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USMLE受験費と「USMLEを受験しない」という選択

IMGはAMGよりも高い受験費を払わないといけませんが、なぜか日本でUSMLEを受けるととんでもないsurchargeがかかります。以下はIMG(2019年の費用)とAMG(2020年から適応される費用)の比較です。

Step1

AMG:$645 + Surcharge $0
日本人IMG:$940 + Surcharge $365 = $1305
Surchargeは他国IMGの2倍(他国は$150-195)

Step2CK

AMG:$645 + Surcharge $0
日本人IMG:$940 + Surcharge $410 = $1350
Surchargeは他国IMGの2倍(他国は$180-220)

Step2CS

AMG:$1300
IMG:$1580

Step3

AMG、IMG共に$895

合計

AMG:$3485
日本人IMG:$5130

AMGと日本人IMGの差 = $1645!!

日本人からお金取り過ぎですが、日本人IMGだったとしてもアメリカでStep1とStep2CKを受験するとsurchargeを支払う必要がなくなり、$775安くなります。しばらくアメリカに滞在する予定がある方はその時を狙って受験するのもありかもしれません。ちなみに結構頻繁に値上げされます。2017年に私が支払った時よりもStep1と2CKは$45も高くなっています。


First Aid、U world、NBMEといった教材費や2CS対策講座、移動費、滞在費なども合わせるととんでもないお金が必要です。100万円は超えるでしょうか。もちろん莫大な勉強時間も必要です(ECFMG certificate取得までに平均3年以上かかるというデータもありますが、このデータの注意点はECFMG certificate取得に至らず途中で辞めてしまった人を含んでいないところです。相当数の人がECFMG certificate取得にまで至っていないはずです)。若手のドクターや医学生に伝えたいことは、医師になると「USMLEを受験したことがあるか」「USMLEで高得点を取ったか」「ECFMG certificateがあるか」どうかで凄いとか判断されることはないということです(少なくとも循環器内科は絶対にないですが、他の科もそうでしょう)。特に医学生の頃はUSMLEの勉強をしている人がなんとなくすごく見えるかもしれません。周囲が勉強しているからというノリで始める前に、勉強を始めるモチベーションがお金と時間の投資に見合っているかどうかしっかりと考えることが重要のように思います。「あの時USMLE受けてECFMG certificate取っておけばよかった」と感じている人もゼロではないかもしれませんが、それよりも途中まで試験を受けてその後USMLEから遠ざかる人の方が圧倒的に多いと思います。

一方で、明確なプランがあってUSMLEに臨んでいる人には、更に時間とお金がかかりますが、是非グリーンカードの取得を先に試みる道も早い段階から検討して頂きたいなと思います。

Conclusion

受験するか迷っている人に「迷っているならとりあえずがんばって勉強してみたら?」と安易に言える程安いテストでもなければ短い準備期間で受験できる試験でもないので、お金と時間の先行投資を無駄にしたいためには、「USMLEを受験しない」という選択も普通にアリだと個人的には思います。自発的な本気のモチベーションが出てから始めるのでも全然遅くないはず。

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