまり「インドにいるインド人」は決して優秀ではありません。中にはびっくりするほど優秀な人がたまに紛れていたりしますが、相当にレアです。
超優秀層から下層までの格差が恐ろしく広いのが特徴だと思います。

決して悪口を言うわけではないのですが、繰り返すと「インド国内に優秀なインド人は多くない」ということです。
まぁ、この格差があるというのはどこの国でも程度は違えど起きている状況ではあると思います。日本も人のこと言える状況ではなさそうですし。

ちなみに、海外で出会うインド人に「インドに戻って仕事したりするの?」とよく聞くのですが、大多数の答えは「NO!」です。

「せっかく国外に出て仕事しているのに何故戻る必要がある?そもそも戻りたくない、あんな国」
といった答えも多かったです。

余談ですが、日本では「インド人は数学が得意」とも言われます。これは大いなる誤解で、「インド人で数学が得意な人がたまにいる」が正解です。
普通に一緒の会社で働いているマネージャー層でも四則演算が一切暗算出来ない人もいますからね。
そもそも数字で定量的に説明できず、クソ長い定性的な説明を延々と続ける人たちですから、全員数学が得意な訳がないです。

ということで長くなりましたが、インド人優秀説は証明されませんでした。

最後になりますが、これらはあくまで私が置かれていた環境と積んできた経験上の話ですので、インド全てがこうではないのかも知れません。きっともっといいこともあるし、素敵な人もいるのだろうし、素晴らしい国なのかもしれません。残念ながら私にはそのようなご縁がありませんでしたが。

ですので、インドで苦労したサラリーマンの愚痴みたいなものだと思ってお付き合い頂けると嬉しいです。
それでも絶対に許さないからなインド。


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