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RFレンズとEFレンズの比較
いつも、読んで頂きありがとうございます。
先日、RF24-105mm f4L IS USMを入手しました。
半年前からEOS-R5を使っていますが、これまで、EFレンズで撮影していましたので、私にとって初RFレンズです。
ネットの比較レポートを見ていると、レンズ自体のスペックや、解像度の比較記事がありますが、RF24-105mm f4L IS USMは、可もなく不可もないような評価です。
また、比較レポートは、コントラストが出やすい昼間に撮影されたものです。私がよく撮影する、早朝や夕暮れ、夜景はどんな感じに撮れるのかも分からないものでした。
特に「Lレンズにしては・・・」という評価が引っかかってしました。
EF24-105mm f4L IS USM(第1世代)を所有してますが、RF24-105mm f4L IS USMはスペック的に全く同じと言ってもいいようなレンズで、お金を出してまで買う価値があるのかと疑問がありました。
EF24-105mm f4L IS USM(1型)と比較してみたいと思います。
Canonが公開している仕様を比較してみる
結論:仕様比較しても、違いはほとんどない。
RF24-105mm f4L IS USMと、EF24-105mm f4L IS USM(1型)は、頭文字が「R」か「E」かが違います。
「R」と「E」が違うのは、マウントが違うのですが、あとの型番は同じです。
それぞれのレンズのスペックを並べて見ると、ほぼ同じです。
巷のレビューでは、EF24-105mm f4L IS USM(2型)より小型軽量になったとされていますが、1型と比べると、0.3mm長くなって、30g重くなってます。
これでは、お金を出してまで買う価値があるのだろうかと悩んでしまいますねw
レンズ構成と、絞り羽枚数が違うのが、写りにどう影響するのかです。
EF24-105mm f4L IS USM(1型)は、16年も前(2005年8月発売)の設計ですから、写りは当然よくなっているでしょうね。
レンズ構成は、RF24-105mm f4L IS USMが14群18枚、EF24-105mm f4L IS USM(1型)は13群18枚です。
CanonのHPを見ると、非球面レンズとUDレンズの枚数は同じですが、配置が違いますね。
レンズ設計の知識がないので、どのような意図で変更されているのかが分かりませんが、EFレンズはバックフォーカスが長いので、RFレンズの方が写りが有利なのは確かでしょう。
RF24-105mm f4L IS USMのレンズ構成(CanonのHPより)
EF24-105mm f4L IS USM(1型)のレンズ構成(CanonのHPより)
改めて見て驚いたMTF特性図
結論:RF24-105mm f4L IS USMは、ヌケが良くなっているかも...買おうかなと思った
MTF特性図は、レンズの解像感が(なんとなく)わかる図です。
S方向(サジタル)と、M方向(メリジオナル)で、空間周波数を計測したものです。
縦軸の1.0に近いほど、コントラストが良く、ヌケが良くなります。
横軸は、レンズ中心からの距離です。
RF24-105mm f4L IS USMのMTF特性図は割と素直ですが、EF24-105mm f4L IS USM(1型)は、105mm時、M方向の30本/mmの特性が波打っています。改めて見てびっくりしました。
こんな特性だったかな...悪い意味で驚きました。
RF24-105mm f4L IS USMは、高い空間周波数の改善と、レンズ外周までヌケが良くなっているようです。
MTF特性図を見て、RF24-105mm F4L IS USMを買うことにしました。
RF24-105mm f4L IS USMのMTF特性図(CanonのHPより)
EF24-105mm f4L IS USM(1型)のMTF特性図(CanonのHPより)
実際に撮影して比べてみました
結論:良いところもあれば、注意すべきところもある
RF24-105mm f4L IS USMのファーストインプレッションは、こちらを見てください。
さて、実際に撮影したものを比べて見ましょう。
カメラは、EOS-R5。レンズを付け替えて撮影しています。
マニュアル露出でRAW撮影し、Canon Digital Photo Professional 4(DPP4)で現像しています。現像の際の設定は次で統一しました。
レンズそのものの特性を見るために、レンズ補正は全てOFFにしています。
・ホワイトバランス 5200K
・ピクチャースタイル:スタンダード
・レンズの補正:全てOFF
・シャープネス:OFF
【試写1】
左がEF24-105mm F4L IS USM 、 右がRF24-105mm F4L IS USMです。
いずれも、焦点距離105mm 、シャッター速度 25秒、絞り F11、ISO感度400です。
RFの撮影時刻は、4:04。
EFの撮影時刻は、4:07。
日の出の約30分前で、刻々と明るくなっていたので、RFで撮影したのが3分早かったためか、RFは暗くなってます。
【試写2】
次は、同じ明るさの写真となるように、カメラの露出計を見ながらシャッター速度を調整しました。
左のEF24-105mm F4L IS USMの写真は、焦点距離105mm、シャッター速度10秒、絞りF11、ISO感度400、撮影時刻 4:08です。
右のRF24-105mm F4L IS USMの写真は、焦点距離105mm、シャッター速度6秒、絞りF11、ISO感度400、撮影時刻 4:10です。
RFのほうが、暗く写るようです。
いや、正確には、コントラストが強く、発色も濃いため、暗く写っているように見えているようです。
露出設定するときは、この特性を加味したほうが良さそうです。
街灯の部分を拡大してみました。
EF24-105mm F4L IS USMは、8枚絞りのため、街灯から8本の光条が出ています。
RF24-105mm F4L IS USMは、円形絞りのため、街灯の光条が出てません。
夜景撮影では、光条をだすことで、きらびやかに盛った写真になるのですが、RF24-105mm F4L IS USMは、盛ることが出来ません。
【試写3】
日暮れに撮影したものです。
いずれも、シャッター速度 1/60秒、絞り F11、ISO感度400です。
RF24-105mm F4L IS USMの方が、少しマゼンダ気味に色が出てます。
一方、EF24-105mm F4L IS USMは、青っぽいですが、どちらかといえば色が出てません。
コントラストが低いときは、発色に差がでるようです。
空には、夕やけの色が残っていたので、マゼンダ気味のRF24-105mm F4L IS USMの写真に近い状態でしたが、それでもマゼンダ傾向です。
他の写真も検証しても、RF24-105mm F4L IS USMは、マゼンダ傾向があるのかもしれません。
EOS-7DからEOS-R5に変えた時のインプレッションで書きましたが、同じレンズで撮影してもEOS-7Dに比べEOS-R5のほうが赤っぽくなることが判りました。RF24-105mm F4L IS USMでさらにマゼンダ傾向になります。
Canonは、発色の考え方を変えたのでしょうか。
【試写4】
レンガ作りの建物は、解像度を見るには最高の被写体です。
標準的な撮影パラメータ(シャッター速度:1/200 絞り:F8 ISO:800 焦点距離56mm)で撮影してみました。
雨模様だったので、ISO感度を少しあげました。
焦点距離56mmで撮影していることもありますが、周辺減光もありません。
左上隅を拡大したものです。レンズ補正は全てOFFです。
レンガの一つひとつがクッキリと解像してます。
レンズ補正なしで、これは見事です。
ズーム操作するとイラっとする
結論:ズーム操作すると、ピントのズレが大きい
ズームレンズは、ズーム操作をしても、ピントがズレないレンズをいいます。
バリフォーカルレンズは、ズーム操作をすると、ピントがズレるレンズをいいます。
RF24-105mm f4L IS USMも、EF24-105mm f4L IS USM(第1世代)もズームレンズで販売されていますが、ズーム操作をすると少しピントがズレます。
RF24-105mm f4L IS USMと、EF24-105mm f4L IS USM(第1世代)を比べると、RF24-105mm f4L IS USMのほうが、ズーム操作をすると明らかにピントのズレが大きいです。
夜明け前の雲海撮影は、ほぼ闇夜なので、EOS-R5のオートフォーカスは合焦しません。マニュアルフォーカスでピントを合わせるのですが、ズーム操作時のピントのズレが大きいと、ピント合わせに手間取ります。(私の撮影環境が特殊なだけです)
オートフォーカスの性能が良くなったので、通常は問題が無いかと思いますが、夜間の風景写真はマニュアルフォーカスでピントを合わせることがあり、ズーム操作でピントのズレが大きいとストレスを感じます。
ただし、オートフォーカスは、フォーカス音もほとんどなく、反応も速く、スッとピントが合います。気持ちいいオートフォーカスです。
暗闇でのレンズ交換は難易度が高くてイラっとする
RF24-105mm F4L IS USMの外形は、出っ張りもほとんどなく、きれいな円柱形に近いデザインです。マウントの合わせマークも赤い線になりました。
これが、暗闇の中でのレンズ交換の難易度が高くしています。
EF24-105 F4L IS USMは、合わせマークが出っ張っていたので、手で持っただけでレンズの挿入位置が分かりました。目をつぶっていても交換ができたのです。
新月の夜は真っ暗闇なので、レンズ交換にライトが必要になり、イラっとします。
マウント側キャップの装着にイラっとする
マウント側のレンズキャップには、印がついています。
EFレンズの場合は、特に気にしなくても捩じるとキャップができていましたが、RFレンズの場合は、キャップの印を合わせないとキャップができません。
EFレンズのキャップは、RFレンズに使えませんが、
RFレンズのキャップは、EFレンズに使えます。
こんな事に気を利かせるなら、印を合わせなくてもキャップができるようにして欲しかったです。
RFレンズとEFレンズを混在して使うとレンズ交換時にイラっとする
EFレンズを使うにはマウントアダプタが必要です。
EFレンズしか使っていない時は、マウントアダプタをカメラ側に残してレンズ交換するという手順で統一されていたので、レンズ交換はスムーズにできていました。
RF24-105mm F4L IS USMに限った話じゃないのですが、RFレンズが一本混じることによって、マウントアダプタを外す/外さないが混在することとなり、レンズ交換でミスをすることが出てきました。
レンズを付けようとすると、カメラ側にマウントアダプタが残っていて、RFレンズが着かない。→イラっとする
レンズを付けようとすると、カメラ側にマウントアダプタが着いていなくてEFレンズが着かない。→イラっとする
EF100-400にマウントアダプタを付けて、バックに仕舞おうとすると、マウントアダプタ分長くなっているので入らない。→イラっとする
解決策は、
案1:全てRFレンズにする。
案2:EFレンズすべてにマウントアダプタを付ける。
案3:すべてEFレンズにする(RFレンズを売り払う)
案4:レンズ交換の練習をして、間違わないようにする。
でしょうか。
解決策を考えるだけでも、イラっとします。
結局、RF24-105mm F4L IS USMはどうなのか
結論:コントラストと発色が良くなり表現力がUPしてます。使いこなすには、いくつかの注意が必要なようです。
EF24-105mm F4L IS USMと比べての評価です。
RF24-015mm F4L IS USMの良い点
(1)夜明け前や夕暮れ時のコントラストの低い被写体でも発色する。
(2)解像度が向上している。
(3)オートフォーカスは、静かで速くて感動もの。
(4)円形絞りのため、玉ボケが綺麗なはず・・・試していないので
RF24-015mm F4L IS USMの注意する点
(1)コントラスト、発色が濃いので、イメージと若干ズレる。(レンズ特性に慣れれば問題ない)
(2)写りは、若干マゼンダ気味。
(3)円形絞りのため、光芒が出ない。(キラキラ夜景にできない)
(4)マニュアルフォーカスで、ズームするとピントのズレが大きい。
Canonさんへの要望
(1)レンズのマウント合わせマークを、触って分かるようにして欲しい。
(2)マウント側のキャップは、どの位置からでも着けられるようにして欲しい。
まとめ
RF24-105mm F4L IS USMは、正常進化しています。
EF24-105mm F4L IS USMが、EOS-5Dのキットレンズだったように、RF24-105mm F4L IS USMは、価格と性能のバランスをとった、同じ位置づけのレンズと思います。
両レンズの仕様は、ほとんど同じですが、現在のレンズらしい特徴を持つレンズです。
今回、評価していませんが、RFレンズの多くは、円形絞りですので、玉ボケがきっと綺麗でしょう(期待値)。
解像感は、標準的な撮り方でしか確認してないので、開放から最大絞り、広角から望遠までの組み合わせで確認したいです。
また、三脚での撮影ばかりで、手振れ補正を評価していませんが、手振れ補正5段で、EFレンズより進化しています。
...うーん、沢山宿題が残ってますねw
最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。
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