作家・西村賢太さん
作家・西村賢太さん逝去のニュースに大きな衝撃を受けている。
定期購読している本の雑誌の連載『一私小説書きの日乗』はいつも一番最初に読んでいた。
夜中の晩酌は身体に悪そうと思いながら、テキトーに用意されるアテは美味しそうだった。原稿が書けたり書けなかったりの様子。師匠と仰いだ藤澤清造さんの月命日に、お墓のある石川県七尾に向かい、資料を集めて調査をしてという律儀な姿…
西村さんが男ひとりで暮らしている住まいの佇まい、明け方に寝て昼ぐらいに起きる生活、時には風俗に出掛ける姿も。赤裸々な生活を淡々と描いた文章、脳内でその情景を辿るのが、毎月密かな楽しみだった。
その作品は一つ読んだかどうかだったが(たぶん苦役列車だったと思う)身近な作家だった。絶筆が、読売新聞に載った石原慎太郎さんを偲ぶ文章だったことを知り、本当に急な最期だったのだと考えると実感湧かず。
明日があると思うな、その日その時を生きなくてはいけない。同世代の死を前にして、強く強くそう思う。本の雑誌の連載ももう読めないんだと思うとたまらなく寂しい。
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