「ズレズレなるままに」マイナー競技の悲哀

 日頃はスポーツの話なんかしない人も「見ました〜!」なんて声を弾ませておりますな、パリ五輪(新聞記者上がりはどうしてもこう書いてしまう)。
 28年も記者稼業をやって、そのうち半分以上はスポーツに携わり、ラグビー&サッカーW杯(この表記も記者っぽい)、WBCにも行ったけど五輪の現場はついに行きそびれました。デスクとしてはロンドンとか3大会扱ったけど、やはり思い入れが薄いのです。
 さて今回も色々と起きていますが、まぁそれぞれ意見があっていいと思います。

 気になるのは、競技によってメディアの取り上げ方が全然違うこと。もちろん人気競技とか、話題にしてきたからとか注目度が高いからってのはわかります。ただねぇ…朝からテレビはどの局も同じ場面ばかり。そりゃ新聞もテレビも、事前にいわゆる“エピソード”を用意してきたから、報じたくなるのは仕方ない。
 極めて、実に極めて個人的なことなのだけど、男子ハンドボールなんか1戦目以外は中継もないし、NHK以外は結果さえ伝えてくれないんだよなぁ~。自分も経験者なのはもちろん、高校の後輩がジャパンに選ばれているのが一番の理由ですが、男子ハンドボールなんて開催国だった前回を除けば、自力出場は1988年のソウル以来ですよ。しかも、今大会の出場を決めながら辞任した監督が、初戦の相手のクロアチアを指揮したわけで、これがサッカーや今どきのバレー、バスケなら「因縁」みたいな扱いになったのではと思うのです。

 クロアチアには惜しくも1点差で敗れたけど、11点差のドイツ戦以外はスペインに4点差、スロベニアにも1点差。日本時間4日のスウェーデン戦を前に予選リーグ敗退は決まったとはいえ、昔の人か人間からすれば、「ヨーロッパとここまで戦えるんだ」って思いは強く感じました。
 やはり、残念ながらハンドボールの注目度が低いのにも理由はあるでしょう。例えばサッカーならJリーグ誕生やW杯に出られるようになったこと、ラグビーなら2015年のW杯で南アに勝ったとか(リーグはまだ問題あるけど)、バスケもリーグが誕生してまとまったとかきっかけがあるでしょう。
かつては“マイナー競技”扱いだった卓球もスター選手が生まれたり、リーグもできています。
ハンドボールの場合、協会とリーグのゴタゴタとかあって出遅れた事実は否めない。なんとかスタートするみたいだから、次の五輪には注目競技になってほしい。
 ただ、地上波やBSはなくてもTverのおかげで英語実況ながら全試合観られたのは嬉しい限り。さらに個人的に言えば、鉄砲撃ちでもあるので射撃競技も扱ってほしいかな。

 一方で、あれだけ毎日のように騒いでいた「オオタニサン」も、五輪中は控え目な報道ですな。このあたりが、いかにも日本ぽいと思うのです。

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