見出し画像

創世記1章4節a 原語解説

וירא אלהים את־האור כי־טוב

神はその光をよしと見られた。(新改訳)

God saw that the light was good; (NASB)

וַיַּ֧רְא (ヴァヤル) そして見た/and saw

אֱלֹהִ֛ים (エロヒーム) 神/God

אֶת־הָא֖וֹר (エット ハ オール) 光を/the light

כִּי־ט֑וֹב (キー トヴ) よしと/that [it was] good

וַיַּ֧רְא (ヴァヤル)

この先何度も出てきます。「そして見た」と言う意味です。

וי (ヴァ)は、英語のandに相当しますが、翻訳文では省かれることが多いです。

ראの語根は、ראה(ラア)です。ראהには、「見る」、「認識する」、「観察する」などの意味があります。

אֱלֹהִ֛ים (エロヒーム)

「神」を意味します。

אֶת־הָא֖וֹר (エット ハ オール)

את (エット)は、日本語の助詞「を」に相当します。

האור(ハオール)は、the lightです。ה(ハ)は、英語の定冠詞に相当します。

冠詞は、漢字圏(日本語、韓国語、中国語のいずれも冠詞を用いません)では馴染みがありませんが、名詞に付ける帽子や被り物のようなものです。これがないと頭がスースーするといった感じです。

כִּי־ט֑וֹב (キー トヴ)

כּי (キー)は、ここでは英語のthatに相当します。日本語に訳すと、「〜と」に相当します。

טוב (トヴ)には、「良い」、「善い」、「好い」、「楽しい」、「美しい」などの意味があります。

טוב (トヴ)は、בּקר טיב (ボケル トヴ)という挨拶でも使います。Good morningという意味です。בּקר(ボケル)は、「朝」という意味です。

ヘブライ語と日本語の両方がわかる人なら、朝からボケル トヴという冗談も言えそうですね(笑)。

感想:

ここで、創造主は初めて評価を下しています。「光」を「よし(טוב)」としたのです。

טוב (トヴ)には、「良い」、「善い」、「好い」、「楽しい」、「美しい」などの意味があるようですが、神様ご自身が深く感動されたことが伺えます。

創造の初めには、本質的に良い(טוב)ものがあったことを忘れてはいけないと語られているような気がします。

私たちの人生には、突然闇が訪れるときがあります。そして、残念ながら、この闇に完全に呑み込まれときもあります。しかし、創造の最初の時点では、良き光に満たされていたことに思いを馳せると、闇から抜け出す取っ掛かりが与えられるのはないでしょうか。

同時に、以下の新訳聖書の言葉も思い出します。

この方にいのちがあった。このいのちは人の光であった。光は闇の中に輝いている。やみはこれに打ち勝たなかった。

ヨハネの福音書(1章5節)

参考元:

・青木偉作著「はじめての聖書ヘブライ語」(国際語学社)
・聖書ヘブライ語日本語辞典(ミルトス)
・Bible Hub




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?