石丸さんと古市さんのTV特番を見て思ったこと
みなさんこんにちは、すぎっちです。暑いし雨降りが続くので、エアコンの効いた部屋でYoutube見て過ごしてます。今回は思ったことを適当に書いてみた(大した情報は無い)ので、お時間ある人だけどうぞ。
東京都知事選挙が終わったが、選挙後の特番で石丸氏と古市氏とのバトルがネットで話題になっていた。石丸氏を否定する人は「高圧的で薄っぺらい」「石丸論法で誠実さが見られない」といった意見が多い。一方で、肯定する人は「古市氏の質問が悪い」といった意見が見られる。まあ、意見が二極化していることは確かだ。
私はこの二人のことを特に好きでも嫌いでもなく、どちらが正しいとも思わない。(そもそも、「正しい」なんて立ち位置で変わるし、10年経てば評価も変わるものだ。)
私は石丸さんという人を、安芸高田市長時代のYouTubeで知っただけで、よく知らない。しかし、古市氏とのテレビ特番の全編を見て感じたことを書いてみる。あくまで個人の見解として読み捨ててもらえればOKだ。
一言で言えば、これはボタンの掛け違いだと思う。というか、あえて石丸氏がはぐらかしているのだと思った。
まずはTVについて前置きから書く。そもそもTVは、日本において家族団らんの中心にあり、家族の娯楽として昭和に確立された文化だ。TV番組は「フォーマット」化されていて、何の番組かが分かりやすいようになっている。例えば「水曜のダウンタウン」であれば、円形卓を囲むゲストのところに芸人が登場して説を発表し、その説の実証ビデオを全員で見るというフォーマットだ。
今回の選挙特番もフォーマット化されている。前回の選挙特番と出馬した人が異なるだけで、TV番組制作としてはフォーマットに則ってもらわないと困るのだ。それがTVの世界なのだ。だから「関係者、スタッフの皆様のお力添えで、なんとか当選できました。ありがとうございます。」とか、「当選できなかったのは、ひとえに私の力不足だと痛感しております。」といった、決まった時間内にちょうど収まる昭和の政治家っぽい言葉を番組側は期待しているのだ。
「見ている人は昭和の大衆」を前提にしたフォーマットでの番組制作方法が引き継がれているので、総論の大きな粒度の話が出演者には求められている。なぜなら、出演者は2期以上の昭和の政治家が前提だから、各論の個別の政策の話は「その政策で恩恵を受ける人」と「政策で損をする人」が出てきてしまう。だから「損をする立場の意見を強く出されると今後に支障があるから、総論でごまかす」のが昭和の政治家のTV発言のデフォルトだったのだ。だから質問する側は、昭和の政治家の回答の粒度に合わせた総論の粒度で質問をする。そうしなければ、「下手な質問しやがって」と、後々TV局が政治的な圧力を受けてしまっていたのだ。
進次郎構文もそうだが、何かを言っているようで何も言っていない政治家発言(政治屋発言)は「政策で損をする人」に言質を取られない手法なのだ。
石丸氏はおそらくそれを理解した上で、「絶対に政治屋的発言はしない。したくない。」という強い思いがあったように見える。その強い信念がマウントを取りに行き、高圧的言動になったのだと思う。良く言えば青くて真面目。老獪な手法は取りたくないのだろう。だからあえて、「説明済」「前提がおかしい」などと論理戦にこだわり、TV制作側の「想定内回答」から外したのだと思う。
「それで政治家が務まるのか?都民の声を聴けるのか?人間的資質が低い」というのはそうかもしれない。しかし、私はそれでもいいと思っている。仮に人間的資質が低い人でも、東京都をうまく導いてくれれば良いのだ。多様性の時代にあれが駄目、これが駄目と難癖をつけたら誰も選べない。「だから小池を選ぶしかない」を何回繰り返せば気が済むのだろう?「2期8年の実績を評価ください」を論点にした小池氏。「これまで8年それなりに問題なかったんだから、今後の4年も私でいいでしょ?」で勝つのだから、東京都民の問題意識の低さにはあきれてしまう。いかん、話が逸れた。
問題は石丸氏だけにあるわけではない。既存の番組制作というものは、「問題の上っ面を放送にのせるだけで、各論、詳細を番組化することは難しい」そういう媒体なのだ。そうしてしまった原因のひとつには、我々国民が過去に政治のTV番組に興味を示さなかった(視聴率が取れなかった)こともあるだろうし、政治特番ではアナウンサーの古舘氏などが政治家に切り込んだ質問をしても、はぐらかされる回答ばかりで肝心な意見は聞けなくて中身の無い番組になってしまったり、これまでいろいろな経緯があって。それで今に至っていることはもう仕方ない。そうしてしまったのは昭和世代の我々の責任なのだ。
現状に対する危機感を正しく持ってほしい。問題があるのならば、それを正しく捉えて、対策に1年で済むのか、10年かかるのか、100年問題なのか、日程感を共有して判断してほしい。そうしないと、ゆでガエルになるよ。(気づいたときはもう動けない体になってしまっているよ)そういった前向きな議論のきっかけになるのであれば、バトルだって何でも良いと思う。今のTV番組にはその程度(きっかけ)しか期待できないのだから。
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