「改憲発議許さない!守ろう平和といのちとくらし 2022 憲法大集会」:大江京子弁護士 文字起こし
みなさん、こんにちは。
憲法大集会の文字起こしシリーズ第3弾です!
今回は、弁護士の大江京子さんの発言をお送りします。
大江京子弁護士発言
みなさま、こんにちは。ご紹介いただきました、改憲問題対策法律家6団体連絡会の弁護士の大江です。
日本国憲法施行75年という画期的な節目の年に、しかしながら残念ながら憲法、とりわけ憲法9条は戦後最大の危機を迎えている、と言わざるを得ません。
自民党安全保障調査会は憲法記念日を前に、敵基地攻撃能力の保有を進め、攻撃対象に敵国の指揮統制機能などを追加する、あるいは軍事予算を5年以内にGDP比2%以上、軍拡を行うなどの提言をまとめ、岸田首相に提出しました。
岸田首相は昨日の産経新聞のインタビューに答え、施行から75年たって憲法が時代にそぐわない、憲法9条の改憲を行うという強い意欲を示しました。
今岸田政権は専守防衛の基本原理を捨て去り、憲法9条の明文改憲もを行って、目実ともに巨大な軍事力を保持しロシアやアメリカのように普通に戦争する国に日本を変えようとしています。
いま、衆議院憲法審査会では、参議院選挙後の改憲発議にむけた地ならしともいえる動きが改憲派にって強引に進められています。
維新の会や国民民主党、昨年の時は改憲などと一言も街頭で言ってなかったのに、選挙が終わったとたんに毎週開催毎週開催と、憲法審査会、毎週開いて改憲の議論をするんだという大合唱、その先頭にたっています。何を議論するかよりも、とにかく憲法審査会を開いて会見議論を語ることに意味があるのだといわんばかりです。
コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻(侵略)、そして、東北を中心に起きた地震などに乗じて改憲派は緊急事態条項、先ほど奥野さんもおっしゃってましたが、緊急事態を口実にすべての権限、憲法を停止して行政権力に権力を集中する、内閣総理大臣に権力を集中して人権制限が容易にできる。そのような改憲を行う、そのような自由討議を行っています。
連休明けには憲法9条、その議論に入りたい。改憲派はそれを目論んでいます。危険なのは、長年憲法審査会のルールとされてきた憲法審査会の運営は与野党合意の下で行うという中山方式が、空前の灯にあるということです。改憲派は数に頼んで立件野党が理を尽くして反対しているにもかかわらず、強引に多数決で運営を進めている。このような暴力的な運営を断じて許してはなりません。
私たちは、立憲野党の皆さんを応援して決していま数では改憲派が国会議員の中で多いかもしれないけれども、国民の多くは立憲野党頑張ってもらいたい。憲法変えさせないんだという声が実は多いということを示さなければならない。そう思います。
本当に9条を変えるべきなの?
いま、ロシアによるウクライナ侵略戦争を目の当たりにして、日本を守るためには9条変えなければいけない、敵基地攻撃能力を持って軍事力を圧倒的に増加する必要があるんだ。増大させたい。そういう声があります。本当にそうでしょうか?
三つのことだけ申し上げたいと思います。
✅ 第一に敵基地攻撃は、全面戦争、核戦争を呼び込みます。
国民の命を守ることはできない。国民の命を守るための敵基地攻撃能力保有というのがいかにまやかしなのか、軍事のリアルをを考えれば誰にでもわかるはずです。
✅ 二つ目は、軍事力増強や軍事同盟を強化することによって、平和と安全は守れないということです。
共通の敵を想定する軍事同盟や軍事力による抑止力論は果てしない軍拡の応酬と相互の不振を広げるだけです。緊張関係を更新し軍事総突の危険を増すだけです。軍事力増強による自国の安全と安心は近隣諸国にとっては脅威と不安になるというジレンマを延々に解決することはできません。このことは、今回のロシアによるウクライナ進行。これを見れば、その経過を見れば明らかでしょう。
✅ 第三に、安全保障環境が一層厳しさを増しているという政府のお馴染みのセリフです。
このセリフの中には、重要な二つのことが抜け落ちています。一つは、その脅威は何が原因で生まれているのか、引き起こされているのか問う議論。二つ目は日本がその脅威をなくすために武力衝突を避けるためにいかなる外交努力を行うかという議論、これが決定的に欠けています。
戦争は日ごろの外交の積み重ねの失敗という事態
脅威は突然日本を襲ってくるものではありません。脅威には原因があり、武力攻撃の発生、それを止めるあらゆる平和的外交的努力が最も重要です。
脅威をあおるだけで、朝鮮とも中国とも話し合いすらしない。今の政府に敵基地攻撃能力保有を語る資格はありません。
戦争は、いつの世においても、自衛のため、自国民保護のため、そのような理由付けで開始されます。
戦争したがる人は、市民にうそをついて戦争を始めます。
常に自分は安全な場所にいて、戦争によりしばしば莫大な利益を売る人たちです。
犠牲になるのはいつだって名もない市民です。
何百万何十万人という尊い命の犠牲の末に日本国民は76年前、もうだまされない、政府の行為によってふたたび戦争の惨禍を起こさせないと決意して、日本国憲法を定めました。この決意をいま簡単に捨て去っていいものでしょうか?
いいわけはありません。
私たちは、いま、ロシアのウクライナ進行という現実に直面しています。
しかし今だからこそ、私たちは憲法9条を与えられたものとしてみるのではなく、自らの手で9条をいま選びなおす。つかみ取る。
その決意と覚悟を、それが求められてるんだと思います。
この集会を契機に法律家も頑張ります。
みなさん一緒に改憲を阻止し、そして参議院で改憲派を3分の1
3分の2を大きく割り込ませる、そのような行動を広げていきましょう。
最後に
今日のしんぶん赤旗に、先日沖縄の玉木デニー知事が発表した「平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書」が全文掲載されていました。
これを読むと沖縄に住む皆さんがどのような思いで戦前から戦後にかけて生活してきたのかを知ることができます。
私も含めてここに書かれている沖縄のことを知っているのはいったいどのぐらいいるんだろう?そう思います。
この建議書を読んで、ロシアプーチン政権のウクライナ侵略を目の当たりにして、これは私たちの問題なんだと改めて感じました。
ぜひこの建議書を全文お読みいただきたいと思います。そして沖縄のこと、ウクライナの平和のことを考えて行動していきましょう。
今朝、ツイッターのスペースで「ジャック早朝便」を聞いたのですが、どうやったらウクライナの戦争をやめさせることができるのかという話をされていました。
皆さんの話を聞いて放送が終わった後に私が投降したツイートがこちらです。
私たちは直接ロシアを動かすことはできないけれども、私たちが声を上げれば私たちが存在する社会がそれに気づく、私たちの社会が問題にすれば国がそれを無視できなくなる。同様にたくさんの国が声を上げればロシア(プーチン)を孤立させることができる。
武力で対抗してもそこに対話は存在しないからそれぞれ自分勝手な相手国像を生み出す。
時間はかかるけれども、私たち一人一人に備わっている声を出すという能力が世界を動かせる最大の武器になると私は思います。
#戦争反対нет_войне
次回は、ジェンダー問題について フリーライターの小川たまかさんの発言をお送りします!
おたのしみにー
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?