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主人公ズ紹介と裏話⑥

いよいよ最終回です。17人の立ち絵をずらっと並べるといっぱい作ったしいっぱい描いたな〜としみじみします。最近は収拾つかないのでキャラを増やさないように意識してたりします。今までの15人はキャラをどんどん作っていた時期に生まれた子ですが、今回紹介するのは社会人になってから生まれた子です。短大時代ももちろん絵を描いていたのですが、この頃は特に日本神話に没頭していたので主人公ズは増えていませんでした。

それでは紹介いきます!

ジン

大好きな九龍城を創作に取り入れたいと思って作ったキャラです。九龍城とは90年台初頭まで香港に存在していたスラム街です。ジンは九龍がモチーフのスラム街に住んでいます。

元々廃墟好きで建築物に興味を持ち、そこから九龍城を知りました。廃墟とは違い人口過密な環境ですが、むしろそこに惹かれました。(詳しくは画像検索してみてね。苦手な感じだったらブラウザバックしてね)
私は普段生活する時も絵を描く時もなるべくシンプルに、を心がけていますが、ゴチャついた物も大好きです。自分に描けないものだからこその憧れと言いますか…。背景描けるようになりたいなという思いもありますが今のところ背景込みでジンを描けたことは殆どないですね。悲しみ。
九龍城的ゴチャゴチャを求めて中野や新宿によく行きました。こういうアジアの煩雑な街並みなどを「アジアンゴシック」と一部では呼ぶようです。

ビジュアルから入ったのは確かですが、九龍に暮らす人々の生活にもかなり惹かれました。犯罪が蔓延っていたり、衛生的に過酷な環境でしたが、住民は団結して自警団などを作り、生活のための福祉施設なども備わっていたそうです。中には九龍城砦の外と変わらない生活水準の家庭もありました。

話が逸れましたが、外見と内面のギャップみたいなところに惹かれて世界観からキャラクターを作ったのがジンです。
ジンが配管工なのは九龍城では水問題が深刻で、無秩序に配管が張り巡らされていたのが印象的だったからです。入ったら出られないと言われるほど複雑な内部構造をしていたので、街をよく知るキャラであればあちこち飛び回るような仕事が良いかな?と思いました。

ジンの話はストーリーがあるわけではなく、世界観のみとなっています。
あと、一応スチームパンク要素を入れたいなと思っています。水不足なのにスチームなのに何か理由が欲しいところ…今の所は私の単なる趣味です。
九龍城モチーフでサイバーパンクはよく見かけるので近からずも遠からずな雰囲気にしたかった部分もあります。(ブレードランナーとか)

ジンの名前は彼女のイメージで音で付けました。中華系の名前の付け方マジで分からないんですよ…勉強したいですね。
後付けで漢字は「劍」としています。読みはピンインで「jiàn」らしいのですが、おそらく日本語的に発音すると「チェン」です。(英語読みだ「ヤン」となるようですが調べが甘いのであまり信じないほうがいいです。)
英語表記を「Jean(ジーン)」としていますが、これはジンのイングリッシュネームです。香港はイギリスに占領されていた時代があったため英語名を持っている場合があります(ジャッキー・チェンやアグネス・チャンなど)。これは正式な名前ではなく通り名です。
キャラとして本名とあまりブレが無い方がいいかなと思い、似た雰囲気の英語名を付けています。英語にしたときの綴りがよく分からないからとかじゃないんですからね!!

住吉冴子

人の居ない東京の風景と女の子を組み合わせたいと思って作った子です。(例によって背景が描けてないのでただの希望になってます)
この話は「夢(明晰夢)」と「シミュレーテッド・リアリティ」がモチーフです。

冴子さんを作った当時かなり精神的にまいっていて、「人が作り出す風景は好きだけど人が嫌い」と思っていました。人が居ない風景を求めて早朝の東京に写真を撮りに行ったりしていました。でも朝早くでも意外と人はいるんですよね…。残念。
念の為言っておきますが今はもう人嫌いは解消されてます。
今でも人が居ない風景自体は好きですが、こういったものを近年一部では「Liminal Space」や「backroom」と呼んでいるようです。画像検索すると楽しい。またこういう写真撮りたいですね。

人と関わりたくなかった当時、透明人間になって周りから認識されないようになりたい、または周りが透明になってほしいと思っていました。それを創作世界に取り込むときに夢だったら大丈夫なんじゃないかと思いました。
アドミニストレータ(仮想空間の管理者)が誰も居ない東京を作ったりします。なんでもできる。べんり。

シミュレーテッド・リアリティとは、現実と見分けのつかない仮想空間のことで、特に「現実だと思っているのは実はシミュレートされた世界なのではないか?」という思考実験のことを指します。SFで扱われることも多く、例としては「インセプション」や「マトリックス」などがあります。
冴子さんの話ではこの世界がシミュレーテッド・リアリティ(夢の中)であると気付いた人のみを集めるという形で話が始まります(たぶん)。気付いた人たちはある程度制限があるものの、シミュレートされた世界で超自然的なことを行えたりします。有り体に言えば超能力が使えます。これは明晰夢の中ではある程度自由に動けるとされているからです。

とにかく設定がフワッフワなのであまりお話について語ることができないのです。全然中身詰まってない。今後にご期待ください(?)

冴子さんの姿はモデルが居て、高校時代からの友人です。彼女が高校生の時にグレーパーカー・ロングの髪・紺のスカートという出で立ちだったのでそのまま拝借しました。フードを被っているのと裏地がビビッドなのは趣味です。冴子さんの制服の着こなしは今後現代寄りにしていきたいです。スカートもっと長くしてソックス短めとか。高校生のファッションは見てて興味深いですよね。

冴子さんは描きやすい部類なので試し描きなどでよく描いています。重め前髪・太め眉・まつげに猫目がポイントです。他人から見てどうかはわかりませんが、他の女の子キャラより男性的に描いてます。

冴子さんの名前は私の創作ストックから合いそうな名前を付けました。もともとは冴子・清子・澄子の三姉妹をどこかで出したくてストックしていたものです。
名字の「住吉」ですが、もともと「澄んだ入江」を意味する言葉です。住吉三神を祀る地によくある地名由来の名字です。名前と組み合わせることによって「冴え渡る澄んだ入江」となります。話の中身には関係ありませんが意味がきれいなので採用しました。冴子さんの弟は「住吉渡」と言いますが、こちらも「澄んだ入り江を渡る」という意味になります。

おわりに

うちの主人公ズたちを紹介してきました。17人全員愛してるぜ! もちろん主人公ズ以外の子たちも愛してるぜ!

これは2015年に描いた主人公ズ一覧です。ずっとこれを描き直したいと思っていたのでここまで描けたのは本当に成長したと思います。自分えらいぞ。今度は各お話のキュービジュアルポスター風のイラストを描くのが夢です。あとはお話のどれかをちゃんと公開して完成させてみたいです。ゆめはでっかく。

ここまで書いて思ったのは、世界観や風景を描きたくてキャラを作っても結局背景をほとんど書いてないということですね。年の瀬ですし、来年の目標としておきます。背景強化は毎年言ってる気がするけどね。

それではここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!
来年はnoteをお絵描きについてのメモや日記みたいな使い方もしてみたいですね。
来年もよろしくお願いいたします。うちの子かわいい!

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