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循環器fellowship application⑤:その他工夫した点まとめ

(本記事も循環器領域で研究に興味がある人向けの内容です。アプライするsubspecialtyによっては下記内容はあまり参考にならないかもしれません)

①レジデンシーマッチの時は自分を『physician scientist』として売ろうとしましたが、思い返すと恥ずかしい話で、今回は一切physician scientist振ることはしませんでした。私のようにたとえ基礎研究歴があったり現在臨床研究に携わっていたとしても、アメリカではphysician scientistは基礎研究を主軸としてキャリアを築き、グラントを続けて獲得していく人達を指す狭い意味で使われることが普通なのは間違いないです。今回physician scientistと名乗らなかったのは、私のようなリサーチ歴だと墓穴を掘る可能性を懸念したのと、たとえ指摘されなかったとしてもアプリケーションを見れば一瞬で気付かれると思いました、『physician scientist』という言葉を使いたいだけだと。。。私のような場合はacademic cardiologist等というシンプルな表現が適正でしょう。

アメリカは幅広くできる人よりもニッチがある人を欲しています(少なくとも循環器領域では)。なので、たとえoriginal articleが数え切れない数あったとしても、どの領域にも手を出している場合は特に興味を持ってもらえないことがあります今回私が強く意識したことは、領域をきちんと決めてそれに関する研究を行い、一貫性及びニッチを強調するという点で、今回インタビューでかなりの数の教授陣と話しましたが、この「ニッチ」がTier 1に入り込むのに非常に重要だと感じました。

もちろん「まだ医学部を卒業したばかりだから循環器領域の中で将来何がしたいかまではまだ分からない」というのは全く問題ありません。フェローシップを通して自分が将来何がしたいか分かってくるパターンも多いと思います。が、上記の理由のため、そういうニッチや自分のセールスポイントがまだないIMGが循環器フェローシップでトップアカデミックプログラムに入り込むのは残念ながらほぼ不可能に近いかもしれません(最近の傾向を見るとAMGですらニッチがないとトッププログラムに入るのが困難のようです)。日本出身のレジデントに限ったことではありませんが、日本の教育及び臨床研修システム上、卒業初期からニッチを確立することは現実問題非常に難しいように思います。
(ニッチや強いSelling pointがないとTier 1にマッチできないという循環器フェローシップマッチの現状は正直異常です。。。)

③インタビュー中、「このapplicantと一緒に働きたい」と思われるような印象を与えるのはかなり敷居が高いですが、「このapplicantはあまり印象良くなかったしやめておこうか」と思われないように気を付けておくことは大事だと思います。実際、私の先輩でも印象があまり良くないという理由で良いアカデミックプログラムにマッチできなかった人が複数います(私のプログラムディレクターが後日フェローシッププログラムに電話し、なぜ高くランキングしなかったか理由を聞いたようです)。私はextrovertedなのもあって苦労はしませんでしたが、インタビュー中は”会話”を楽しむようにし、笑顔でいるよう意識しました。Applicationの写真もそうですが、印象を良くする努力は必須だと思っています。

逆にもう少し工夫しておいてもよかったなと思う点は、バックアップとしてランクできるプログラムがもう少しあった方が精神衛生上よかったのかなと思うので、臨床にfocusしたapplicationを別途作成して臨床重視のプログラムからのインタビューオファーを狙ってもよかったのかもしれません。

Conclusion

研究歴や論文数、インタベの経験歴があるだけでは目標とするプログラムにマッチできない可能性が高いことはよく分かっていたので、事前に色々な人からアドバイスをもらって入念に準備を行いました。抜け目なく準備するのは大変ですが、今後循環器フェローシップにアプライする方の参考になれば幸いです。

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