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#志位和夫 政策「日本共産党の新経済提言」を発表2021.9.22 文字起こし【永久保存版】#比例は日本共産党 #投票倍増委員会

 みなさんこんにちは。先週の9月22日、日本共産党が「コロナ危機を乗り越え、暮らしに安心と希望を――日本共産党の新経済提言」を提案しました。

日本共産党志位和夫委員長と、田村智子政策委員長が二人で記者会見に臨んでいます。

 日本共産党は9月1日に「気候危機を打開する日本共産党の2030戦略」を打ち出しています。

今回はそれに続く第2弾で、主に経済全般にかかわる内容となっています。こちらの政策提言もとても重要なので押さえておきたいですが、今回の「新経済提言」は大変重要なことをたくさん伝えてくれています。

 個人的な感想ですが、野党連合政権になってこれを正面に据えて取り組んでいくならば、すべての人が安心して暮らせる社会基盤ができあがる。そう確信しました。

 記者会見も1時間15分にわたる壮大な内容になっています。前半は志位委員長から「コロナ危機を乗り越え、暮らしに安心と希望を――日本共産党の新経済提言」の説明が行われています。後半は記者からの質問に答えるいつもの内容ということになりますが、今回は特に後半の記者からの質問とそれに対する志位委員長と田村政策委員長の答弁が大変すばらしいものだと実感しましたので、すべてを文字起こしする決意を固めました。

 このノート(記事)の使い方ですが、ざっと全体を読んでいただき、内容を確認するもよし、部分的に時間をかけて確認するもよし、いろんな使い方を考えました。それぞれのセクションとそこからの動画のリンクを張り付けますので、動画と文字どちらも確認していただくことができます。

そもそもなぜ、私が文字起こしを決意したかというと、

「動画の真ん中あたりでタムトモさんは確か大事なことを言っていたなぁ。でも動画を最初から見るのは時間がない!!」

そうなんです。動画では気になった部分を検索できません。その点、文字にしておけばキーワードで検索できますので必要な部分にジャンプすることができます。

 日本共産党の魅力を多くの人に伝えるためには必要な時にこの検索力が大変重要になると思ったからです。どうせなら同じく日本共産党を応援する皆さんにも活用していただきたいと思い、決意した次第です。


それではさっそく記者会見の内容をお伝えしたいと思います。大変長いですが、私の今後記事でこちらの内容を引用していくつもりですので、安心して眺めてください😝

#志位和夫  政策「日本共産党の新経済提言」を発表2021.9.22




 ありがとうございます。 それでは会見を行います。
本日、仮の冊子でありますが、「コロナ危機を乗り越え 暮らしに安心と希望を」と題しまして、日本共産党としての「新経済提言」を発表いたします。
これは、「総選挙に向けた政策の第2弾」として発表させていただきます。
先日「気候危機の打開のための2030戦略」を発表しましたが、それに続く第2弾として発表をいたします。
内容は、お配りした通りでありますが若干ポイントを説明させていただきたいと思います。

 まず、今回の新経済提言は、コロナの体験、そして教訓をふまえて新しい日本の経済社会のありかたのビジョンをまとまって総合的に示すものといたしました。
コロナというのは、日本社会日本経済の脆いところ、弱いところを映し出したと思います。その体験教訓を踏まえて新しい社会を構想するというかたちでまとまって提起をいたしました。

 それで、全体6つの柱からなっておりますが、冒頭にありますように全体を通した一貫したテーマは「弱肉強食の新自由主義は終わりにしよう」と、そして「国民のいのちとくらしを何よりも大切にする政治に切り替えよう」と、この「新自由主義からの転換」これが、一貫した今回の新経済提言のテーマとなっております。
6つの柱すべてに、この立場で書きました。
ですから、そういう点では「コロナの教訓を踏まえた提言」、もう一つは「新自由主義からの決別・転換」この立場からまとめ上げたという特徴になっております。

 まず、第一の柱は「医療・介護・保育・障害福祉など、ケアを支える政治への切り替え」という点であります。
今回の新経済提言は、四角でくくった部分が「自公政治の現状の問題点」を告発・批判した部分です。

自公政治の下で「こんなひどい事態になってる」という告発になってます。それを踏まえて、政策はそれぞれ述べられるというふうな記述になっています。

第一の柱 ケアを支える政治に

 第一の柱のケアを支える政治に という点では、この間コロナの下で「深刻な医療崩壊」「公衆衛生の崩壊」これが起こりました。それがなぜおこったかということは、まずここにありますように、自公政権の下で長期にわたって「医師数の抑制・病床の削減」「病院の統廃合が続けられた」こと、「保健所が半分になった」こと、感染症予算がアメリカの1/77、中国の1/36、「まともな感染症予算をつけていない」こと、さらにですねコロナが大問題になった後もですね、こういう「医療削減の路線を続けている」「公立校的病院の削減統廃合の推進」「75歳以上の医療費の窓口負担の2倍化」等々ですね、この間違った道を反省せずに続けている。
これでいいのかっていうことをまず述べています。

 わたくしどもの政策でありますが、新たにパッケージとしてまとめたのが「医療公衆衛生再生強化プログラム」これを提唱したいと思います。

これはですね、二度と今回のような「医療崩壊を起こさない」、そのために何が必要かということでパッケージで「医療公衆衛生の再生強化のプログラム」をまとめました。

 端的に行ってですね、この間の医療公衆衛生削減の路線によって、感染症病床が半分になっているわけです。それから保健所も半分です。大体こういう一番の命をまもる施策が半分になっている、これが現状でありまして、ですから今回の私たちのプログラムは、全体の予算を2倍にする。この関係の予算を2倍にして抜本的な立て直しを図ろうという考え方で作成をいたしました。

 まず、「感染症病床、救急救命体制」に対する国の予算を2倍にする。それから「ICU病床への支援を新設」して2倍にする。これはまさに、今回ここがひっ迫して医療崩壊が起こったわけですが、その予算を2倍化して平素から感染症対応の基盤を強化すると、平素から強化しておけば、いざというときに様々な対応の余裕が出てきます。

 それから、「公立校的病院の削減統廃合は中止」する。これいまだに政府は続けようとしていますからとんでもない話でありまして、中止する。
お医者さんの数でありますが、「医師の削減計画」を中止し、「臨時増員措置の継続」をはかる。これは、2008年からですね、医師不足があまりに大きな問題になる下で、1割程度の増員を臨時措置として行いました。この臨時措置を削ってしまおうと。そしてさらに削っていこうというのが今の政権の方針になっております。

 わたくし共としてはですね、そういう医師削減計画は中止して、「臨時増員措置の継続」によって1割程度増員してきますから、段階的に医師の数を増やしていく。こういう方向に切り替えていく。

 それから、来年の診療報酬の改定で「看護師の配置基準」「労働条件の改善」、あるいは「新感染症に対応した診療報酬体系」などを抜本的に充実させる。これもやっていきたいと思います。

 保健所については、予算を2倍にして、保健所数も職員数も大きく増やす。予算の2倍化ということを提案したいと思います。国立感染研(国立感染研究所)、地衛研(地方衛生研究所)の予算については、研究予算を10倍にする。これはもともと先ほども言ったようにアメリカの1/77、中国の1/36というとんでもない軽視がされているわけですから、せめてまず10倍にする。

 最後にですね、感染症に対応する、政府から独立した科学者の専門機関、仮称として「感染症科学者会議」これを新設するという提案もしております。

これはあえてこういう提案をしたのはですね、感染症のこの間の対応としては、最初は専門家会議が設置され、いまは分科会になっております。そこに参加された専門家の方々、それぞれ奮闘されていると思うのですがやはり、政府からの独立性という問題が制度的にないために、いろいろな限界もあると思います。やっぱり科学と政治は独立した関係に立って、科学者はですね科学的知見をストレートにきちんと明らかにする。国民に明示する。政府にも提起する。政治の側はですね政治の責任として方策を決めていく。

 この「科学」と「政治」お互いに独立しながら緊張関係をもって感染症対策に当たるというのが基本だと思います。
ですから、こういう「感染症科学者会議」を独立したものとして作ってですね、そこに科学者の英知を集めて対応ができるようにしていくと、こういうパッケージで、今回起こったような「医療崩壊」、「公衆衛生の崩壊」を2度と引き起こさないという取り組みを求めて生きたいと思います。

 これは、まだコロナとの闘いのさなかですから、今すぐこういう方向に着手することも求めますし、それから総選挙でもおおいに訴えてこういうプログラムが実現するということも求めていきたいと思います。

 それから、あと2つ大事な柱がありまして、2つ目に3ページになりますが、「ケア労働の待遇改善」「社会保障の拡充」、これも位置付けました。ケア労働を担ってらっしゃる介護士さん保育士さん、あるいは障害福祉に携わる職員の皆さんの賃金を引き上げること。それから社会保障の点ではですね、年金の問題ですが、これは今「マクロ経済スライド」によって、「基礎年金」が今後20年にわたって減っていくわけです。何兆円という規模で。ですからこの仕組みを撤廃して「減らない年金・頼れる年金」にしていく。これも打ち出しております。

 「介護の保険料・利用料の減免」、あるいは「障碍者福祉医療の応益負担撤廃」、それから「国民健康保険料」については高すぎるということはかねてから大問題になっておりますが、人頭税のような「均等割り平等割」、なくしていく。そのために公費を一兆円投入することによって「国保料の抜本引き下げ」ということも位置付けました。

 それから、これも新しいパッケージで出したのですが、その次にある「生活に困っている人への支援を抜本的に強化する」。これはパッケージとして今回新たにまとめました。 まずは、生活が困窮している方への「一律10万円の特別給付金の支給」です。この生活が困窮している人というのは、私たちとしては、コロナで収入が大きく減った方、所得の少ない方、かなり広く捉えてですね、この10万円の給付も総額としては数兆円規模の予算を充てて思い切った財政措置をとる必要があるということで、広くとらえて10万円の給付を行うということを提案したいと思います。

 それから、「生活保護」でありますけれども、これをですね、これを「生活保障制度」に名称を改めて、(憲法)25条に基づいて必要な人すべてが利用できる制度に改革していく、これもまとまって提起をしています。

この間の(生活)保護費の削減、これを緊急復元すること。それからいわゆる「水際作戦」、あるいは「扶養紹介」をやめさせること、わずかな資産を理由に利用を拒む、これも改めること、等々ですね「生活保護」の制度を「生活保障制度」と名称も改めて、(憲法)25条に基づく制度として、「だれでも必要な人が利用できるという制度」に大改革していきたい。

 それからもう一点(の柱)ですが、食と住まいの支援。これも新たに位置づけました。いま、「住居確保給付金」(というのが)ありますが、これを「支援の延長拡大」、それから「貸し付けの場合は給付に切り替える」等の措置をとるとともに、恒久的措置としては「家賃補助」、それから「公的住宅の拡充」、これをしっかりと位置付けて、「住まいは人権」という立場から抜本的な措置を求めていきたいと思います。

 それから食という点では、この間「フードバンク」、あるいは「こども食堂」などの自発的な取り組みがずーっと全国に広がっております。これに対してですね、公的な支援を行う。様々な自発的な活動に対する公的支援をじっかり行う。この「住まいと食」、ここで今困窮が起こっておりますので、ここにもきちんと手だてが届くようにする。こういうことをパッケージで提起をさせていただきました。

第二の柱 働く人の使い捨てをやめさせ、8時間働けば普通に暮らせる社会にしていく

 第二の点は「働く人の使い捨てをやめさせ、8時間働けば普通に暮らせる社会にしていく」ということでありますが、これもコロナの経験を踏まえて新たにまとめた点があります。特にですね、非正規雇用労働者がコロナで切り捨てられると、真っ先に切り捨てられて職を失い生活に困窮するという事態が起こっているわけですがその中でもとりわけですね、「シフト制労働者」、こういう方々が、仕事が減っても休業だと企業が認めないために「雇調金(雇用調整助成金)」の対象にもならない、「休業支援金」の対象にもならない。無収入になってしまう。こういう事態が起こっているわけであります。
 それから、いわゆる「フリーランス」「ギグワーカー」という実態は労働者なんですけど、労働法制が及ばない、権利が全くない、こういう方々の権利をどう守っていくかも大きな問題になっております。
(ギグワーク:1~3時間などの短い時間だけ働き、継続した雇用関係のない働き方)

 そこでですね、わたくしどもとしては、全体として、「非正規(労働者)」から「正社員」への流れをつくるとともに、均等待遇を進める、その中に「シフト制労働者」の権利を守るために、「労働契約」「最低補償賃金」、あるいは「休業手当の支給」を明記するなどのルールを作っていく必要がある。いま、「労働契約の中にそういうルールがない」わけであります。シフトが切られたら、賃金も出ない、休業手当も出ない、一切何も出ない、こういう状況になるわけですが、ルールを作ってそうした権利を守っていく。

 それから「ギグワーク」の場合もですね、やはり無権利な働かせ方になっております。それをどんどん広げていくような規制緩和はやめて権利保護のルールを作る。権利保護という点でいえば例えば最低賃金と同等の収入が得られるようなことも必要です。そういう状況になってません。「労災」が認められていない。事故があったりけががあったりした場合もそれに対する補償がありません。ですから、こういう「シフト制労働」「ギグワーク」で働く方々にもしっかりとした働く権利を保障していくルールが必要だと(思います。

「労働者派遣法の抜本改正」、「パート有期雇用労働者均等待遇法の制定」、等々も併せて進めたいと思います。

 それから最低賃金は、時給1500円に引き上げていくと、「全国一律最賃制」の確立、これはもう大方針として提起をして提唱していきたいと思います。その際「中小企業に対する支援が一体で進め」られなければなりませんが、特に社会保険料の減免等々によって一番効果的な支援を合わせてやっていきたい。長時間労働をなくし労働者の権利が守られる社会ということも、これはかねてから言ってきたことでありますが明記をいたしました。
この第二の柱の働く人の権利という問題でも、コロナの経験を踏まえた方針になっております。

第三の柱 お金の心配なく学び子育てができる社会

 第三の柱は「お金の心配なく学び子育てができる社会」ということを述べております。特にコロナの危機の下で子育てをしている家庭への様々な負担と犠牲が強いられてる。
それから学生の皆さんですね。高学費と貧しい奨学金の下で、食うや食わずの困窮に陥る。こういう事態が起こっております。それに対する抜本的な対策が必要です。「高すぎる学費の値下げ」と本格的な「給付奨学金制度」を作って誰もがお金の心配なく学べるようにするということも大きな柱に据えました。
その中ではですね、大学短大専門学校の学費を速やかに半額に引き下げ「高等教育の無償化を目指す」ということを大きな方針として据えながら、「入学金制度をなくす」という新たな提案もしております。

 「入学金制度」というのは例えば、国立大学では約30万円、私立大学でもかなりの額になる。この「入学金制度」をここにありますように高額の入学金を払わせて入学しなくても返金しないという事態もありまして、高校生の皆さんとこの間対話しておりますと、入学金が大変な心配の大学進学の際の大きな障害の一つになっています。これはなくすと、制度としてはなくすと。もともとこの制度をこれだけのお金を出させている国というのはありませんし、制度の上から言っても合理性を持った制度じゃありません。「制度としてなくす」という考え方で整理をして提起をしております。

 それから「給付奨学金の拡充」「学生支援緊急給付金の継続実施と強化」。これも併せて提起をしております。

 それから子育て教育の負担の軽減という点では、私立高校の負担の軽減を進めて「高校教育は無償にする」ということもはっきりと打ち出しました。
それから義務教育で残されている教育費負担。これは憲法で義務教育は無償とするとあるんですが、なお、たくさんの教育費負担があります。特に「学校給食」これは国の制度として無償にするということを提起をしたいと思います。
それから「児童手当」については18歳までの支給。「児童扶養手」「当就学援助」それぞれ額と対象の拡大を行い子育て所帯に向けた継続的恒常的な現金給付を拡充する。この、お金の心配なく学び、子育てができるというのはまさにコロナの下で多くの方々が痛感した問題ですが、ここでもかなり踏み込んで政策発展させてあります。

第四の柱 コロナ危機で困難に直面している中小企業、農林漁業の支援、地域経済の立て直し

https://youtu.be/G6fNSolNVPA?t=1225

 第四の柱は、「コロナ危機で困難に直面している中小企業、農林漁業の支援、地域経済の立て直し」という問題です。これはまともな補償がない中でコロナの倒産・廃業が急増しております。そういう下で政府の施策はどうかというと端的に行ってですね、「惨事便乗型の淘汰」がやられようとしている。例えば「持続化給付金なども一回きり」です。これは淘汰していこうと、惨事に便乗して。いうやり方です。これはとんでもないことでありまして、やはりすべての「小規模事業者」「中小業者」をしっかり支援していく。その姿勢に立ってこそ「日本経済の健全な発展」が保証できるわけでありまして、ここでも「政治の切り替えが必要だ」と。

 まずまともな補償を速やかに行っていくということを述べております。「持続化給付金」「家賃支援給付金再支給」、または「継続支給」を求めていきます。

 それから「協力金支援金」なども「拡充と迅速化」を求めていきます。そして新しい提起ですけれども、コロナの対応で借入金が積みあがって、これが返せなくて廃業せざるを得ないというケースが少なくありません。この中小企業の債務をどう解決するかが大きな問題であり、「コロナ対応の借り入れ分の軽減・免除」をする仕組みこれを作っていく必要がどうしてもある。しかも今作らないと大量の廃業が起こっていく、この危険がありますので、「債務の軽減免除」ということも新たな柱として据えました。

 文化芸術の問題はですね、政府の対応というのは「新しいイベントやった場合に支援する」ということになっているわけですけれども、文化芸術関係者というのはその「場と働き手」自体をしっかりと維持していくということが大変大事なわけですね。例えば、ミニシアターライブハウスでしたらそういう「場」ですよね。場をしっかり確保する。そういう働いている人をしっかり守っていく。「場と働き手」に対する支援にしていく。そして国費を数千億円単位で支出して「文化芸術復興創造基金」を抜本的に強化すると、これも踏み込んでこういう提案をいたしました。

 それから、恒久的な中小企業の維持発展という点では、「中小企業予算を一兆円規模に増額」すること。そして先ほど述べた、「競争と淘汰からすべての中小企業小規模企業を対象にする中小企業政策に転換する」こと等々の拡充策を述べております。

 農林漁業については、特記したのは「米価の大暴落」の問題です。いま大きな社会問題になっております。これはもともと政府が生産調整から撤退してしまった。これが土台ににあります。そこにコロナが襲来した。「生産調整からの撤退とコロナ」の両方によって米価の大暴落が起こっております。

 そういうもとで私共の基本的な考えでありますが、基本的な政策としては「所得補償」「価格保証」など「家族経営をはじめ農業経営を支援する」。そして無制限な輸入に歯止めをかけて過去最低にまで低下した食料自給率を引き上げる。これは基本的なわたくしどもの農業政策でありますが、価格大暴落の対策としてはですね、「政府によるコメの緊急買い入れ」を実施して「過剰の在庫を市場から隔離」すると、これを緊急にやる必要がある。どうしてもやる必要がある。買い上げたコメはですね、ここにありますように生活困窮者や学生さんや子ども食堂などに供給していく。ミニマムアクセス米をこの期に及んで買い入れるというのは愚の骨頂ですから、これは中止する。等々のきちんと政府の責任において需給調整をやってそして暴落を止めるということが必要です。


個々の分野では「林業の再生の問題」「魚価の保証」「経営支援」など「水産業の再生に向けた提起」も併せて行っております。

第五の柱 税金の不公平をただす

 最後に第五の柱は、「税金の不公平をただす」ということであります。税金の不公平という点では2020年度の国の税収が過去最高になりました。これだけコロナで多くの国民が苦しんでる下でなんで税金が過去最高になったか。これはひとえに消費税を上げたためであります。消費税が所得税あるいは法人税を抜いて国の税収のトップに居座っている状態になっている。この不公平税制を正していこうということを最後に述べております。

 まず「消費税率」については5%に引き下げる。「インボイス制度」の導入を中止する。5%の引き下げは、一番の日本掲載そして中小業者の皆さん、個人消費を活発にする決め手になると思います。これは「恒久制度」として実行する。
 「インボイスの導入」が今年10月から登録が始まり、2023年10月から「インボイス」がスタートする。こうなりますと、ここにありますように零細業者やフリーランスにとっては税金を払うかそれとも取引から排除されるか2者択一が迫られることになります。ですから「インボイス制度」は私たちは、もともと反対してきましたけれども、導入の計画は中止するということを強く求めていきたいと思います。

 それから「大企業と富裕層に応分の負担を求める」。ここにもありますように「大企業優遇税制の縮小廃止」「法人税率を28%に戻す」こと、「富裕層に対する優遇税制の是正」「最高税率の引き上げ」「富裕税あるいは為替取引額に対して定率の課税を行う税制」など新たな税制を作る。

 それから保険料についてはこれにありますように「厚生年金」「健康保険」「介護保険」など、保険料の仕掛けは累進になってないんですね。頭打ち、上限になっている。ですから、上限を引き上げて応能負担の回復を保険料でも行う。等々によって財源を作り出し、暮らしと社会保障を支えていこうという考え方を提起してあります。

第六の柱 気候危機打開と一体に災害に強い社会を作る

 最後に六つ目の柱でありますが、「気候危機打開と一体に災害に強い社会を作る」ことも据えました。特に、「被災者生活再建支援法」の支援金を500万円に300万円から引き上げる。かねてからの要求でありますから、ぜひこの機会に実行に移したい。対象を「一部損壊」にも広げていく。「乱開発の規制」、「ダムに偏重した治水対策」の転換。等々も入っております。

財源をどうやって確保するか

 最後に「財源の問題」です。わたくしどもの提言を実行するための財源、これについてもわたくしども裏付けの試算も行い、責任をもって提案をいたしました。考え方を言いますと、「緊急の対応は国債で賄う」「恒久施策は税財政の民主的改革で賄う」こういう考え方です。この提言を実行するための財源は、まず、緊急という点ではコロナ危機への対応など緊急かつ臨時的に必要になる施策はこの提言では20兆円を超える規模になります。20数兆円という規模になってきます。コロナがどれだけ今後続くかによっても変わりますから、可変的なんですが、少なくとも20兆円を超える規模が臨時的緊急な措置としては必要になります。

 これはですね、あくまで臨時的一時的な支出ですから、「国債の増発によって賄う」と。命と暮らしを大災害から守るためには必要な財政支出はためらうべきではない。断固としてやって、「国債で賄う」。こういう考え方で私どもは緊急の財源は対応すべきだと。

それまででありますが、二つ目に「消費税の減税」あるいは「社会保障の拡充」、「教育費負担の軽減」、これはコロナ終息後も恒常的に必要とされる施策になります。この財源は恒常的な財源を確保する必要があります。この提言の全体を実行しますと、19兆円程度になります。この19兆円は「大企業優遇税制の見直し」、それから「法人税率を中小企業を除いて安倍政権以前の水準28%に戻す」、こういう大企業への応分の負担で8兆円「富裕層への税負担の見直し」3兆円。ですから、ここまでで11兆円ですね。それに「富裕税」や「為替取引税の創設」約3兆円。さらに「軍事費や大型開発の浪費の削減」などで5兆円。大体これで19兆円ということを確保することで恒久的財源を賄うという私共の試算の上に今回の提案をしております。

こういう考え方で財源については対応していきたい。

日本経済の主役は「個人消費」




 最後に全体の締めくくりのところでありますが、やはりコロナ危機打開するうえでも、「暮らしと家計を応援する」と、やはり日本経済の主役というのは「個人消費」ですから、ここをしっかり応援するということが「立て直しの大道」になるということを最後に協調しています。

 それから全体の考え方は「新自由主義からの脱却・転換」ですが世界でもそれが当たり前の流れになっている。ここにありますように、コロナの下で消費税を減税した国が62にのぼり、大企業や富裕層への課税強化の流れが起きております。アメリカでもバイデン政権が大企業や富裕層への増税あるいは最低賃金の引上げ、「トリクルダウン経済」からの決別。これを議会演説で述べるなど、やっぱりそういう転換が始まっている。世界からでもですね、私どもが提起したような「新自由主義からの転換」の流れが大きく広がっている。ですから、私どもの提案というのは世界のそういう流れにもかなったものだと確信しております。 

 それから最後にですね、私どもが第一弾として発表した「気候危機の打開」との関係でありますが、気候危機の打開の道というのは先日お話したように、「脱炭素・省エネ再エネ」これが進むわけでありますが、これは決して「経済の衰退」の道じゃない。「さみしい社会」への道じゃない。このことを進めることによって「2030年までに250万人の雇用が生まれ」、「200兆円を超えるGDPが累積で増える」。ですから本当の意味での「持続可能な成長」への道になる。この気候危機からの打開を進めようと思ったら「新自由主義からの決別」が必要だということを「2030戦略」では特に訴えました。今度の「新経済提言」の主題も「新自由主義からの脱却転換」でありますけれども、主題が一緒なんですね。ですから、「気候危機の打開」と、「格差貧困を正し暮らしをよくしていく」ということは実は一体のものだと。一体のものとして追及していきたい。このことを最後に申し上げておきたいと思います。





記者質問 フランス10の及川記者

 フランス10の及川です。質問の前に私見を述べると、一日8時間最低賃金1,500円だと最低でも24万円一人、ご夫婦になれば48万円ということで最低賃金でも希望を持てる社会になるんじゃないかなと思います。

質問です。3点です。

 新自由主義の脱却ということをおっしゃいましたが、自民党総裁選でもそれをおっしゃっている方がいる。それについてどう思うのかということと、2点目が最低補償制度、今ご承知の通り、生活保護の捕捉率2割といわれてますが、生活保護バッシングをする人は、捕捉率が10割になっちゃったら生活保護制度が破綻するという危険性をあおっています。それについてどう思うかということと、最後が昨日立憲民主党アベノミクス検証の報告を出しましたが、志位さんとしてはアベノミクスをどう総括されるか。私は象徴的なのが大門みきしさんにさんにインタビューしたときに伺った2012年から2017年の貯蓄0世帯が一気に上昇していると、それが象徴的だと思うのですが、3点めはアベノミクスの総括。以上3点お願いします。

志位委員長答弁
 自民党総裁選の中で、個々の候補者がおっしゃっていることはコメントは控えたいと思います。ただ、一般的に言えば、新自由主義を変えなきゃなんないというのであれば、一般的に言えばですよ。これまで自民党がやってきた政策というのは新自由主義そのものなんですよ。医療切り捨て、社会保障切り捨て、労働のルールを劣化させ、非正規社員を増やし、ずーっとやってきたわけです。これを変えるのかどうかね。これが具体的に問われるという風に思います。そして自分たちがやってきた政策が間違いであったと、認めてね、転換するというのだったらこれは一つの論議になりますが、どうもそういう議論はあんまり聞こえてきませんね。誰からも。と思います。

 それから最低補償にかかわってですけど、生活保護捕捉率が日本の場合は特に低い。これはそれ自体が大問題なんですよね。これはいろんな原因ありますけども、私どもはやはり「誰からも利用しやすい制度になっていない」と、これにもありますように、まず「水際作戦」てのがいまだにやられてます。「扶養紹介」の問題がある。様々な問題があって。それからやはりね、「スティグマ」という問題があるんですよ。わたくしも国会質問で取り上げたことがありますが、「生活保護のお世話にだけはなりたくない」という気持ちですね。 これが社会的にそういう気持ちが強いられてしまう。「スティグマ」っていう問題がある。恥の概念ですよね。恥でも何でもないわけですよね。
 憲法25条に保障された国民の権利ですから。必要な人は堂々と利用する。これは当たり前なんですね。ですから、様々な諸原因によって捕捉されている方が2割と。非常に少ないっていうのは恥ずべき状況だと思います。私ども今回の提案というのは、保護費全体を底上げするとともに、そういう「水際作戦」をやめさせる、あるいは「扶養紹介」をやめさせる。それから名称もですね、「生活保障制度」にすると。「保護」っていう言葉自体の中にやはり「スティグマ」を連想させるものがあるわけですよ。「保護」じゃなくて「保障」だと。憲法25条に基づく当然の制度だと。「生活保障制度」にする。「保護」という言葉じゃなくて「保障」にする。それからこの制度は「利用」という言葉に統一する。「利用」と書いてあるでしょう?ですから、「保護を受ける」とかいうんじゃなくて「利用する」「当然の権利として利用する」そういう制度にしていくってことを政治の側がねもっとやんなくちゃいけない。もっと抜本的にやんなくちゃいけない。バッシングなんてことは論外だということも言っておきたいと思います。

 それから「アベノミクス」の問題は立憲民主党の皆さんも失敗だと、私どももそう思っております。
 いろんな問題がありますけれども、結局は貧富の格差を拡げた。アベノミクスの下で超低金利をやって株価を引き上げて一部の富裕層は大もうけをしているわけですよ。しかし格差は広がりました。先ほど言った貯蓄0ということも大問題になっている。
 それからですね、結局働く人の実質賃金は下がった。この問題で安倍前総理と何度も党首討論で何度も議論したことありますが、実質賃金下がったんですね。ですから労働者全体が貧しくなった。格差が広がった。ですからこれはね。大失敗の政策だと。新自由主義でやってきてこういう結果になったと。「トリクルダウン」でやってきたけれどもいつまたっても滴り落ちてこなかったと。いうのがこれはもう結果として出てるわけだから、今回の私共の提言の方向でも展開が必要だということを言いたいと思います。

 フランス10及川です。追加でなんですが、最低保証制度が今でいう捕捉率で10割になった場合も財政的にはもつお考えでしょうか?

志位委員長答弁
 これはあの、必要な財政を(支出)しなきゃならない、出さなきゃならないよね。その場合であっても。ただやはり、そういう社会になっていけば、いろんな意味で社会が活力を増してくるという面が出てくるでしょう。そう思います。

記者質問 テレビ朝日の下村記者

 テレビ朝日の下村です。よろしくお願いします。
現政権のコロナ対策の取り組みについては、どこが問題でそして共産党としてはどこを変えていきたいですか?

志位委員長答弁
 大きく言いますとね、私どもは3点、この間言ってまいりました。
一つはね、「科学を無視する」ということなんですよ。私この安倍菅コロナ対応一貫してると思います。科学の無視。例えば「アベノマスク」、それから「gotoキャンペーン」、それから「検査を抑制」した。「PCR検査を増やすと医療崩壊が起こると(言って)検査を抑制した」「オリンピック・パラリンピックの強行」。どれもこれもですね専門家の皆さんは、かなり批判が強かったですよね。それを無視して、「科学的知見を無視」していろんなことが進められた。ですからこれを直しませんとね、コロナウイルスは忖度しませんから。絶対にうまくいかないと。
 ですから私ども今回の提言の中でも、「感染症科学者会議」をしっかり作って、そういう科学的知見に基づいた対策に切り替えようといってるのはそういう経験を踏まえてのものです。

 これが一点目。それから二つ目の点はですね、国民に対して説明しない。そして、声を聴かない。今起こってることはまさにそうですよ。
 去年と今年野党はですね、通常国会終わった後にコロナの問題集中して議論するために臨時国会を開けと憲法に基づいて要求した。しかし去年は安倍前総理は招集拒否したまま退陣しました。今年も、菅首相は招集を拒否したまま政権投げ出した。
 ですから大事な時に国会をやろうとしない。私たち「コロナで夏休みないんだと言って休んでるときじゃない」といったんだけど、二度も夏休みをやったわけですよね。

 ですからまともに議論をしない。これは非常に大きな問題です。「リスクコミュニケーション」がない。国民との間に。これはきちんとそういうコミュニケーションをやってくような事が必要です。

 最後にね、やっぱりコロナっていうものは大災害ですから。感染症による。ですからこれは自己責任では何ともならないんです。

 ところがコロナにまで自己責任を持ち込んだ。例えば「原則自宅療養」にするという「党方針」を突然持ち込んだ。これはまさに、最悪の自己責任論ですよね。これでたくさんの方々が命を落としている。

 ですからコロナにまで自己責任論を持ち込んだ。そうじゃなくて公の責任しっかり果たすという所にね切り替えなきゃならない。

 ですから、大きく3つ問題があるんですね。かなり「政治としての根本問題」なんです。
 「科学を無視する」「説明しない」「自己責任論を持ち込む」このところを根元から正しませんとね、今後ともこのコロナとの闘いというのは一定期間どうしても続くだろうと、専門家の皆さんも仰っている下でね、これからの対応を変えてかないといけない。ですからこの点でも私どもは「政権交代が必要だ」ということを言いたいと思っているところです。

テレビ朝日下村記者
現政権の医療体制確保への取り組みは不十分だと思われますか?

志位委員長答弁
不十分ですね。
大変不十分です。

 ですから特に、感染がこう、ピークになって減ってく時期があるでしょう。感染が減ってく時期に政府は大事なこと二つ怠ってきたと。一つは今言った、「医療体制」を減っていく時期にきちんと作って、次の波に備えて、波が起こっても「医療がひっ迫しない」、「崩壊しない」ような用意を、減ってく時期にやるべきだった。これを怠った。そういう結果が第5波での惨事になりました。

 もう一つは「大規模検査」なんですよ。減ってる時期こそですね「大規模検査をワクチンと一体でやって」いわば感染が集中している「エピセンター」・「エピスポット」、これを制圧する。これやってずーっと抑え込んでしまう。ということが必要だったんだけれども、検査をやらないで「ワクチン一本」にしたたために、結局また新しい波を作ってしまった。

 ですからやはり「医療体制」という点、それから「検査」、両面でやるべきことを怠って波を繰り返しているということも大きな問題だと思っています。

テレビ朝日下村記者

 自民党は総裁選に向けて、政党の支持率が上がってきていますけれども、その一方で共産党はじめ野党は支持率・期待度がなかなか上がってきていません。総選挙に向けて戦略はどういったものになりますでしょうか?

志位委員長答弁
 やっぱり野党がですね、「自民党政治を変える」という点で結束してこういう新しい日本をつくろうという共通のビジョンを掲げて国民に魅力のあるね、そして希望のある未来をきちんと示すことじゃないでしょうか。

 ですからそういう点では野党4党と市民連合の皆さんとの間で9月8日に共通政策を作りました。
野党4党党首が署名して、共通の旗印が政策では立った。ここまで来たと思うんですね。ぜひ報道していただければと、思うんですけども、そこはですね、今日発表した政策全部じゃないですけど、だいたい方向性では共有できるような内容が共通政策の中に入ってるんですね。

 消費税については減税ということが初めて野党の共通政策の中に盛り込まれました。それから医療費削減政策からの転換。これもはっきり入りました。ですから今日わたくしが提起した、この内容の方向性はね、共有できるような旗印も立っていますので、そういう旗印も立てて、次はその政策を実行する政権をどういう形で作っていくか。この合意を早く作って選挙協力も急ピッチで体制を作っていきたいと思ってます。

テレビ朝日下村記者
立憲民主党などとも連携は強化されますか?

志位委員長答弁
されますし、しなくちゃいけないと思ってます。

テレビ朝日下村記者
 もう一問だけいいですか? 先ほどいろいろな政策の中でも消費税を引き下げるなどとありましたけれども、財源はどこから持ってくるんでしょうか?

志位委員長答弁
 あの、先ほど言ったようにね、今日お話しした提言、新経済提言ですね。「緊急の施策」と「恒久施策」と両方あるわけですよ。緊急の施策というのはコロナ対応の様々な施策。これはだいたい20数兆円のお金が必要なんだけども、これは国債で賄うと。これは一時的なものですから。これは必要な財政支出を惜しまないで命を守っていくということが一つです。
 恒久の施策、消費税の財源等々の恒久の施策については、先ほど言ったように大企業や富裕層への応分の負担。これをしっかりやる。そのことによって賄っていくという私どもバランスシートも作って財源の資産やりましたけれども、大体法人税制の見直しで7兆円から8兆円所得税制の見直しで3兆円程度。それから富裕税や為替取引税など新税の創出で3兆円程度。それから歳出の見直しですね。軍事費あるいは大型開発等々で5兆円程度。併せて18兆から19兆というぐらいの恒久財源の確保の試算をやっております。ですから、恒久施策については恒久財源が必要だという風な考え方で整理をしております。

記者質問 NHKの金沢記者

NHKの金沢です。
 先ほども野党で結束してというところにかかわってくると思うんですけれども、今回出された政策についてどのように実現を目指していくかということと、政策とは別件で水際対応をめぐって政府が日本への入国者について国が確保する宿泊施設に最長で10日間とどめておいたのを、措置を三日間にしたということが20日にありましたが、そのことについての受け止めもお願いします。

志位委員長答弁
 どうやって実現を目指すかということについては、党としてはこれを掲げて大いに選挙で躍進したい。そしてその力で新しい国会で実現を目指していきたいと考えております。もちろん本当に緊急な課題はそれを待たずにどんどん実行を求めていきますけれども、党としてはそういう立場でやっていきたいと思うのですが、先ほどお話したように雇う共通の政策になっている部分があるんですよ。私どもの提言に即して言いますとね、まず第一の柱でいうと、「医療削減政策からの転換」って言いうことがね、野党共通政策の中に入ってるんです。そして「医療と公衆衛生の体制の整備」ってことも入っている。ですからそういう方向性は共有しているといえると思います。

 それから、次のですね、ここの問題とのかかわりでは、生活が困窮されている方への「特別給付金」を野党が共通して求めている課題になっていると思います。それから「介護職員保育士の賃金の引上げ」、これも野党は共通して法案も出しております。ですからかなりの程度で野党が共通して求めている内容がこの五つの柱の中にはそれぞれあるんですよ。 一番これまでハードルが高かった消費税の問題もですね、今回の野党の共通政策に「消費税減税」ということが入りました。富裕層への課税も入りました。ですから方向性は合意になってる。ですから五つの柱大体は方向性については合意になっておりますので、ですから私どもが大いに躍進してね実現目指すということと合わせて、野党連合が勝利して、そして新しい政権を作れば一挙に実現の道が拓けてくるということになろうかと思います。

 検疫の問題ですが、検疫を緩和したことは私たちは反対です。今やるべきでない。この緩和は。10日間を3日間ですね。私どもはこれをやるべきでない(と考えている)。何度同じことを繰り返すのかということを言いたいと思いますね。検疫緩和してアルファ株を入れてしまった。で、第4派を作りました。また緩和してオリンピックだということで第5波が、デルタ株を入れてしまった。ですから、緩和するたびに新しい株を入れているわけですよ。何度も失敗を繰り返している。この検疫緩和を私たちはやるべきでないと強く言いたいと思います。

記者質問 TBSの報道特集のコウグチ記者

TBSの報道特集のコウグチと申します。
 お二人にお伺いしたいんですけれども、現在自民党の総裁選に非常に注目が集まっているという現状になっていると思うんですけれども、そこに対する懸念点がもし、おありでしたら教えていただきたいのと、今回政策第二弾発表ということですが、このタイミングでの発表におけるその意義をどう考えていらっしゃるか教えていただければと思います。

志位委員長答弁

 あの、たいして懸念してないですけれども。やっぱり今の自民党の総裁選ていうのは全体見ておりましてね、新しい旗が立って自民党を変えるぞと、いう旗が立ってきているとは到底思えませんね。これは。

 例えばこれまでの政策の全部延長線上にある。原発一つ取ったって全員再稼働でしょ?憲法も改憲4項目、ちょっと色合いの違いはあってもみんな推進でしょ?ですから、基本点変わってないなと。それから前よりもですね、今度菅政権に対して一番国民の批判が集中したのはどこかと言ったらコロナ対応の失敗じゃないですか。コロナ対応失敗した。gotoキャンペーンあるいはオリンピック・パラリンピックの強行。そういう時に4人の(総裁選候補者の)方異議ありといった方はいないじゃないですか。全員これに賛成して、賛同してきたわけですよね。ですからコロナ姿勢にも共同責任を負ってる。そういう流れですから私はだれが、どなたがですね新総裁になっても変わらないと、ですからこれは野党は堂々とね、この時期にしっかり結束を固める。そして野党としての新しい旗印もしっかり示す。野党各党がそれぞれ自分たちの政策を磨いてね、それで競い合っていく。そういうことを堂々とやっていけばいいという風に思います。

 それからタイミングということですが、これは私ども総選挙近いですから次々に出していくという方針でやってまいりました。9月1日には気候危機の問題。かなりまとまったものを、始めてから半年がかりで準備したものですが出しました。

 ですから、もう総選挙近いですから次々に出していくと。パッケージでまとまったものはね、これは然るべき時期、タイミングを選んで出したいと思っております。これはもう、内政外交全般にわたる総合政策は然るべき時期に出していきたい。

田村智子政策委員長答弁

 わたくしもご質問いただきましたので。
わたくしも自民党総裁選の方はメディアが相当自民党総裁選一色になってるとはいえですね、国民の皆さんの中からも、言われてる中身、例えば「持続化給付金の再支給」とか(について)、「だったらなんで今(まで)やらなかったの?」「これまでどうしてやってこなかったの?」っていう批判の声や批判の目も今相当に強まっていると思うんですね。

 私たち野党が提案型(に続く)提案型でコロナ危機に対して対応してきた。そのことを一定自民党も盛り込まざるを得ないような状況になっているので、政治的にはまさに野党の側が押している状況ですから、あとはおっしゃる通り戦略的にも私たちも有権者の皆さんに今回もかなり希望あると言っていただいたんですけど、そういう転換の道をですね、どんどん示していくような努力を続けていきたいなという風に思っています。

記者質問 毎日新聞の田所記者

毎日新聞の田所です。

 さきほど、衆院選公約のパッケージで出すというお話の関係なんですけれども、全体まとまったパッケージとは別の今回同様の事前に出していく政策っていうのは次第3弾・第4弾ぐらいもあるご予定なのでしょうか。
結構今回全般的な内容だったので。それを1点お尋ねしたいと思います。
あともう1点、志位委員長、バイデン大統領の富裕(層)増課税と法人税増税の関係で、そっくりというお話をされてますけれども、その辺改めてお尋ねしたいと思います。

志位委員長答弁

 私どもとしてかなり大きな政策体系としては、「気候危機」と今回の「経済」と二つの大きな政策提起はこれで出したと思います。その先あるのかと、ちょっとそこは今日はまだうまい返事ができません。できればあと一つ二つ一つはぜひ出したいなと思ってるテーマがあるんですが、これはちょっとあまりできてないものを先走って言えないので、あと一つぐらいはぜひやりたいと考えてるテーマはあります。

 それから、バイデン大統領ね、バイデン大統領の「4月の議会演説」読んで、かなりびっくりしたんですよ。バイデン政権の対外政策という点では私たちも、ちろん今の政策に賛成できない点が多いわけですね。特に軍事同盟強化していくっていうのは私たちの立場とは反対ですから、これは批判であることは間違いないんですけど、国内政策はずいぶん思い切った舵の切り替えをやってきたなと思って読んだんです。特に議会演説の中で、最低賃金、これ「直ちに15ドル」って出しましたよね。だいたいうちと一緒ですよね。1500円と。それから「1%の富裕層に課税」すると、こう言って、「富裕層に課税しなかったらどこに課税するんだ?」ということまで言ってね、かなり強くそれを提起しました。

 それから「トリクルダウン」は成り立たなかったという、「トリクルダウン」への決別をはっきり宣言したと。そういう流れの中で私面白いなと思ったのは、バイデン大統領がですね、これはどういう風に具体化されていくか今後の問題で注目していきたいと思うんですけども、公約の中で、トランプ大統領によって「21%まで下げられた法人税」を「28%に戻す」っていうことを公約にしたんですよ。私たち共産党は日本共産党は、安倍政権によって「23%まで下げられた法人税」を「大企業については28%に戻す」とかねてから公約してきたんです。ですから日米で「28%で一致した」というのはなかなか面白いと思って、ときどき話してるんですが、ですからいま世界ではね、かなり「新自由主義の失敗っていうことがコロナではっきり」して、「転換求めよう」っていう動きがあちこちで起こってる。

 ただねその時、「まったくそこから学ぼうとしないのが我が日本の自公政権」だと思います。自分たちがやってきた路線への反省がない。そういうところが「コロナの真っ最中に病床をもっと削る」て法律作ったりね、「高齢者の医療費をもっと上げる」って法律作ったりしてるわけですから。まったく反省なく間違った道を進んでいる。日本は世界から見てもちょっと「異常な逆噴射ぶり」だと思います。

記者質問 共同通信の山崎記者

共同通信の山崎です。
 財源の部分でお尋ねしたいんですけども、「軍事費と大型開発の削減で5兆円捻出する」ということでこれ具体的にどういったものを削減すると考えてるのかということと、これが恒久財源になりうるのかということ、あともう一点別件で、野党共闘について長野なんかでは「共産党の候補、野党統一候補」という形になっています。山形でも共産党候補を下ろして地元での話し合いということなんですが、こういった形で事実上の一本化が進んでいますが、現場レベルで一本化が進んでいても政権の在り方っていうのは求め続けるのかということを伺いたいです。


志位委員長答弁

 まず最初のご質問ですけども、軍事費、もちろん軍事費だけで5兆円てことではありませんで、軍事費の中で大いにメスを入れようとという風に考えてるのは、トランプ大統領、前大統領言いなりにね、かなり武器の爆買い、いろんな分野でやりました。これにメスを入れる。あるいは思いやり予算。これは地位協定場払う義務もない予算ですからなくしていく。こういうことで軍事期の縮減考えております。それから大型公共開発事業については依然として無駄な事業が全国で展開されていますので、これにもメスを入れて転換していく。それから歳出の見直しではですね、じつは消費税減税しますと、それによる公的支出の縮減っていう問題もあるんです。国や地方が払う支出が減りますでしょ? ですから、その分の効果もカウントしてます。そういうもの合わせて約5兆円程度というのを計算しております。

 それから、長野のようなことが起こるのかということなんですが、私ども確かに今中央段階でまだ政党間で政権協力の在り方での合意に至っておりません。そして中央段階で選挙協力についてもまだ本格的な詰めの作業に至っておりません。これはできるだけ早くやっていきたいと思うんですが、そういう中でも地方でかなりしっかりと共闘の体制を作っていこうという風になってきている地方がいくつか出てきてる。

 こういうところではですね、先行してどんどん進めていこうということで取り組んでる県がいくつかあります。

 長野がその一つです。長野の場合はですね、1区2区3区4区5区すべて野党統一候補で一本化の合意をしました。お互いに協力して選挙に勝ってこうという風な取り決めも先日交わしたというところまで来ました。
 長野の場合は4区がわが党の「ながせ由希子」候補になっておりますが、先日わたくし長瀬さんの応援で諏訪のほうに伺ったんですけども、その時には立憲民主党から羽田参議院議員もお見えになって応援していただいた。社会民主党の県本部の代表の方もお見えになって応援していただく。市民連合のみなさんも応援していただく。まさに野党統一候補として長瀬さんが頑張るという状況は4区では作られている。

 そういう状況を踏まえて、わたくしは、諏訪の演説ではね、長野の場合は1区2区3区4区5区全部で、野党統一候補が勝って、全部で自民党に勝とうと。そのために全力を挙げるという決意表明をしたんですが、そういうところまで来ているところもね、
 県によっては、長野・ほかにも生まれてきております。ですから是非、そういう流れを地方で起こしいく努力はやれるところはやっていきたい。しかし本格的に全国的にねそういう体制を作には中央段階での合意がどうしても必要ですから、これも残りわずかになってきたんで、急ぐ必要はあるけども、中央段階での協議を一刻も早く進めていきたいというふうに思っております。

記者質問 IWJワタナベ記者

 インディペンデント・webジャーナルIWJのワタナベと申します。
3点伺いたいと思います。一つは財源の件です。今回の提言では緊急かつ臨時的というのと恒久財源とこれを峻別されておりますけれども、野党の中にはですね、MMTだとかいわゆる際限のない国債の発行に依存した経済政策いまだにそういうものが残っているようなんですけどもこういうことについてどのようなお考えがあるかについてが1点、それから、選挙に関してなんですけれども、市民連合との4党合意、これは一定の成果だと思いますけれども、市民との共闘というんでしょうか、そういう組織とのということではなくて、市民との共闘っていうのもお考えになったらいかがかと言うことが1点ですね。最後にいま政治をにぎわせております「恒大集団」中国の「恒大集団」が破綻するのではないかと、世界経済に影響を与えるのではないかという問題が起きておりますけれども、こういう経済の在り方についてご意見があれば伺いたいと思います。以上3点よろしくお願いします。

志位委員長答弁

 3点目はちょっとコメントの用意がありません。ご容赦ください。

 まず、1点目はですね、いわゆるMMTってことが言われました。MMTという世論もですね、際限のない国債っていう議論ではないと思うんですよ。一定のインフレが起こらないようなということだと思います。際限のない国債という立場ではないと思うんですが、私たちはやっぱり国債発行をかなりどんどん頼ってやってきますと、いくらインフレを抑えるといってもね、いったんインフレになっちゃいますと、じゃぁその時に増税するのかということになりますよね。

 ですからなかなか抑えが利かなくなってしまう危険があるなぁと思っておりまして、そういう財政論の立場とは私たち立場は違います。

 ただね、そういう方々とも大事なことは、富裕層や大企業に応分の負担を求めるという点では一致しているわけですよ。もちろん消費税の減税も一致している。社会保障をよくすることも一致している。ですから方向性はそういう方々とも一致してると思うんですよ。そこが大事であって、ですから山本太郎さんもね、この前の市民連合との共通政策には調印されたわけですね。そこで一致して結束していくってことが大事なんじゃないでしょうか。
 
 いろいろな議論はね経済論としていろいろとありうるわけで、それぞれの党がそれぞれの経済論を主張するってことはあると思うんですけども、やっぱり一致点はいま述べた点は一致しているわけだから、それは協力していくっていうことが大事だし、現にそういう協力が成り立ったと、この前のね、4党の中には「れいわ新選組」も入っているわけですから、これは非常に大事な点ではなかろうかと思っております。

 それから市民の皆さんとの協力の追求ってことなんですが、9月8日の共通政策っていうのは市民連合の皆さんが提唱していただいたものを4党党首が合意してそれを実行すると、そのための実行のための政権もつくるということでサインしたものですから、まさに市民の皆さんと野党が協力してああいう合意に到達したということですので、私ども政党だけじゃなくていろんな市民団体、市民運動のみなさんと幅広く連携してやってくっていうのは、この共闘の始まった時から一貫して重視してきた点ですが、この点引き続き重視してやっていきたい。そういう点では市民連合の皆さんが、本当にお骨を折りいただいてそういう共通政策を作るうえでも、共闘を前に進めるうえでもお骨折りいただいて尽力いただいていることに感謝しております。協力は強めていきたいと思っております。

記者質問 北海道新聞の田島記者

北海道新聞の田島です
 別件なんですけども、10月4日の臨時国会召集について、首班指名のための招集になるかと思うんですけども、政府与党は加藤官房長官の名前で、「野党の憲法53条に基づく要求に応えて招集するものだ」という風に説明をしているようなんですけども、こうした政府与党の姿勢に立憲民主党の安住国対委員長なんか強く反発をしているんですが、志位委員長としてはどういう風に受け止めてらっしゃるんでしょうか?

志位委員長答弁
 
 野党が求めた臨時国会というのはやはり、菅政権に対してただちに臨時国会開いてコロナ対応についてしっかりした議論やろうというのは7月ですから、それをずーっとここまでね棚上げにしてきて今度は新政権で対応するというのはあまりに筋が通らないと思います。私たちとしては直ちに臨時国会を開けということを求め続けてきた。それをずっとサボタージュしてきた。これは強く批判されなければならないと思っています。

 ただ同時にもう1点申し上げたいのは、10月4日に召集するというのであれば、当然ですね、当然代表質問は当然でありますけれども、「予算委員会をしっかりやる」。今度こそ時間をとって予算委員会をしっかりやる。そしてですね、代表質問だけではなく、一問一答で新しい首相と野党各党がしっかり議論して争点をしっかり国民の前に明らかにして、そして信を問うていくということが当然必要だとこれは強く言いたいと思います。

 ですから、所信表明と代表質問だけであとはもう解散ということではね、十分な議論ということにはなりません。そこは強く求めて生きたい点です。

記者質問 朝日新聞の横山記者

朝日新聞の横山です。
 2点ありまして、まずあの、消費減税のことなんですけども、基本的な共産党さんの立場を確認しておきたいんですけども、消費減税について将来的には廃止ということを訴えておられたと思うんですけども、この中にはそういった明記はされなかったと思います。その理由をお伺いしたいのと、 このような形で政策のテーマ、気候変動そして今回経済と打ち出されて、改めて政策テーマごとに小出しでテーマを打ち出されているねらいと、その順番というのは何か優先順位みたいなものなのか、そこらへんについてお伺いできればと思います。

志位委員長答弁

 まず、消費税については私ども、「廃止」が私たちの目標です。ですから今回はまさに当面の新経済提言として出しましたので5%と言っておりますけれども、消費税っていう税金そのものが不公平税制であって、弱い者いじめの税金であって、これは廃止するというのが私どものかねてからの一貫した方針であってこれは変わりがありません。

 今回は、そういう点では、ただすぐに廃止ってわけにはいきませんから、一定どうしても時間がかかるだろうということでそういうテーマはあえてこの中には入っていないテーマもいくつかあるんですよ。例えば「消費税の廃止」もそうですけども、「最低保障年金」これも私ども必要だということですけどもこれはどうしてもかなり財源がかかります。ですからそれも含めて考えると一定の中長期のスパンで展望しなきゃならないんでここには入っておりません。ということはありますけれども、私たちの立場は変わらないということは言っておきたいと思います。

 それから、テーマごとにというやり方ですけども、やっぱり今度の選挙、非常に大事な選挙だと思っておりまして、単に一つの総選挙というだけではなくて、やはり「自公政権を終わりにしなきゃならないという選挙」だと思ってるんですよ。つまり政権交代図って新しい政権をつくるという選挙だと、考えておりまして。

 ですからそういう選挙にふさわしくね、やはり政策もですね、これまで我々として十分に政策化、ある程度はやってきたけれども、まだとことん政策化が十分やられてなかった気候危機などの分野も思い切って挑戦して専門家の知恵も借りながら新しい政策提起いたしました。

 今回の新経済提言もですね、私どもとしてはこれまでの様々な経済政策の延長線上にちょっと付け加えたんじゃなくてね、コロナっていう体験を踏まえてかなり抜本的にさまざまな分野に踏み込みがあるっていう事は冒頭述べた通りなんですね。ですからやっぱり特にコロナを体験したというのが一つですよね。そして「政権交代の選挙だ」というのがもう一つ、いうことを考えますとね、やっぱり政策一個一個も従来の延長線上じゃなくて新しいものをね、踏み込んで出す必要があると考えて、小出しにという表現されたんですが、小出しというよりも、大きいものを大出しにして、次々に出しているという状況だという風にご理解いただけますとありがたいと思います。

最後に

みなさん、いかがでしたでしょうか。私はこの文字起こしに数日間かかりました😅
動画を視聴して文字にしていくに従い、動画を見るだけでは聞き逃している部分があまりにも多いことに気づかされる連続でした。

私はこの記者会見一つだけで、野党共闘に対する様々な人の疑問に答えることができるバイブルのようなものだと感じるぐらいでした😝
皆さんにって価値のある記事になってくれたらうれしいです。

ちなみに、今文字数を数えたら、25,385文字となっていました🤣

最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。

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