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アヴォンリーへの道~ニューファンドランドの歌とガスパイク

「アヴォンリーへの道」というドラマが大好きで、昔、NHKで放送していた時にいつも観ていました。

赤毛のアンのスピンオフとも言われるこのドラマは、プリンスエドワード島の自然の美しさ、ヴィクトリア時代のカナダの生活の様子など、とにかく映像が素晴らしく、赤毛のアンファンにはたまらないドラマでした。

登場人物の一人、ガス・パイクに惹かれた方も多いのではと思いますが、私もその一人です。

どこから来たのか、自分が誰なのかもわからないという謎の青年、ガス。教育を受けたことのない彼を、ヘティ(主人公セーラの叔母で小学校の先生、口うるさいが愛に満ちた女性)が学校に呼び寄せ、勉強を教えると、みるみるうちに知識を吸収し、向学心に燃えるようになります。

この、ガスとヘティの姪、フェリシティの恋のお話がとても心に残っています。

ガスには、「ガス・パイクのテーマ」という曲もある程ですから、このドラマの重要人物であることは確かなのですが、ガスが出てくる時に
聞こえてくるもう一つの物悲し気な音楽にずーっと心惹かれていました。

今ネット検索すればすぐ答えは見つかるのですが、その曲が何というタイトルなのか、ドラマのオリジナルなのか、伝統的な音楽なのか、知りたくてたまらず、当時(約30年前)闇雲に検索していく中で、この曲は、”She’s Like a Swallow"
という、カナダのフォークソングだということがわかりました。

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彼女は空高く舞うつばめのようだ
また、決して涸れることのない川のよう
風下にある海岸を照らす陽の光のようなのに
彼女は愛を失くしてしまい、もう愛することはないだろう

メロディはとてもノスタルジックで哀調を帯びているのですが、歌詞を見ても悲しい失恋の歌です。

これがガスとフェリシティの恋の行方を暗示する小道具の一つとして使われていたのかどうかはわかりませんが、二人が結ばれるまでには辛いこともありましたね。そして、ガスが探した実の母親の人生にも重なる気がします。
ガスとフェリシティは最後には結ばれて、最後は幸せになれました。良かった!

さて、このShe's Like a Swallowについて調べてみると、カナダのニューファンドランド島のフォークソングであることがわかりました。
ニューファウンドランド島というと、ニューファンドランドドッグを思い出しますがヨーロッパからの移民について調べると、この島には、ブリテン島とアイルランドからの移民が多いそうです。

この曲を聴いていると、アイリッシュ音楽を聴いているような気持ちになるのは、きっとニューファンドランドに渡ってきたアイルランドの人たちに
歌い継がれてきた曲だからなのかも知れませんね。

そして、Gusという名前もやはりアイリッシュ系だという記述を見つけました。もともとはラテン語から来ているようで、ラテン語での意味は、”exalted"(高位の)そこから広がって、"great"という意味もあるようです。
exalted というと、メサイヤの最初のアリア、聖書のイザヤ書からの歌詞を思い出します。ガスはexalted,高くされた者、元は、低いところにいように見えるガスですが、ヘティやフェリシティとの出会い島での生活を通して、自分を高めていった素敵な青年、という意味が込められているようにも思えます。深読みしすぎかな(^^♪



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