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恒温動物と変温動物


私がアイスバスの訓練を始めたきっかけ
”恒温動物って外が熱くても寒くても体温一定に保てるはず”

野良猫は冬でも外で気持ちよさそうに寝てるけど、人間は、冬になるとダウン着込んだり、体温を一定に保てないみたいなんですけど、、、
石器時代の人類はどうやって冬を越していたんだろう?

恒温動物は環境温度に左右されず体温を一定に調節できる。自律性体温調節ができる。行動性体温調節ができる。

変温動物は環境温度に左右され、体温が大きく変動する。自律性体温調節ができない。行動性体温調節ができる。

 変温動物であっても行動性体温調節は可能!(カメの甲羅干し)

マウスの体重は約20g ラットは約200g 
マウスは恒温動物とされていますが、外気温が下がると体温が下がりやすい生き物です。10倍の体重のラットはマウスと比べると外気温に左右されにくく、約700kgの牛はさらに外気温に左右されにくくなります。

自律性体温調節も大事ですが、体重・体脂肪による熱の保持・断熱がかなり大きな要因になっています。

ちなみに巨大な恐竜は爬虫類なので自律性体温調節はできなかったものの、体温は36度程度とほとんどの哺乳類と同じレベルだったことが、卵の化石の研究から推定されています。


https://www.cnn.co.jp/fringe/35149559.html
恐竜が混血warm blood だったのか冷血cold bloodだったのか、どちらのタイプもいたようですが、まだまだ議論のある話題です。

恒温動物・変温動物の決定的違い

好気的酸化能 1分あたりどれだけ酸素を取り込んで、水と二酸化炭素に分解し、エネルギーを取り出せるか?

恒温動物 54mW/g 
変温動物 9mw/g

恒温動物は変温動物の6倍も酸素からエネルギーを取り出す能力がある


体重1㎏の哺乳類と爬虫類(イグアナ)の比較 

Bennet AF,Ruben JA(1979)Endothermy and activity in vertebrates. Science,206:649-654

Abstruct要約

哺乳類は同じ体重の爬虫類(イグアナ)に比較して安静時で4倍 活動時で10倍程度、エネルギーを取り出せる=代謝が高い

Resting and maximal levels of oxygen consumption of endothermic(内温性の) vertebrates exceed those of ectotherms(外温動物) by an average of five- to tenfold. 

脊椎動物の酸素消費量の安静率および最大レベルは、平均5〜10倍の外温動物を上回る。

Endotherms have a much broader range of activity that can be sustained by this augmented aerobic metabolism. 

内温動物は、好気性代謝によって、活動範囲がはるかに広がった。

Ectotherms are more reliant upon, and limited by, anaerobic metabolism during activity.

外温動物は、活動量が上がると、嫌気性代謝によって活動が制限されてしまう。

A principal factor in the evolution of endothermy was the increase in aerobic capacities to support sustained activity.

内温動物への進化の主な要因は、持続的な活動を支えるための有酸素運動能力の向上であった。


—————おまけ—————

ロードバイクのFTP 
Functional Threshold Power
=実効出力閾値
=1時間維持できる限界の平均出力 

閾値と呼んでいるのはナゼ?

1時間続けられる運動は、有酸素運動にあたります。

乳酸の処理が間に合う
=乳酸が溜まらずにペダルを回せる状態を継続できる!
つまりこれ以下のパワーなら1時間を超えても継続的に出力できるはずという意味で閾値

さらにFTPを体重あたりで考えるとパワーウエイトレシオ

FTPが180Wで、体重が60kgであれば、1時間持続可能なパワーウエイトレシオは3.0W/kg・hour


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