アンのお茶会-ラズベリーコーディアル
山で採ってきたクサイチゴで、コーディアルをつくりました。野生ラズベリーとも言えるこの赤い実を見ていると、アンが楽しみにしていたお茶会で、ダイアナに、いちご水と間違えて、葡萄酒を飲ませてしまい、ダイアナのお母さんの怒りを買ってしまうというお話を思い出します。
二人は、もう一緒に遊んではいけないと言われてしまいますが、最後の別れにと、ダイアナが母親から10分だけ時間をもらってアンと再び永遠の友情を誓い合うのでした。
ここに出てくるbosom freind(腹心の友)という言葉に、どんなに憧れたことでしょう。
ちなみに、「いちご水、葡萄酒」は、村岡花子訳、松本侑子訳では、「ラズベリーコーディアル、カシスワイン」となっています。
原文では、「raspberry cordial, currant wine」ですから、松本先生の訳通りですね。
ラズベリーは、1873年(明治6)に、北海道開拓使がアメリカから導入したそうです。当時の食文化には馴染まず、栽培法もよくわからずで、日本中にに広まることはなかったようです。
アンが日本で出版されたのは、1952年ですから、既に日本にはラズベリーはひっそり生息していたのでしょう。
村岡花子は、読む人に分かりやすく、イメージしやすいように、敢えていちご水、葡萄酒という言葉を選んだのかも知れませんね。
現代に生きる私達には、ラズベリーもカシスももうお馴染み。松本先生の訳こそは、今に即しているのですね。
どちらも知ると、どちらも素敵で、歴史的背景も垣間見れる、アンの物語の楽しみ方は、無限です
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