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ERAS 2020:Letter of Recommendation

LORはインタビューに呼ぶか呼ばないかを決定する重要な因子の1つです(下図)。誰に依頼するのが良いのでしょうか。

レジデンシープログラムを調べると、Department chair、residency/fellowshipを完了している場合はそのPD、clerkship中のattendingUS doctor(externshipなどしていた場合はそのpreceptor)などが推薦者として記載されていることが多いように思います。特に前者2つはERASでもチェック項目があるので重要視されているはずです。

Department chair

アメリカと日本は内科の組織構造が異なるので、日本の場合誰に依頼するのが適切なのか私も分かりません。特に、私のように市中病院でboard certifiedになっている場合は大学の教授にLORをもらっても仕方がありません。このため、医者になってからずっと一緒に仕事をしてきた私の上司(循環器病センターのdirector)に依頼しました。一応確認した上で、「Department chairから適切な推薦者として任命された」という文言を上司のLORに付けてもらうことにし、推薦状自体は市中病院の上司からですが、Department chairからのLORとして提出しました。噂によるとIMGの場合はDepartment chairは気にしなくていいみたいです。が、あくまで噂であり、あるに超したことはないと思ったのでこの作戦を使用しました。

Program Director

これも上と似たような感じですが、私の研修医時代の話をLORで長々と語ってもらっては困ります。やはり研修医の時の内容だけでなく、循環器内科医として働いてきたこともLORにたくさん含みたかったので、PDに確認した上で「PDから適切な推薦者として任命された」という文言を上司のLORに更に付けてもらうことにしました(私の場合、初期研修、後期研修、指導医として働いた病院は同じ)。
つまり私の上司からの推薦状は私が研修医の時から留学で上司の元を去るまでのかなり濃い内容のLORです。もちろん、突然私の初期研修時代のことなどを循環器の上司にゼロから書いてくれとお願いするの無理があるので、きちんと下書きを作成し、それを使ってLORを仕上げて頂く方針としました。
他の先輩方も勧めていますが、日本人ドクターからの推薦状は基本1枚までにしておきましょう。私の場合は1枚で収めるために、DCとPDのLORをまとめて上司のLORとして提出。

US Doctor

US臨床医からのLORは必須だと思います。USCEがあるという証明です。私の場合はexternshipで3枚のUS LORを確保し、その内2人は大学病院のprofessorなので、そのロゴ付きのletterheadを使用したLORです。やはりそういったLORは見た目のインパクトがあり、それ目的でそのローテーションを選んだようなものです(笑)Preceptorによっては下書きを私達に頼んできます。かなり強い下書きを書き、サインとuploadをお願いすることになります。

その他のLOR

私の場合はobservershipした病院からLORをもらうことが可能です。Stanfordでobservershipしましたが、そのLORを使用するつもりはありません。USCEの記事で紹介したようにobservershipからのLORは内容が限られており、私の能力を正確に反映しません。たとえStanfordという名前だったとしても、他のLORに劣ると判断しました。
その他、私はStanfordのラボのPIからLORをもらうことが可能です。これはresearchに重きを置いていないプログラムには不向きです。不向きというか、臨床医からのLORを優先した方が良いので、私の場合は日本の上司からの1枚とUS doctorからの3枚を使用することになります。特殊なプログラムにも申し込む予定なので、その時はラボのPIからのLORを使用予定です。

LORを依頼するにあたって

早め早めに依頼をすることが重要で、私の場合は4-5月に依頼を開始し、8月中旬までにはアップロードを完了して欲しい旨を伝えました。書いて欲しい内容がある場合は簡潔にまとめて丁寧な短いメールを心掛けることも大事です。適宜フォローメールは必要ですが、アメリカのドクターは本当に遅いことが多いです。日本人の感覚だと「せめて依頼メールにも返信するだろ!」と思うこともあるかもしれませんが、返事が返ってこないことも普通にあります。

Conclusion

US臨床医からのLORをメインに、日本人医師からのLORは多くて1枚までとしてマッチングに臨むことがほとんどでしょうか。下書きを依頼された場合はラッキーと思って強いLORを書きましょう。下書きした場合はPSのように添削を依頼することを忘れずに。私はLoriさんに修正を依頼しました。

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