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「とってつけたような続き」 s2e3 10/03

前日のあらすじ

 引きを作った。


1.あの日

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 そう、あの日もいつもと変わらない一日になるはずだった。ぼくは帰ってきてからクレヨンしんちゃんを見てそのまま2時間アニメを見続けた。そのころのアニメは分散して2時間も続けてアニメが放送されるなんて珍しかった。
 手帳に「みたもの」を記入しているのでクレヨンしんちゃんの話数を調べた。その日にみたしんちゃんは1051話だったそうだ。そういわれてもピンとこない。ドラえもんは543話でコナンは983話だった。ドラえもんは2005年でいったん話数カウントがリセットされている。このご長寿アニメのなかで一番若いのはそういう理由だった。

 半妖の夜叉姫が始まった。そのまま犬夜叉の続きのように始まった。今回はまだ新主人公たちのフェーズではなく犬夜叉たちの話だったけどこれから次世代たちの活躍が見られるのかな。なんて思っていたのだった。


2.襲撃

 そんな一日の終わりにぼくは外へ散歩に出た。金木犀が香る穏やかな夜だった。あてどなく歩く散歩でふと普段は使わない道を通ってみようと思い立ち、住宅街の狭い路地へ進んだ。路地の入口には鳥居が建っていて不思議な空気が立ち込めていた。ここを進むと、もう引き返せないような予感がした。だが、ぼくはそれでも先へ進んだ。これからどんなことが待っているか、まだ知る由もなかった。

 路地はもう何年も誰も通りかかっていないようでクモの巣がそこかしこに張り巡らされていた。奥に進むにつれ、霧が濃くなる。そして路地の奥までたどり着くと、神社があった。夜で真っ暗なはずなのに神社は陽の光が差し込んだように柔い光に包まれていた。
「ここは……どこ?」ぼくは独り言が口からこぼれた。

「ここはわらわの庭じゃ。おぬし、人間じゃろう。どうやってここにはいってきた」

 突然背後から声が聞こえて慌てて振り返った。ぼくの後ろに一人の少女が立っていた。


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