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ニンジャスレイヤーをAoMシリーズから読む/S4_25【エピローグ】

こんばんは、AoMシリーズから出戻りしました望月もなかです。
今年は花粉症対策としてカルピスのL-92の赤いやつを飲んでるのですが、いまいち効果を感じられません。おいしいけど。個人差があるみたいなので残念です。

さて、初実況シーズンとなったカリュドーン編もついに最終エピソード。マスラダくんの愛する故郷はどうなってしまうのでしょうか。

前回の感想はこちら。

【前提】望月のニンジャスレイヤー知識

・書籍第一部を3巻まで(中断)
 →6年経過(ほとんど内容を忘れる)
 →『スズメバチの黄色』読了
 →AoMシーズン1〜3読了+後、PLUS加入
 →AoMシーズン4以降はリアタイ+旧三部物理書籍14巻(今ここ)

◇◇◇

今回のエピソードはこちらです。

「ビースト・オブ・マッポーカリプス」 - ニンジャスレイヤーWiki*

シーズン4:エピローグ

儀式荒野に爆発四散粒子が舞う。ニンジャスレイヤー、サツバツナイト、そしてナラクのカラテによって、セトは滅びたのだ……。だが次の瞬間、彼らは弾かれたように顔を上げる。空が赤く染まりゆく。爆発四散間際にかけられた恐るべきセトの呪いが、今まさにネオサイタマを滅ぼさんとしていた!

◇◇

「ミイイイヤアアア」茶器のデーモンである!

何を、仰っているのですか?
地の文さんのネクタイを優しく締め上げながら、唇に指を添えて黙らせたい。
茶器のデーモンとか……私は……認めていませんから……! そもそも茶器の分際で鳴くんじゃないよ!!!ギーッ!!!

肥え太ったデーモンはギョロつく目を激しく動かし、電子涎を撒き散らして狂ったように跳ね始めた。「ミイイイ!」乱雑な牙が生え揃うデーモンの口がすぼま

バシイイィン!!(タブレットを伏せる音!)

茶器に牙はないですが。

ハァッハァッ、、涎も垂らすわけがない。正気に返れ。いくらニンジャ世界でも茶器に牙はだめだから。茶器は無機物だから。涎を垂らしていいのはオオカミと狂人と欲望に気が狂った生命体だけなんだよ!! ムカついてきた!!!

儀式荒野の空は突如真っ赤に染まり、ドローン描画じみた光文字「爆発します」「すぐ」のミンチョ文字が浮かび上がっていた。

何? この光景……。天にも地にも絶望しかない。そう……常識が通じない絶望という名の地獄。
これがセトの呪いってことですか?
鏡を見なくても己の目からハイライトが消えていくのがわかる…

「落ち着け。ナンシー=サン」フジキドが彼女の手に肩を置いた。
 彼はやおら、暴れる茶器のデーモンを抱え上げた。(略)彼はマスラダを見た。「この茶器は私がどうにかする。オヌシは現世に戻り、問題に対処せねばならぬ。ニンジャスレイヤーとナラクの力を以てしてだ!」

マスラダとナンシーさんを逃がして自分はオヒガンでヒラグモもろとも爆発させる。それでネオサイタマは助かるのだ!

……などと真顔で考えていそうなフジキドさん。そういうところだよ!!ゆ、許せない。そうやって~~、そうやってすぐ、いざとなったら自分が犠牲になれば……みたいなムーブをするところがフジキドさんは本当にダメ! フユコさんも絶対あの世で怒ってるよ! 

シルバーキー氏と本当にお似合いですよね。そんなの誰も望んでないのに、どうして息をするように自己犠牲ルートへ飛び込んでいくのでしょうか。ただ「どうしようもなくそういう人間である」シルバーキー氏と違って、フジキドさんの場合は、十年経っても未だ完全には拭いきれない、贖罪や復讐の果てに己も虚無の暗黒へ堕ちるべき…みたいな思いが根底にあるような気がしてしまいます。危なっかしくて心配。フジキドさん幸せでいて。

「ミイヤアア! ミイイヤアア!」デーモンが抗った。

鳴くな抗うな茶器の分際で。土は土に還れ。 

くっ……穏やかな日曜の昼下がり、牙の生えた茶器が……心の平穏を粉々に打ち砕いてくる!

さすれば現実世界スゴイタカイビル地底のヒラグモの爆発は破滅的影響を免れるだろう。彼の推理は正確であった。

これは推理じゃなくない?

せんせー。また地の文さんがフジキドくんを贔屓してまーす。良くないと思いまーす。

「ゆくぞ」フジキドは亀裂を睨んだ。オヒガンの虚無にタッチダウンすべし!

タッチダウンすべし!じゃあないんですよ。
おじさんちょっと落ち着いてほしい。
タッチダウンの前にカームダウンすべき。

ケイトーのおかげ(?)でフジキドさんに生きる道が見えたのはよかったんですけど、誤解から来る無用な諍いとか真摯な眼差しとか幾つかの行き違いからくる相互不信とか、明らかな欺瞞的表現の数々にいちいちイラッとします。どこまで信じればいいのかわからないよ。

「このヒラグモを貴公がオヒガンに廃棄したとすれば、貴公が自我亡失する確率は100%。単なる消滅ならばまだよいが、かのヤマト・ニンジャのてつを踏み、次なる災厄の火種すら生じかねん(略)」

災厄の火種になるサツバツナイトifは正直ちょっと興味があるなって思いました。いえフジキドさんにそんなことにはなってほしくないんですが、物語として絶対面白くなる予感だけはある。


◇◇◇


ヒラグモの亀裂からネオサイタマ・スゴイタカイビル地下に戻ってきたマスラダは、壊れかけのコトブキと再会する。

破壊された膝や上半身にダクトテープを巻きつけた痛々しい姿のコトブキは、足を引きずり、ニンジャスレイヤーに近づこうとした。ニンジャスレイヤーは駆け寄り、支えた。

コトブキちゃん本当にボロボロで痛々しい。マスラダくんが「駆け寄る」描写、だいぶ貴重なのでウフフ…となっています。コトブキちゃんのことを本当に大事に想っているマスラダくん、いいですよね……。

ヒラグモが自重で潰れ、無惨な破片の堆積物に変わった。

歓声

タキの声がニューロンをどよもした。『ナンシー=サンから状況共有があって……』「ナンシー=サンから? サツバツナイト=サンは無事か!?

語尾に「!?」がつくマスラダくんめずらしくないですか!?
それだけフジキドさんを置いてきたことを気にしてたんだなって…ふふ……ふふふふ…

しかしサツバツナイトさんの安否もネオサイタマの状況も、とりあえずタキに訊くマスラダくんは甘えすぎ。タキは何でも教えてくれる母親とかではないぞ。


◇◇◇


赤黒オリガミにネオン・アートを添えるため、乱戦真っ只中のマルノウチ・スゴイタカイビル中心部を目指して駆けるザナドゥ。瓦礫が崩れ、黄金の巨人は暴れ、見も知らぬニンジャたちが次々と爆発四散していく…だが、彼が、今、行かなければ! 決死のダイブを決めるザナドゥの耳にモーターサイクル音が響き、気づけば彼は宙に浮いていた!

アクセルジャックさん、ネオサイタマにいても元気だね……。

というわけでシャドウウィーヴくんが助けてくれました。奇しくも芸術家(?)どうしの邂逅です。ちょっと嬉しい。
ウィーヴくんがすっかり手練れニンジャになっているのも感慨深いです。

ザナドゥの色彩に反応し、赤黒の結晶体は、より長く、強く、枝葉を広げ始めた。ザナドゥは笑顔になった。「イイイイイヤアアアーッ!」やがてスプレー缶の中身は尽きた。予備もない。ザナドゥは一瞬思考した。どうする。できるのか。できる。アブストラクト・オリガミが答えた。

作品を通して会話している!? 完全に親友ダチじゃん! ザナドゥとカイゎ……ズッ友だょ……!

たちまち屋上の床に色が拡がり、七つの決闘の象徴図が絡み合った。中央の穴から這い出した赤黒の析出は四方に別れ、四隅に隆起を生じた。ザナドゥが力を加え、それらを見事なネオンカラーの四体のシャチホコ・ガーゴイルたらしめた時、この巨大な作品は遂に完成を見た。

フジキド家の墓標(※生首収納壺)は崩れ失せ、今また新たな世代の若者たちが、マルノウチ・スゴイタカイビル屋上をアートで再定義する。
これが新たな時代の始まり。悲劇の出発点が、若き芸術家達の再出発点になる。奇しくもこのビルでマスラダは一度、オリガミ・アーティストとしての己を失ってしまいました。でも今、同じビルには、あの時の真っ黒なエメツとはまた違う、ネオンカラーの色彩豊かな芸術作品が輝いている。

少し寂しいけれど、フジキドさんにとっても、きっとこれでよかったのではないでしょうか。

一方、平安時代から因縁を持つ二人もまた、カラフル屋上を見つめている。

「クウッ……」「どうだ、気分は?」

クゥッ……じゃないんですよ。
何ですかこのやりとりは? よりでも戻すのかな?
この二人、シーズン4の間じゅうなんかずっと熱帯雨林でしたよね…暖かくて湿っていて……

フィルギアはシナリイの雅な肩に肘を乗せた。シナリイは口元を扇で隠した。

肩に肘を乗せるな!!!

ほんっとにフィルギアさんはそういうところがさぁ!? ちょっとはシナリィさんの気持ち考えなよ! 過去は過去、もう戻れない日々、彼は変わってしまったのだ……そう思ってすべて忘れて決別しようと思ったのに、体温ひとつで忘れられなくなっちゃうでしょ!! 魔性魔性!!!


◇◇◇


地下空洞。ギンカクに手を触れながら、マスラダはオリガミ・アートに添えられたザナドゥの色彩を感じ取っていた。黄金立方体の消えた空は青く晴れ渡っていた。賑やかな地上。ピザ・ワゴンの呼び声。隣には笑顔のコトブキ。ネオサイタマの日常が帰ってくる。

「そうだ。これで、カタがついた」「わたしの事はお構いなく」「面倒だ」マスラダはコトブキを米俵めいて肩に担いだまま、地上に向かった。

マスラダのいう「面倒」=「(どうせ一緒にいるために努力する必要があるんだから回りくどい真似をするのは却って)面倒だ」の略ですよね。
シーズン3でタキとの無線通信がつながったときにわざわざ集中してつなぎなおしたときも「切れたら面倒」って言ってましたからね。同じ意味ですよね。わかるぞ。(マスラダ語)

「ナンデこんな事になってんの?」「ヤバいよね!」「え! ビルの中入れンの?」「マ!?」無軌道市民達が入っていった。「スシ! 青空記念だ!」「ならウチのソバは磁気嵐消え記念!」「なんだと?」屋台同士のいさかい。

ネオサイタマ、逞しすぎる。平然と不法侵入するのほんとさぁ……って感じですが、こうでなくちゃね!という気持ちもあります。ほっとする。

マスラダとザナドゥは互いを見た。ザナドゥは微笑し、やや照れくさそうに拳を掲げた。マスラダは一瞬躊躇した後、そこに拳をぶつけた。

ワ゛ーーーーーーーーーーーーッ!!!!!泣
これからもずっとズッ友でいて!!!!!!!!!!!

拳ごっつんこ、かわいいよぉ……。爽やかな連帯感とリスペクトと友情が、ある……ッ!!! よ゛がっ゛だね゛マスラダぐん!!涙涙

「また何かしようぜ」「何か?」「作ったほうがいいと思うぜ、アンタのオリガミ。スゲエから」

また一緒に何か、しろ!!!!!!!

コラボをしろ……わかるか……マスラダ……コラボレーションだぞ……カレーに添えるゆで卵、トンカツに添えられたキャベツの千切り、トマトとチーズ、ウッチャンとナンチャン、わんわんとうーたん、カイとザナドゥのコラボアート……そういうものだぞ!!!!!!

「ほら、そこのアンタ! ピザを食えよな、ピザを!」「やめろザック! テキトーでいいんだ、こんなもん」「何言ってンだよ!?」
 マスラダとコトブキはそちらに向かって歩き出した。

ピザタキに向かって歩き出すマスラダとコトブキちゃん! 号泣だよぉ…ザック少年もすっかりネオサイタマっ子らしく逞しくなって、嬉しいです。雨をしのげる屋根と寝床を、労働以外の理不尽な搾取をせずに提供してくれているタキとコトブキのおかげだよ。

タキはニヤリと笑った。「よォ、迷惑野郎。問題は片付いたかよ」「片付いた」

わあ あいぼうどうしのかいわだね
(もなかさんの知能指数が急激に下がっている!?)

そうそう。ウィーヴくんがスゴイタカイビルでザナドゥくんを助けに来てくれたということは、ユンコちゃんとの会話もそこそこに地下を出て行っちゃったということなんですよね。しかも戻ってこないんかい。
そんな短時間でザック少年にも「あれは彼氏? 旦那?」と思われる距離感で二人が会話していたのかと思うと、やりとりが描かれなかったの惜しすぎます。見たかったよ~

ともあれ、儀式破壊は成功。首謀者にも目にもの見せてやりました。フジキドさんもナンシーさんも無事。マスラダは戦いを通して己の中のオリガミ・アートと再び向かい合うこともできました。
ぐちゃぐちゃになったネオサイタマ中心部に、騒がしく自分勝手な市民は当たり前のようにまた集い、マスラダくんはコトブキちゃんと一緒にピザタキへ帰り、彼らの日々は続いていく。素敵な幕引きでした! めでたしめでたし!!


◇◇◇


エジプトにいたエーリアスさん(?)はいったい何なんでしょうね?
それこそ始祖の影がこの形をとってるとか……はさすがにないかなぁ。謎。

ヒラグモとともに彼方へ消えたケイトーは、アーサー王伝説の時代へタイムスリップし、転生主人公ムーブで魔法使いとして龍殺し無双……何ですかこれ? ケイトー・ニンジャの目的は未だに明かされていませんが、リバティくんへの肩入れといい、やはりカツ・ワンソーに対する複雑な心根が隠されていそうに思います。カツ・ワンソーの操り人形めいた運命に反逆しようとしているとか……? 過去に行ってしまった彼との運命がこの先AoM世界で交錯することはあるのでしょうか。


◇◇◇

というわけで、長らくお付き合いいただきましたシーズン4感想記事も最終回です! 書きたい放題書いているだけではありますが、少しでも一緒に楽しんでいただけていたら嬉しいです。ありがとうございました!

さて……次はどうしましょうね。
トリロジー感想の続きに戻るか、Twitter再放送されていたゾンビ?エピソードを読んでみるか、ずっと気になっているナクソス・アンダー・ファイアに手を出すか、始まって完結したばかりのシーズン5第1話ステップス・オン・ザ・グリッチの感想をまとめるか……その前に222の日が来るので、久しぶりに二次創作を書いて己の欲望を満足させたい気もします。

ともあれまた次の記事でお会いいたしましょう。
ではでは、良いニンジャライフを~!!

楽しいことに使ったり楽しいお話を読んだり書いたり、作業のおともの飲食代にしたり、おすすめ作品を鑑賞するのに使わせていただきます。