ADHDの特性? 現実的でないことをやりがち
振り返れば、無謀な行動が多かった
振り返れば僕は、周りからしたら「え、無理じゃない?」とか「現実的じゃなくない?」と言われるような選択をしてきたな、と思います。
例えば、ホテルも取らず、3泊4日の旅行に行ったり、課題に追われていて、スケジュール的には厳しいけど、そこに更に予定を詰め込んだりとか。
大きいことで言うと、自分が研究が好きかどうかも分からないのに、直感で決めて大学院に進学したりと。
現実を直視せず、理想を追い求めてしまって、「無謀なこと」をする傾向にあったと思います。その中には「やってよかった」行動もたくさんあるのですが、「やらなかったら良かった」と、あとで後悔するような選択もたくさんしてきました。
その頃の自分は、そのような行動を取ることに対して、あんまり「無謀」とか「現実的ではない」とは思ってはおらず、むしろ「行動するのは大事」と開き直っていた気がします。
今振り返って、なんであんな無謀なことしたんだろう、と不思議に思ったりするんですが、当時、それを判断した自分はそれが「無謀」「現実的ではない」だとは全く思っていなかったわけです。
そのように判断してしまうのは、やはりADHDの特性にちょっと関係があるのかなと持っていて、ADHDの特性である①不注意 ②衝動性 ③多動性 の中でいう、②衝動性から来るものなのかな、と思います。思ったことは実行しないと気が済まない。すぐに動こうとしてしまう、ということです。
それに加え、僕自身、見通しの甘さも、無謀な判断をしてしまう原因だと感じています。
「本当にそれは実行可能なのか」「必要な時間・お金・技術はあるのか」「将来、その行動を取ることでどのようなリスクが発生するのか」、
そういったことを考えないまま、あるいは考えたとしても「ま、何とかなるでやろう」といった、楽観的思考で判断するため、無謀なことをしてしまいがちなのかなと思います。
周りの友達の事例
周りの友達にも、ADHD傾向の人が何人かいるのですが、やっぱりみんなそういう所はあって、
例えば、「目標」であったりとか、「目指しているもの」が会うたびに変わる同級生がいます。
ある時は「公務員になろうと思う」といっていたのに、次会うと、「公務員よりエンジニアを目指す」「難しい資格を取って手に職をつけたい」、のようにコロコロとしたいことが変わる。
勉強するためにたくさん本や参考書を買っているのですが、途中で目標が変わるので、やりっぱなしになってました。
あと、研究テーマを決めるときに、どう考えてもやれる範囲を超えているテーマを持ってくる後輩がいます。多分「実現可能かどうか」という視点より、「自分がしたいかどうか」でテーマを考えてしまい、自分が「これ面白そう!」と思ったら、そっちの方向で突っ走ってしまうため、そうなるのかなと思います。結局は彼は、実現可能な研究テーマを設定することができず、大学を辞めてしまいました。
あと、時間がないのに、予定をめちゃくちゃに詰める知り合いもいました。
僕もこれはよくやってました。予定を入れるときは「まあ大丈夫だ!」と思うのですが、あとで後悔するんですよね。
無謀なことをする理由
多分こういうのは、他の(ADHDではない)人からしたら、理解できないかも知れないです。なんでそんな、無茶なことするのかと。
何でなんだろう、と自分でも思うんですが、
なんというか、僕の場合、「これは!」と思うアイデアを思いついたりすると、頭の中が加熱されたようになって、冷静な判断ができなくなるのです。
この状態を上手く表現するのは難しいのですが、敢えて言うなら、キツイ運動をした後の状況に似ています。
キツイ運動(筋トレとか)とかしたあとって、頭はボーとしていて上手く働いてはいないけれど、感情は謎にポジティブになったりするじゃないですか?
そういう、ハイテンションモードになっていて、上手く俯瞰的に考えるのが難しくなっているんですね。
例えば、最近自分が経験したところで言うと、
ちょっと今の職に思うことがあって、「自分に向いている仕事ってなんだろう」と色々調べいました。見ている中で、「Webデザイナー」いう仕事にピンときました。
「お!これ自分に向いているかも知れない!」
そこから色々調べるうちに、自分がWebデザイナーをやる理由がどんどん頭の中に湧いてくる状況になってきました。
「Webデザイナーって、これからの時代、需要が増えるらしいし、フリーランスで活躍もできるみたいだ!」
「Webデザイナーで求められること、自分の特性とぴったりだ」
みたいな感じで、どんどん考えが膨らんでいくんですよね。
普通の人なら一息ついて冷静に考えられるところが、頭が過熱してるんで、そういう冷静な考えがシャットされるのです。
多分、頭の中でドーパミンやらノルアドレナリンやら、興奮作用のあるホルモンがドパドパ出ていて、そのような状態になっているのだろうと思います。ゴールに向かって一直線状態です。
この状態の時はとてもいい気持ちで、「生きるのってなんてワクワクするのだろうか」みたいな感情になっているのですが、そのため、過剰なまでのポジティブシンキングになってしまい、見通しが甘くなるのだと思います。
それで周りから見たら、現実的でないこと、突拍子もないと思うのでしょうし、本人も、あとから振り返ったら「あれ、なんで自分あんなことしたのだろう」となります。僕も後悔は山ほどあります。なんでもっと冷静にじっくり考えなかったのだろうか、と。
ADHDは開拓の遺伝子なのだろう
「衝動的に動いて、無謀なことをしてしまいがち」
確かにこれはデメリットになりますが、ただ、メリットになることもあると思っています。
僕も実際、「やってよかった」と思うことは多いですし、その行動力によって助けられたことも多いなと思っています。
「スマホ脳」「運動脳」といった本で有名なアンダース・ハンセンが述べているのですが、人類の身体はまだ「狩猟時代」に最も適合しており、そのような環境(狩りをしたり、食べ物がなくなれば、他の場所に移動するといった環境)では、ADHDの「見通しが甘く、無謀なことをしがち」という特性は、「行動力があって、迅速に決断を下す」というメリットになったと言います。
人類は、東アフリカから段々と世界中に広がっていったのですが、真っ先に行動するのは、そういうADHDの遺伝子を持った人なのではないか、と考察されています。「新しい環境を求めて、新天地にいく」というADHDの特性が活かされたのでしょう。
歴史上の人物で言うと、坂本竜馬もADHDだったと言われていますが、彼が行おうとしたこと、例えば、海軍を作るだとか、長州と薩摩の手を握らすなどといったことは、その当時からしたら「無謀なこと」「ありえないこと」だったと思います。
つまりは、そういう「無謀なこと」をする人物は、確かに、そのせいで失敗もするだろうし、あとで後悔することもあるかも知れない。
でも、何かを大きく変える可能性があるのだと、僕はそう思っています。
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