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顔彩イラストメイキング後編(本塗りから完成まで)

メイキングの続きです。今回は本塗りから完成までを追っていきます。と言っても、ひたすら塗り込んでるだけ!
前回はちゃんと写真の角度と比率を調整してトリミングしてたんですけど、時間があまり取れなかったので周りが写ったままになっています。色味も揃えてない。ご了承ください。
前編はこちら👇


本塗り

薄いところから

肌と固有色が薄い部分を塗ったところ。

とりあえず肌や色の薄いところ(黄色や白地部分)から塗っていきます。
技術とかそういうのはない。あえて言うなら、筆に含む水の量には気を使っています。水たっぷりだと個人的には塗りにくいので程よく。

髪ともふもふの塗り

なんか……なんか違う……!

この時点で「なんか違う! ウオーッ失敗した!!」って思いました。髪を塗るの苦手なんですよ。もっと綺麗にツヤツヤに塗ってあげたかったのに。
のっぺりしてると言いますか……。

でもあんまり塗り込むと、今回のルールから外れてしまうので手は加えず、そのまま進めることにしました。途中でやめなかったのは、もったいないからです。
だってアルシュ紙高いし、このモチーフはずっと描きたかったし、新たに描き直すの面倒くさいので。なんとかなることを信じて塗ります。

ちなみに髪は絵墨の青系と紫系を混ぜて、ハイライト周辺に顔彩の紅梅を入れています。奥まってるところの色を薄くすると空気感出る。たぶん。
首のもふもふは、紅梅ベースで塗って、奥まっているところを浅葱・白・紅梅を混ぜたもので抜いています。
色自体は好きな感じに塗れてるんですけどね。

そして、蛇神様の目の色を間違えていることに、この時点では全く気づいていません(本当は金)。

服の塗り

色の面積が増えてきました。

服の色を乗せました。画面が締まってきましたね。首のもふもふよりも彩度を落として、影には絵墨の赤系を混ぜています。絵墨はかなり濃いので、少しで大丈夫です。ここも空気感を出すために、エセ反射光・エセ空気遠近法っぽく、浅葱・白・紅梅で色を抜いています。

濃い色を置いたおかげで、肌色が薄いことに気付いて上塗りしました。褐色肌の匙加減難しい。正面上からの光なので、おでこは塗り残しています。
最近こういうライティング流行ってるよね? ほっぺにまつ毛の影が落ちてる表現が大好きなのに、絵柄的にまつ毛をあまり描き込まないので、なかなか取り入れられずにいます。

今回瞳の色は、暗めに置いてみました。後でキラキラの顔彩で虹彩の下部分を光らせる予定です。
ぶっちゃけ目の塗りにあまりこだわりがないので、語ることがない。コントラスト高くすると目力が出るってことくらい……?

蛇神様の塗り

完成に近付いてきた感じする。

面積が広くて色が濃いので一番緊張しました。鱗の鈍い光沢を出すために、胴体真ん中は緑色に少し明るくして、外側に行くにつれて濃いめに塗ります。ディヤに重なる部分は塗りつぶしすぎないように、水の量を調整しながら透明度を保つ感じで。

ついでに画面下部の白いスカートの色が沈んでいたのが気になって、顔彩の白を上塗りしています。不透明絵の具のいいところ!

鱗を描く

テンション上がってきた。

はい! めちゃくちゃ楽しいところ〜!!
顔彩耽美の遊若草で、鱗の光沢を入れていきます。
頭頂部からの正中線に、絵の具をたっぷり含んだ筆で、ちょんちょんと細かく落としていきます。筆に含んだ絵の具が少なくなってきたら、一つ外側のラインを塗って奥行きを出していく感じで。中心はしっかりめに、外側はだんだん薄く乗せていきます。
結構いい感じでは?

ほんと、機会があったらぜひ使ってみて欲しいんですけど、顔彩耽美 Opal Colors めちゃくちゃいい。まだ乾いていない時、雫の中で対流して、マジでありえんくらいキラキラするんですよ。あ〜買ってよかった〜!!

これ以前は「なんか失敗したかも…」と落ち込んでましたが、ここに来て「実はそこまで悪くないじゃん!」と持ち直しました。キラキラの力ってすげー!
この勢いで、金属部分全体とディヤの瞳の光に、遊淡金を乗せてさらにキラキラに。

結構可愛いのでは?

仕上げ

細かいところを加筆していきます。

マスキングテープを剥がして、蛇神様の額の印を塗ります。ここで間違えていた目の色も、金色に直しました。
あとは蛇神様の胴体周りに顔彩耽美の遊若草を薄く塗って、画面から浮き上がらせます。綺麗にぼかしが入るのもめちゃくちゃいいですね! 顔彩セットの金や銀では、うまく広がらずダマのようになってしまうので。

ディヤの襟や袖の模様も書き込んでいます。ちょっとわかりにくいですが、線画が薄くなったところに加筆もしました。そして、やっぱり目にハイライト入ると、生き生きしますね。

完成間近になったら、とりあえず一旦寝かせておきます。新鮮な気持ちで見た時に、間違いやバランスが見えてくるので。でも、投稿してから間違いやバランス崩れに気付くことはやっぱり多いです。
今回の場合は装飾品の不足と、ディヤの左手付近の鱗の描きもれ、あと雲を描こうと思っていたのにすっかり忘れてました。おまえってヤツはよォ……。

完成!

なんとか完成に漕ぎ着けたぜ!

しっかり乾かしてから、スキャンします。Photoshopで周りをカットしたり、写ってしまったゴミを消したり、原画を見ながら色を調整します。最後に投稿用にリサイズしたら完成です!
途中でやめなくてよかった……。

下描きから転写までは間が空いているので詳しい作業時間はわかりませんが、転写から完成まではおよそ2日、1日あたりの作業時間はおよそ6時間です。
トータルで約15時間程でした。

せっかくなので、原画のキラキラ感をお楽しみください!
今後コミティアなどのイベントに出る際には、原画をファイリングして持っていくので、ぜひ生で見てくださいね。

おわりに

実は絵を描いてる時に、頭の中で作業内容を実況してます。そうすると集中できる気がして。駆け足でしたが、どんなことを考えながら描いてるか、なんとなくおわかりいただけたでしょうか?
技術もへったくれもありませんが、こういうヤツもいるんだな〜くらいに思っていただければ幸いです。あわよくば、お絵描き楽しそうだなと感じでくれたら嬉しい……。

とりあえず原稿作業に戻ります。進捗ダメです(笑)
それではまた来月あたりにでも。ここまで見ていただき、ありがとうございました!!

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