(3)私が親友の女の子への10年間の片想いを拗らせた話

まだまだ続きます。

書き溜めてある分だけでも(6)まであります。

もしも読んでくださっている方がいたら、ありがとう。


彼女とのLINEを遡って、大学生になったばかりくらいのやり取りを見てみた。
意外と、私が病んでいるときに励ましてもらっていたり、彼女がものすごくかまってくれていたりして、どうやら思ったより連絡をとっていたらしい。

ここまでしんどいことの割合多めで話してきた気がするけれど、大学生になったばかりくらいの時はそれなりに定期的にやりとりをしていた。
ただ、完全に彼女の恋バナ率が高すぎる。
相変わらず、私にできるのは、私と彼女を繋ぐのは、ただ、私が彼女の話を親身に聞くことだけしかないと思っていた。

高校の時に私が片想いした男の子には彼女さんがいて、
けれど、その人と話せるだけで幸せだったから、そいつの惚気やたまに出る彼女さんの愚痴をひたすら聞いたりしていた。
中学の頃、ひたすら彼女の話聞きまくっていたクセがすっかりついてしまっているなと、この時も思った。そして今も同じことを彼女にもずっとしているし、大学になってから他の男の子にもやっている。
好きな相手の、恋人の話をひたすら聞くということ。

男の子にしろ「彼女」のことにしろ、シンプルに好きな子の色恋沙汰やら惚気やら悩みやら聞くのは、もちろんそれなりにつらかった。
けれど、好きな人と話せるだけで幸せだ、とずっとごまかしてきた。
私にはそれくらいしかできなかった。


この頃、彼女の方はかまってくれる一方で、私は「こんなダメな私じゃ彼女に会えない」みたいな気持ちを高校生の頃からずっと引きずっていて、一歩引いている感じが過去のLINEのやりとりからも見て取れるなあ、とは思った。


私の彼女への気持ちは好きというか、もはや崇拝みたいな勢いだったかもしれない、とも思う。
なんかもう、自分と同じ人間とは思えなかったと言うか。
当時そこそこ盲目だったと思うので少々大袈裟だけれど、
なんでもできて、部活とかバイトとか半端じゃなく忙しいのに全部こなしていて、こいつはバケモンか?と思っていた。


出会った時からだけれど、彼女は何かと苦労が多いというか、話題に尽きない人だった、と思う。本人も、こんな人生ジェットコースターな人間なかなかいないよな、と言っていた。ほんとにそう。
進路について、親に猛反対されて揉めて、家出して知り合いの家を転々としてたとか、
サークル内恋愛で三角関係だか四角関係だかでものすごいゴタゴタしたとか。メンヘラを製造してしまって元彼にちょっとつきまとわれたりとか、なんか色々。

この頃はLINEでも会っても、たいてい彼女の恋愛話をずーっと聞いていた。私も好きな人ができたり彼氏ができたりしたから色々相談したりもしていた。
けれど、逆に言うと彼女からそういう話を振られない限り、こっちから話せるような話題もなかったから、彼女と話す理由付けになるのがこれくらいしかなかったような気もする。

男の話を聞くたびに、自分が眼中にないのを思い知らされて、より一層諦めモードというか、ずっと友達でいよう、いるしかない、と思っていった。
当時は、いやちょっと前まで男無理とか言ってたじゃんか?とか思ったりもしたけど。


成人式の日、久しぶりに会った。
その日はほとんどずっと一緒にいて、本当は中学の同窓会に行く予定だったんだけど、めんどくさいね、2人で話したいね、って、2人して同窓会をドタキャンして(良い子はマネしないでね)、
ファミレスでいつまでも話をして、夜遅くなってから帰ったりした。めちゃくちゃ楽しかった。
でもその時も聞いた話もほとんど彼氏がどうのこうのみたいな話。
しんどいけど彼女と過ごせるならそれでいいです、のメンタル。基本的に。


そんなこんなで、お互い大学時代を忙しく過ごし、その後は結局大して連絡とったり遊んだりしないまま、社会人になった。
相変わらずSNSで様子はなんとなく知ってはいたんだけれど、どうやら残業がめちゃくちゃ多いブラックだったみたいで、ものすごく大変そうにしていた。
おいおい大丈夫かよ…というくらいヤバそうだったんだけれど、高校大学と、長い通学時間に朝練だのバイトだの見る限りアホみたいなハードスケジュールをこなしていたバケモンなので、なんだかんだ彼女はこなしていってしまうんだろうなあと、確かこの時はそのくらいに思っていた。


でもあるとき、薬がなんとか、病院がなんとか、眠れないだとかって言っていたのをSNSで見たんだったか。おや?と思った、これはもしかしてって。

ここでなんとなく察せたのは、私と同じかもしれない、と思ったからだった。
ここから少しだけ私自身の話になるけれど、
私は大学4年から社会人1年目くらいの時に、心療内科にお世話になった。
鬱までは行かなかったけれど、その手前のような。抑鬱状態かもしれないと言われ、意を決して病院に行った。色々な都合で、適応障害、という名前をつけてもらったりもした。社会人1年目の5月に少しだけ休職をした。
授業や仕事や約束があるのに、朝起き上がれなかったり、動けなかったりした。友人との約束を当日ドタキャンしたり、連絡が取れなかったりもした。
この話はまた別でいつかしよう。


だから、
彼女のSNSを見ていて、私と同じような状況なのでは?と思った。

かといって、大丈夫?とか連絡するほど、もう会わなくなって連絡も取らなくなっていたし、関わったところで私にはきっと何もできない、と思っていた。
とにかくSNSで様子見ていることしかできなかった。
それに私も、その時は自分のことでいっぱいいっぱいだった。


この文章を作っている間も、ちょうど彼女とダラダラ連絡をとっているのだけれど、少し前までは本当に仕事に集中できなかった。四六時中彼女のことを考えてしまって、
流石にこじつけが過ぎるかもしれないけれど、何度も仕事で小さなミスをした。
盲目すぎるし、やっぱりこんなのもはや呪いみたいなもんだと思う。

私は、最後に彼氏がいたのは数年前なのだけれど、
誰と付き合っても誰を好きになっても、結局彼女以上に好きにはなれなかったなあ、と思う。

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