みなさん、こんにちは。
いよいよ国会が始まりました。
今回は12月9日に行われた日本共産党の志位和夫委員長による国会代表質問と岸田首相の答弁の文字起こしを行いました。
質問の内容が多岐にわたるため、どうしてもまとめて質問を行い、まとめて答弁する形になってしまいます。そうすると・・・ちゃんと質問に対する答弁を行っているのかどうか・・・・気になりませんか?
というわけで、志位委員長の質問と岸田首相の答弁を一問一答形式で文字起こししました。
文字起こしをしていて気づいたのですが、岸田首相の答弁は突っ込みどころ満載だなぁと思いました。私たちはそういう突っ込みどころを見逃してはいけないと強く思います。
ぜひ、お読みいただき、何が問われているのか、質問にちゃんと答えているのか、矛盾点はないのかについてご一緒に知っていきましょう。
志位委員長質問1
わたくしは日本共産党を代表して岸田総理に質問します。
まず、新型コロナのオミクロン株の対応について聞きます。
医療崩壊をもたらしたデルタ株への対応の失敗を厳しく反省し最悪の事態を想定して水際対策の強化、検査医療体制の強化などあらゆる手立てをとることが必要です。
2点に絞って質問します。第一は、医療機関に病床確保を求めながら病床削減を推進するという矛盾した政策を直ちに改めることです。
総理は所信表明で「公立公的病院に法律に基づく要請を行い、新型コロナの専用病床化を進める」と述べました。
そう言いながらなぜ地域医療構想の名で435の公立公的病院をリストアップして統廃合計画を進め、消費税を財源にして20万床もの急性期病床の削減を進めるのか。
説明がつかないではありませんか?
病床削減計画を中止し、病床の抜本的拡充に舵を切るべきではありませんか?答弁を求めます。(拍手)
志位委員長質問2
第二は、ワクチン接種の問題です。総理は所信表明(演説)で、3回目のワクチン接種をできる限り前倒しすると表明しました。わが党は、政府が安全性と供給の責任を果たしながら思い切った前倒しを決断することを強く求めます。同時に、富裕国と貧困国とのワクチン格差の解消に真剣に取り組む必要があります。
「誰もが安全にならない限り、誰も安全ではない」
これがデルタ株の痛切な教訓であり、オミクロン株の出現でもその重要性が示されました。
総理、途上国での十分なワクチン供給のために「ワクチンに関する知的財産権の法義務を一時免除する」という世界100か国以上が求めている提案を日本政府としても協力に支持することをはじめ、ワクチン格差解消へのイニシアチブを発揮すべきではありませんか?答弁を求めます。
志位委員長質問3
岸田政権が提出した補正予算案について二つの角度から聞きます。
第一はコロナで疲弊した暮らしと営業の苦境を救うものとは程遠いという問題です。
個人向けの現金給付案の最大の問題点は、コロナで困窮している人への支援が住民税非課税世帯に限定され、「困っている人に届かない」ことにあります。東京23区に暮らす単身世帯の場合、年収100万円以下にならないと住民税非課税になりません。政府案では年収100万円から200万円で働かされているワーキングプアと呼ばれる方々さえ現金給付の対象外になってしまいます。
総理は10月の所信表明で「コロナでお困りの方々を守るための給付金」を公約しましたが、コロナで困窮に陥っている非正規労働者を、生活に困っていない状態とみなしているのでしょうか?給付金は生活に困っている方々、コロナで収入が減った方々を広く対象にして支給すべきではありませんか?答弁を求めます。(拍手)
志位委員長質問4
事業者向けの給付金について総理は、持続化給付金、家賃支援給付金の再給付を約束してきました。補正予算案では、事業復活支援金が計上されていますが、その予算規模は2.8兆円、持続化給付金の実績、5.5兆円の半分にすぎません。
しかも、今年1月から10月の時期の売り上げ減少は対象とされていません。しかし、1月から10月といえば、そのほとんどの期間で緊急事態宣言が出され、多くの事業者が深刻な打撃を被った時期です。この時期を対象にしないのはあまりに不合理ではありませんか?コロナ関連の経営破綻は3か月連続で過去最悪を更新しています。
過剰な債務を抱える事業者も増えており、融資だけで支えるのはもはや限界です。
総理、事業復活支援金を少なくとも2倍にし、家賃支援給付金を再支給し、国民への公約を果たすべきではありませんか?答弁を求めます。(拍手)
志位委員長質問5
総理は、看護師、介護士、保育士などの賃上げを公約してきました。しかし補正予算案で具体化されたものは、あまりに不十分な内容です。
看護師の賃上げは、月4千円、しかもコロナ医療などに従事している人に限られ、全体の半分程度しか対象になりません。
総理、「月四千円で看護師が集まると思っているのか?」という現場の怒りの声にどう答えますか?
賃上げ額を大幅に引き上げ、対象を医療従事者全体に広げるべきではありませんか?
賃上げを言いながら診療報酬の引き下げを行うなど言語道断であり、引き上げこそ必要ではありませんか?
介護士・保育士などの賃上げは月九千円。総理、一桁足らないという現場の批判の声にどう答えますか?
全産業平均との格差、月7万円~8万円を埋める引き上げを行うことを目標に据えるべきではありませんか? 答弁を求めます。(拍手)
志位委員長質問6
第二は、大企業と軍事費に異常な大盤振る舞いの予算案となっているという問題です。
補正予算が経済安全保障の名で半導体製造で世界最大手の台湾企業に4,000億円もの補助金をつぎ込む前代未聞のバラマキが計上されています。
しかし本来、半導体の安定確保は電機や自動車などのユーザー企業の自己責任で行うべきものです。コロナの下でも、電気自動車大企業の内部留保は54兆円にも膨れ上がっています。そのごく一部を半導体確保のための投資に充てれば済む話ではありませんか。
国民の税金で支援するなどということは到底国民の理解を得らえるものではないと考えますがいかがですか?
志位委員長質問7
補正予算には、過去最大の軍事費7,738億円が計上されています。当初予算と合わせますと、軍事費は初めて6兆円を超えることになります。しかも今回は新規に導入する多額の正面装備費が含まれています。
しかしそもそも、補正予算案は、財政法で規定しているように大規模災害への対応など、予算作成後に生じた事由に基づき、特に重要になった経費の支出について作成するものです。今回のような軍事費の計上は緊急を要するものではなく、財政法と財政民主主義に反するものであることは明らかではありませんか?答弁を求めます。(拍手)
志位委員長質問8
大企業と軍事費への異常な大盤振る舞いをやめ、コロナで苦しむ国民の暮らしに充てるべきです。消費の喚起というなら、コロナの下でも大もうけをしている富裕層と大企業に応分の負担を求め、消費税を5%に減税するべきです。答弁を求めます。(拍手)
志位委員長質問9
英国で開催された国連気候変動枠組み条約。第26回締約国会議はグラスゴー気候合意で気温上昇を1.5度に制限するための決議を参加国の総理として確認しました。
そこで総理に聞きます。
日本政府として1.5度以下の達成に責任があるという認識ですか?そういう認識だとしたら、なぜ首相のスピーチで石炭火力の撤廃について一言も触れなかったのですか?
2030年度も電源の19%を石炭火力に頼り、9つもの石炭火力の新増設を進めることは1.5度以下と根本的に矛盾すると考えませんか?明確な答弁を求めます。
志位委員長質問10
総選挙での党首討論で「選択的夫婦別姓」に反対したのは総理ただ一人でした。総理は半年前には自民党の夫婦別姓推進議連も呼びかけ人だったのに、総理になると反対に回る。それは自民党内の一部の強い抵抗に総理は屈したということでしょうか?
しかし、自民党内でも強い抵抗はもはや少数派です。自民党衆議院議員のうち、候補者アンケートで選択的夫婦別姓に反対と回答したのは261人中73人、28%に過ぎません。自民党内のたった28%のために選択的夫婦別姓がいつまでも先送りされていいでしょうか?
総理、自民党総裁としてのイニシアチブを発揮し、いい加減に推進の方針を決めるべきではありませんか?(強い口調)
それができないというのであれば、党議拘束を外して直ちに民法改正案を採択しようではありませんか。いかがでしょうか?(拍手)
志位委員長質問11
沖縄県の玉城デニー知事は、政府が申請していた辺野古新基地建設の設計変更を不承認とする決定を行いました。日本共産党は知事の決定を断固支持するものであります。
知事が不承認の決定を行った理由の一つは、軟弱地盤対策で必要な調査すら行われていないということでした。
軟弱地盤はB27と呼ばれる地点で、最深部が海面下90mに達します。設計変更でこの場所は海面下70mまで地盤改良するとされ、残りの20mは地盤改良がされません。防衛省は77m以下の地盤は固いと主張していますが、B27地点では地盤の強度を図る調査は行われていません。その地盤のデータは150mから750mも離れた3つの地点のデータを使った推定値でしかありません。
そこで総理に伺います。なぜ、軟弱地盤の最深部での調査を拒むのですか?調査をすれば新基地は造れなくなるからとしか説明がつかないではありませんか。(これについては回答なしでした)
沖縄県民の総意を受け止め、破綻した新基地建設は中止し、世界一危険な普天間基地の無条件撤去を求めて米国と交渉すべきです。明確な答弁を求めます。(拍手)
志位委員長質問12
この間、ドイツで新政権を担う3党が発表した連立政権合意で、ドイツが核兵器禁止条約の第一回締約国会議にオブザーバー参加することが決められました。
NATO加盟国からのオブザーバー参加表明はノルウェーに続いて、ドイツが2か国目になります。
そこで総理に伺います。同じ米国の核の傘の下にありながら、ドイツやノルウェーが参加できて、日本が参加できない。理由を説明してください。
わが党は核兵器禁止条約への参加を強く求めますが、唯一の戦争被爆国の政府として、まずは、締約国会議にオブザーバーで参加し、核兵器廃絶を実現するための話し合いの場に加わるべきではありませんか?答弁を求めます(拍手)
志位委員長質問13
最後に、総理が「所信表明で敵基地能力の検討を進める」と表明したことは極めて重大です。
総理に端的に伺います。
平成から、「他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは憲法の趣旨とするところではない。」すなわち、敵基地攻撃能力の保有は憲法違反、これが歴代政権の憲法解釈であります。
この憲法解釈を変更することを検討の対象にするおつもりですか?
しかとお答えいただきたい。
海外で戦争する国づくりへの暴走を消して許してはなりません。安保法制に続く立憲主義の破壊、9条改憲をはじめとする自民党会見4項目に断固として反対を貫くことを表明して質問を終わります。(拍手)
最後に
いかがでしたか? こうやって並べてみると、いろんなことが見えてきますよね。
文字起こししてみて、やっぱり私たちが国会を見ること、監視することが何よりも大事だなぁと再認識しました。
みなさんもぜひ国会に注目して、何を議論しているのか知ってくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
追伸:さすがに一万文字超えました(笑)