最適な紅茶は「ひしわ」ではない

2023年7月1日 16:45

コンブチャ作りには「ひしわ」一択か

これまでのコンブチャレッスン・ワークショップでは基本的に「ひしわ」という紅茶がおすすめされてきたようです。ひしわの紅茶を提供している株式会社菱和園のホームページを確認すると、ひしわの紅茶についての説明として「CTC製法」「ストレートでもミルクティーとしても抜群」と書かれています。

CTC製法とミルクティー

日本では緑茶・麦茶・烏龍茶・抹茶などの方が馴染みがある文化であることは否めない事実です。従って、紅茶に詳しい方ならピンと来るかもしれませんが、そうでない方はCTC製法と言っても何のことか想像も付かないことでしょう。
CTC製法は、茶葉をCrush（押しつぶす）、Tear（引き裂く）、Curl（丸めて粒にする）の作業を経て作られる紅茶のことで、その茶葉は見た目がごま粒のようになり、茶の木の葉がそのまま乾燥して縮こまったというような形相とは異なります。
このCTC製法の特徴として、文字通り茶葉を押したり引き裂いたり丸めたりして茶葉に負荷（ストレス）をかけることによって茶葉の渋みが抽出されやすい・濃く抽出されることが挙げられます。これは、チャイを作る時にはとても大切な要素となります。言い換えると、たっぷりのミルクと砂糖を入れて飲んでも、その渋みと濃さが負けずに絶妙なハーモニーを生み出すのです。

コンブチャとCTC製法

ひしわは無農薬で育てられたとされ、恐らくその点がコンブチャを育てる方の需要とマッチしているのでしょう。日本国内では、まだまだ無農薬の紅茶の選択肢が少ない為にどうしても「ひしわ」一択になってしまう、これが実は大変残念なことだと結論付けざるを得ません。
何故なら、コンブチャは発酵の過程で酸味が発生し、それはミルクティーというよりレモンティーに近い要素なのです。茶葉の特性としては繊細な方が相性が良い為、CTC製法の茶葉とは真逆の特徴を持った紅茶の方が相性が良いとも言えます。実際に、私がこれまでレッスンを行ってきた後受講生の多くはひしわを使用してコンブチャを作っていたものの、よくよく聞いてみると実は美味しくないと感じておられたようです。しかしそれは理にかなっていたことなのです。

コンブチャ作りに適した紅茶葉とは

最も簡単な最適解は、アールグレイの紅茶を使用することです。アールグレイの紅茶はベルガモットという柑橘で香りがついており、コンブチャが発酵した時の酸味とマッチしてワンステップ上のハーモニーを奏でます。オーガニックのものをお探しの方はオーガニック製品を取り扱うショップを探しても良いですが、iHerbには沢山のオーガニック認証の紅茶があります。
もちろん、アールグレイではなく、オーソドックスなブラックティーでも構いません。ただ、茶葉を選ぶ時に商品紹介で「CTC製法」且つ「ミルクティー向き」とあるものはおすすめしないということです。

私が大切にしていること

高活性コンブチャのレッスンでは、コンブチャを高活性にする（元気な菌を増やす）理論をお伝えしています。ただ、微生物も生き物なので育て方次第で、その時その時の対応が微妙に変わったりします。そういったある程度の幅を持たせたご説明をしていますが、もちろんその時には理解し難いと思いますので永久的サポート体制を設けているのです。
そして、同じく幅を持たせているのは、茶葉です。私は必ず◯◯を使用して下さいとは言いません。「茶葉はカフェインありのお好みのもを使用して下さい♬」としかお伝えしません。パッケージでもインスピレーションでも良いので、ご自身で判断することを促しています。もし最初に選んだ茶葉がイマイチだなと思ったら、新しく買う時にはまた別の茶葉を選べば良いのです。そうして自分のお気に入り・ベストを探していくことが美味なコンブチャへと繋がります。

もし、最初は私が使用しているのと同じもから始めたい！と思う方がいらっしゃれば、私のお気に入りを紹介致します。でもそれが絶対的唯一の正解ではありません。良きタイミングでご自身でも茶葉の探検に出かけてみて下さい^^