その観測者、語り部という 1

神椿市建設中の日記的な備忘録的な


それは神椿スタジオというアーティストグループから突如生えた謎多きプロジェクト。
今ではTRPGやらゲームやら、様々なプロジェクトが発表されているが、ではその最初の物語を体験した人はそんな居ないのではなかろうか。
そう、それは2021年10月1日、夏休みプロジェクトのはずだったのに秋にズレた、そんな日に物語は始動した。
神椿市零番街における、ヘンテコな謎解きイベント。観測者と謎多きプレイヤーたちは同じチャットサーバーに集結した。

最初は無法地帯だった。ボイスチャットでカラオケはするしゲームはするし荒らしは出るし。
だがそのコミュニティは確かに今の観測者間の共創を作った大きな一要因であるということを私は確信している。特に配信でもよく名前が上がる人もこの建設中をきっかけに話題になってる人もいる。
自分においては人生が変わった転換点でもある。

自己紹介が遅れた。私は風祭。神椿市建設中の謎解き期間、毎日VCに入っていただけの人間だ。
この文章は物語ではなく評論でもなく、日記。
過去を回想し想いを綴り考え直したもの。
風祭という一人の人間が見た神椿市建設中についてだ。

先に注意するが、ここではパンフレットなどに載っている情報は用いない。更に記憶の断片などの物語については概略のみを綴る。

謎解きの始まる前日

ボイスチャットで話しているうちに神椿市を考察するという流れになり、ある人物がマークダウン言語で書かれたメモを渡してきた。それは時系列も何も順序のない取り留めのないメモ。そこには観測者たちが考え、空想して書き留め考察(もしくが妄想)がズラッと並んでいた。
ラプラスの悪魔やらマクスウェルの悪魔やら、裏切り者やら神話やら、本当に突拍子もなく根拠もなく、だが発想としては面白い考えが100個前後並んでいた。
私達は各々、これは違うだのこれはおかしいだの色々とツッコミを入れながらその殆ど読み上げた。
特に面白かったのは
今思うとあれが一番最初に私がボイスチャットで肉声を発したときである。

Discordの考察欄を見れば神話や伝承など、様々な視点から神椿市が考察されていた。今思えば、謎解きイベントつながりで神椿に来たという人も多かったようでそのようなアプローチを試みたようだが、結果としては芳しくなかったというのが現実だろう。神椿、あまり露骨なオマージュとかはしないのである。

Qが発生するまで、チャットでは各々の考えを皆好きなように吐き出し、雑談では芋けんぴやらなんやら色々ミームも発生していたがそこに私は特に関与していないので悪しからず。
だが、考察には幾らか貢献させて頂いた記憶がある。既に覚えてもいないが。

前提知識
Q:神椿市に現れる黒い靄のような存在。Qを解くと消滅する。

テセラクター:らぷらすのような形状。本編では魚型の存在。最初無害だが、後に悪意の存在として登場人物(と観測者)を苦しめる存在。

記憶の卵:何処かの誰かの記憶が封じられている物体。
後に根拠を書くが、敗北した世界線を含めた様々な世界線の魔女たちの記憶と考察している。

神椿市復興化:神椿市の復興のために存在する機関。青い鳥のような姿をしているため復興化鳥と呼ばれている。

βサーバー:神椿市建設中のβ版で使われたサーバー。彼らを私はβ組と呼んでいる。

属性:ゲーム内において観測者に割り振られた属性。四大属性の火、水、土、風がある。
風祭は火属性。

本編の話と行こう

当時のストーリーを振り返れば奇っ怪な状況だった。
記憶の卵、喋りだす無機物やオウム。ナラティブになってからは見かけないがエマージェンス時代は人ではないものがよくお喋りであった。
言うて今でもオウムは喋ってるしDiscordでたたずんでいるが。

記憶の断片の内容は簡潔に言うと、
化歩が共創課に出会い現実に帰る理由もない彼女は歌の力で人を集めることを承諾。しばらくして他魔女も合流。しばらくは順調だったが彼女らは神椿市の崩壊を辿った記憶の卵に出会う。
Lという謎の少年にそのとき出会うのだが断片ではそれきり。その後テセラクターの猛攻により共創課AIがテセラクターにより無事死亡。魔女たちは希望を失わず次の誰かに託すために歌を歌い.......その世界線では敗北を喫した。

そして我々、今回Qを解く側のストーリーは森先化歩に出会い、また会ったねと言われるところからスタート。喋る花々や黒板、というか発声器官などないはずのものが語りかけてくる神椿市で様々なQを解く。時々森先化歩の姿も見え、彼女をテセラクターから守るために行動することもあった。
中盤からはLとともに行動することになり、扉の先、祭壇を探すが私達も一周目は敗北した。
そのときDiscordにおいては一人一人ボイチャから人が落とされ私が最後まで残ったのは良い思い出。
さて、二週目は一日で7つくらいのQを解くことになり大忙し。

全てを巻き返す勢いで零番街を復活させた。

一ヶ月のストーリーを纏めるとこんな感じ。正直、そこまで凝った長い話というより短い話を一ヶ月で少しずつ進めた感じだ。

当時の様子なのだが、観測者同士の連携が見事に取れていたのが面白かった。毎日Qの振り返りをする人、私を含めてストーリーを纏める人、情報を纏める人と多くの有志の活動が一気に実を結んだように思える。

夜だけかと思えば朝にQが出現したり、QRコードを作成するものに関しては地獄を見た。なんせ中盤から多くの人がモチベーションが続かないことが多い。なにより私も大学の隙間時間を頑張って参加していた記憶がある。
考察も最初は盛り上がるが後から廃れていくものだ。

ただ、神椿☆学園やアーカーシャ書籍館のゲームなどミニゲームも多数存在し、エンターテインメント性は強かった。寧ろ神椿☆学園を通ってない人は勿体無いことをしていると思えるくらい面白かった。魔女たちのギャルゲーぞ?ぶっちゃけネタとして面白い。
後はオウム、あまりにもなかなかヒントを教えてくれない上に問題が難しく結果的にオウムを焼鳥にするというミームが生まれた。適当に名前入れたら答えれちゃった福岡(空港)案件とかも当時のミームである。今考えると訳の分からないミームがたくさん生まれていた。
(魔女たちに愛を叫ぶ求婚会場とかいうスレッドもある。他ニュースサイトで取り上げられていたが限界オタクに耐性のない人は見ないことをおすすめする)

世界感として特筆すべき点は無機物が喋るなど根本的に現実の法則が効かないこと。テセラクターという存在は様座なものにQを取り憑かせれて、かつ様々な形態がある模様。
それと魔女及び我々が負けて神椿市が崩壊すると時間が巻き戻るというループ仕様であること。
魔女の娘とは歌を用いて共創者を集めることくらいか。
実はそんな語ることは多くない。概略として語るまでもない話も多く、これからの物語を見るのに必要な知識はそう多くない。

そして後日譚という後日譚もない。強いて言えばここから様々なコミュニティが神椿のファングループが発生するようになったということくらいか。
雑談一や神椿市庁特捜部など、様々なコミュニティが生まれ始めた。謎解きも面白いが人間関係の構築も多い時期だった。

そして長い時間をかけて神椿TRPGで再会するというのはまた別のお話だろう。

まず、最初の備忘録はこんなものでいいだろう。

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