奨学金について

「奨学金」

多くの大学生・大学院生にとって、奨学金は、生活費の確保において重要な役目を果たしていると思います。様々な奨学金がありますが、その中でも日本学生支援機構の奨学金制度は一番有名ですね。

しかし、奨学金の申し込みは複雑な手続きも多く、大変です。

そこで今回は、大学院生(修士課程)が、日本学生支援機構(JASSO)の第1種・第2種 奨学金制度を利用する時の流れと、選択するべきことについてまとめてみました。

*大学院生(修士課程)を対象にしています。

*書いている内容は、令和2年現在のものとなっています。変更される可能性があります。

*奨学金は多くの場合、大学を通して申し込みをします。そのため大学によって手続きが違う可能性が高いので、良くご確認下さい。


大学院で奨学金を借りる流れ


⑴大学院1年生の、4月(または5月頭)に大学開催の奨学金説明会に出席する。そこで、手続きに関する書類などを受けとる。

【必ず大学を通して申し込む必要がある!!】

*日程などは大学によって、少し違いがあるかも知れません。

*大学によっては、予約採用がある場合があります。その場合は一年前、つまり学部生4年生のときに所属する予定の大学院に申し込む必要があります。


⑵必要書類(スカラネット入力下書き用紙など)に記入して、大学に提出。

○その際、選択する必要のあること↓

・奨学金の種類を選択する。

・所得連動返還方式か、定額返還方式のどちらかを選択する。

・保証機関か保証人のどちらかを選択する。


⑶大学から、「スカラネット」への記入に必要な情報をもらう(パスワードなど)

スカラネットにログインし、必要な情報を記入する。



ここからは⑵で書いた、選択する必要な3点のことについて書いていきます。



ポイント① :

奨学金制度には、「第1種奨学金」と、「第2種奨学金」の2つがある。(併願等もできる)


奨学金制度には、第1種奨学金と、第2種奨学金の2つがあります。違いは何かというと、返済の際に利息がつく-つかない、のどちらかということです。奨学金はいわば借金ですから、後々返済する必要があります。(*返済が必要のない奨学金もあります。後で説明します)

第1種奨学金は、その利息がつかず、自分が借りた分だけ返せば良いものです。それに比べて第2種奨学金は、利息がつきますので、借りた分以上支払わないといけません。もちろんどちらにも言えることですが、特に第2種を借りる場合はしっかりとした計画を立てる必要があることは明らかです。

ちなみに第1種と第2種は併願もできます。また、併願を希望したが、第1種に採用されたら第2種は受け取らない、など、色々なパターンがあり、希望するものを選択して申し込むことができます。

金額は、第1種の場合、5万か8万8千円、第2種の場合、5万か8万円、のどちらかを選択します。


ここからは余談になりますが、第1種奨学金を借りた場合、特に優れた業績を上げたと認められた場合、返還が全額、又は半額免除されることもあります。つまり借りた分のお金を返さなくて良くなる可能性がある制度なのです。この返還免除になる割合には、上限があり、またどういう基準で選ばれるのかも様々な条件があり、良く調べておくことが必要です。また免除額は全額と半額の両方があるので、注意する必要があります。

またここでは述べませんでしたが、給付型奨学金という元々返さなくててもいい奨学金もあります。こちらは、家計条件や成績などが加味され、条件は厳しいですが、お得な奨学金です。



ポイント②:

「所得連動返還方式」か「定額返還方式」を選択する。

これは、借りた奨学金を返還する際の返し方の違いです。卒業して働き始めた年の半年後から、毎月返還をする必要が出ます。所得連動返還方式の場合は自分の給料によって、その返還するお金の額が変わります。基本的に入社したての頃は給料が低く、段々と上がって行くのが一般的なので、最初は返還する金額も低くなります。そのためまだ給料が高くない時期でも、無理のない額を返還することができると言えます。


一方、定額返還方式は、給料に関わらず、一定の額を毎月支払います。

所得連動返還方式の方が、生活に優しいと言えるかも知れませんね。しかし、

・マイナンバーの提出など、提出書類な手続きが増える  

・金額が不均一なので、いつ返し終わるかの計画が立てにくい

などのデメリットがあります。



③「機関保証」か「人的保証」のどちらかを選択する。

上でも述べましたが、奨学金はいわば借金ですから、借りる本人以外に保証人(機関)が必要です。

その時に保証してくれるのが、人が機関、どちらかを選択する必要があります。

人的保証というのは、誰かに保証人になってもらうということです。この場合、「連帯保証人」と「保証人」のそれぞれ両方を決める必要があります。連帯保証人は、自分の両親になってもらえます。しかし、保証人の方は少し複雑で、1.配偶者および両親以外  2.4親等以内の親族   3.スカラネットに入力する時点で65歳未満    4.未成年、学生ではない人… など、条件が多くあります。つまり、自分の両親を保証人にすることはできないのです。

そのため、家族以外の人に、保証人になってもらえるようお願いに行かなければならないため、少しハードルが高くなるかと思われます。


一方、機関保証とは、機関(日本国際教育支援協会)に保証してもらえるというものです。こちらなら、人的保証よりは申し込みのハードルは低いです。しかし、奨学金を借りれた場合、この機関に毎月保証料を払う必要があります。具体的には、自分がこの機関に直接払い込むのではなく、JASSOから毎月自分の口座に奨学金が振り込まれる際にJASSOがその保証料分を引き、保証機関に払う、と流れです。つまり、JASSOからの毎月の奨学金を5万円で申し込んだとしても、実際に振り込まれるのは、それよりも低い金額になるということです。

どちらも一長一短なので、よく考える必要があります。ちなみに機関保証にして払った保証料は、繰り上げ返還をして、返還機関が短縮して完了した場合など、一定の条件を満たせば返って来ることもあるそうです。


今回の説明はここまでにします。お金を借りる以上、しっかりと書類を読み、後先の事も考えて選択する必要があります。

奨学金に申し込む際には、必要な書類や手続きが沢山あるので、早め早めに準備しておくのが大切ですね。


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