定点撮影でモチベーションを持ち続けるには
いつも見ていただき、ありがとうございます。
長年飽きずに同じ場所で撮影するには、というテーマですw
ほぼ毎週のように、五老ヶ岳山頂からの早朝の景色を撮ってます。
撮りはじめてから10年、同じ場所で撮影を続けるには、モチベーションを持ち続けることが大切です。
モチベーションの持続方法についてヒントになればと思います。
慣れは大敵
定点観測的な撮影ですが、朝焼けが綺麗、雲海が出た、日が昇ったなどを撮ってます。
なんとも贅沢な話ですが、近畿百景第一位の絶景を見続けていると、それが当たり前になってきて、絶景が絶景で無くなってきます。
どんなことでも、「慣れ」はあります。
写真の場合、「慣れ」は「感動」を奪うので気をつけなければなりません。
「感動」が無くなると、モチベーションを維持することが難しくなるものです。
〇〇狙い
10年間も同じ場所で、日の出・日没の時間帯で撮っていると、天気予報から「大体こんな感じかな」ってわかるようになってきます。
五老ヶ岳山頂で顔を合わす、雲海が出る時だけ撮影に来る人、日の出だけを撮影に来る人は、天気予報を確認して狙って来ています。
最初の数年間は、天気予報を確認して狙って撮影していたのですが、想像していたとおりにならないことも多々ありました。
自然相手の風景写真ですから、想像どおりにならないことは当たり前なんですが、「もうちょっと雲が欲しかった」とか、反対に「稜線に雲が多くて撮れない」とか、勝手にイラついていたりしました。
「〇〇狙い」で撮影に来ている人も同じようで、ブツブツ言いながら撮っている方もおられます。
晴れ予報で日の出狙いだったのに、空一面が雲だったりすると、「頑張って早起きしたのが無駄だった」と感じ、撮れ高なしの最悪の一日の始まりになります。
好きで写真を撮りに来て、イラついて帰るなんて精神衛生上悪いですねw
想像と現実の差
最初の頃は、思い通りの光景でなければイラついてました。
これから紹介する考え方に気が付いてから、撮影の面白さにハマることになりました。
天気予報で、気温、湿度、風向、風速の予報を確認し、前日の最高気温、最低気温、湿度、風のデータを確認します。
何年も撮影に行っていると、「今日は大体こんな感じの景色になるだろう」などと想像できます。もちろん、時刻によって状態は変化しますので、「深夜は視程が良くても、明け方になると気温が下がって、風もないので霧が出そう」とかが想像できます。
五老ヶ岳山頂への道中、こんなことを考えながら車を走らせます。
山頂に着くと、山頂からの眺めと、想像していた光景を照らし合わせてみると「違うところ」が見つかります。
「違うところ」が、"想像を超えていた部分"です。
もちろん「違うところ」は、プラス方向もマイナス方向もあります。
「違うところ」が、その日の撮影するところ(テーマ)です。
モノは見方、風景も見方
三角柱を上から撮ったら三角で、横から撮ったら四角。
見方によって形が違います。。。
いえいえ、写真の場合は、光がどっちから入って、影がどう出るかによって違うモノになります。
風景だと、雲がかかっていても、雲の向こう側にお日様があって、雲と言うディフェーザーを通過して光が降りてきます。
雲は光の固さを変えるものです。
光源(太陽)に向って撮る逆光以外にも、半逆光、サイド光、順光で撮ることもできます。
時間と共に太陽は昇って(沈んで)いきます。希望の光の角度は、時間で解決できます。
色温度は、時刻によって変わります。もちろん、曇りや陰などの光の状態によっても変わります。
「〇〇狙いで、こんなイメージ」って固定してしまうと、三角柱の形だけに注目しているようなものです。
風景写真は、その状況下の光をどう使うかってことを意識すると、急に奥深くなります。
「〇〇狙いで、こんなイメージ」を追求したい場合は、絵画を描くのがいいでしょうね(^^)
想像を超えたマイナス方向
撮り始めた頃は、こんな景色を見ると速攻で帰ってたでしょう。
天気予報は薄曇りだったのですが、思いのほか厚い雲が空一面にありました。
この日は、想像を超えた雲でしたので、いかに雲を撮るかがテーマです。
ベッタリと平面的な雲にならないように、露出調整とフィルターを駆使して撮影しています。
当然ですが時刻は狙って撮ってます。少し明るくなる頃は、雲の後ろ側から朝の光が入っているので、雲の薄い所は明るくなって立体感が強調されます。
そんな中、想像を超えた雲が現れましたw
以前に投稿したコレ。
すぐに雲が消えちゃったので、「雲を撮る」ことを意識していなければ見落としていたと思います。
次は、想像よりもダメダメな状況でしたが、最後に一発逆転の光景が現れました。
雄大な光芒は、オーロラのようでした。
想像を超えたプラス方向
想像を超えたプラス方向は、マイナス方向に比べて多くあります。
自然(風景写真)は、プラスマイナス・ゼロでは無いようです(^^)
最近だとコレです。
晴れ予報だったのに雲が多かった朝でした。
日の出の直後までは、想像どおりの景色でした。
日が高くなると、想像していなかった光景が広がりました。
日に照らされた雲が世界を二分しているように見えます。
街のシルエットが、濁った空間に浮かび上がり、天界と下界のような世界が現れました。
雲海撮影で、似たような光景はありましたが、ここまで綺麗に二分した状態は初めてでした。
こちらも、二分された世界。
雲ではなく、雪化粧で二分されてます。
1枚目の写真のクリアな冬の空気感と、山頂に積もった雪によって立体感と山の奥行きが強調されていました。雲も理想的なかかり方!
なにもかも想像を超えていて、とても感動したのを覚えています。
次が船が走った波紋。
静かな海を一隻の船が走っていく、よくある光景でした。
絵になりそうだから撮っていたのですが、時間が経つにつれ美しい波紋が現れました。
これまで、沢山の船の波紋を撮ってますが、想像を超えた波紋でした。
モチベーションのアップ
”想像を超えていた部分”を意識して撮影すると気づくことがあります。
想像を超えた部分は、上手く撮影できないのです。
想像できる範囲は過去撮影してきた経験から、こういう撮り方すれば良いだろうってアイデアが浮かびます。
しかし、想像を超えた部分は、これまでの撮り方で撮影しても腑に落ちないことが多く試行錯誤をしています。
曇天の空なんて好き好んで撮りませんからねw
こんなことを考えながら撮ってます。
・どの範囲を切りとればいいか(画角とレンズ選択)
・絞り、シャッター速度、ISO感度の優先順位はどうするか
・どこにピントを合わせるか(ピントが無限大でも意識する)
・被写体のどの部分に露出を合わせるか(スポットで露出を調べる)
・フィルターを使うか否か(C-PL、ND、ハーフND、特殊フィルターなど)
・撮影時にどこまで追い込んで、どこから現像で処理するか
RAW撮影するので、ホワイトバランスとピクチャースタイルは現像で処理してしまいます。
マニュアル露出のほうが試行錯誤をやりやすいので、プログラムモード、シャッター速度優先モード、絞り優先モードは使うことがありません。
一番気にしているのは「被写体のどの部分に露出を合わせるか」です。
カメラのダイナミックレンジ内に収まるのであれば問題ないですが、朝日・夕日は露出オーバーになりますし、山など暗い部分はシルエットになって、質感が失われてしまいます。
意図した絵にするために、ハーフNDの使用頻度は、かなり高いです。
アンセル・アダムスの写真を見てから、この方法(ゾーン・システム)の考え方を取り入れています。
このように試行錯誤で、引き出しが増えていきます。
腑に落ちる写真が撮れると嬉しくなります(決して上手な写真ではないw)
今のカメラは、シャッターを押せば写りますが、思い通りに写るかどうかは別問題です。
試行錯誤で腑に落ちる写真が撮れるようになると、モチベージョンが上がります(^^)
承認欲求でモチベージョンを維持していないので、「いいね」や「スキ」の数が少なくても、モチベーションは問題ありません <ー 負け惜しみ
腑に落ちている写真は、評価がイイものが多いのも事実です。
振れ幅を求めて
最近は、ゲリラ豪雨や風がある日などを狙って撮影しに行くことが多くなりました。
想像と現実の差が大きくなるのは、天候が荒れる時など、振れ幅が大きいときです。
五老ヶ岳山頂は、公園と五老スカイタワーがあり観光地です。
天気の良い日の写真は、観光客が沢山撮影していますが、荒れた日の写真は、ほとんど無いと思います。
高い所から見ていると、雲が大きく下がてきて豪雨で霞んでいく光景は、なかなか想像できるものではありません。
まとめ
定点観測的な撮影でモチベーションを維持する方法のひとつを紹介しました。
「いいね」や「スキ」の数を稼ぐのもイイですが、他人からの承認ではなく、自分の中でモチベーションを維持するほうが、長く続けられると思います。
紹介した方法は、撮影技術を向上させる方向性のものです。
撮影技術向上といっても、キッカケがないと動けないと思います。
私の方法は、「想像と現実の差」をキッカケに撮影することです。
想像力に限界はありますが、多少なりとも想像することはできます。
あとは、現実と比べるだけです。
定点観測的な撮影以外でも、キッカケづくりには使えますので活用してください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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