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まずは、私がなぜこの本を読んだかという事から書きますと、Zカレッジ(今運営に参加させていただいている)という団体のイベントに行って、この本の著者である石山アンジュさんの講演を聞いたことがきっかけで、「とにかく新しい!面白い!凄い!(講演の内容が)本読みたい!」と思ったので読みました。かつ、この本を読んだ事で過去あった事の振り返りになったので、その感情を言語化して残したいと思ったのでnoteに書いている所存です。


さっそくですが、私の身の上話を最初にします。私は福島県出身です。ド田舎で生活し、かつ東日本大震災を経験しました。過去を振り返ってみて思う事は「人との繋がりによって窮地を脱出できた」とうことです。例をあげると、まず日常生活では、近所の人から夜ご飯のオカズのお裾分けや、野菜、機械、燃料、愛情など沢山の優しさを頂きました。また、小学生の頃、帰り道に通るおばちゃんの家に行くと、必ず飴が貰えたので毎日通ったなーとか、散歩している老夫婦と話ながら帰って仲良くなったなー、犬に襲われて困っていると近所のお兄ちゃんが助けてくれたなーとか、今思うと、とても温かい人々に囲まれた日々だったなと思いました。
もう一つ震災を例にあげると、あの時の被災地はもの凄く物資不足でした。どこのお店に行っても何もなく、本当に困りました。しかし、ある自営業のお店に行ったところ、どこの誰かも知らない私に「大変なときはお互い様だよ。頑張ろうね。」と言ってお店の商品を売ってくれました。さらにおまけで、大きなミカンを袋一杯にくれました。本当にありがたかったです。近所で水が足りない時も「あそこに給水場あるよ!」と近所の人皆で教えあい、どうすることも出来ない辛い一週間をやり過ごすことができました。また、近所に仮設住宅が建設され多くの人が避難してきました。当日小学生の私は、仮設住宅に住む友人の家に遊びに行ったり、授業の一貫で仮設住宅に住む老人と遊んだりしました。そこで感じた事は、「皆、人が好きで居場所がほしいんだな」ということです。仮設住宅という密閉された場所で、隣に誰が住んでるのかも分からない状態(今の東京みたい)でも、やはり人は 安心できる居場所を探している と感じました。震災を経て痛感した事は、人との繋がりで、人は生きるも死ぬも出来るのだという事、1人では生きられないという事です。


余談ですが、地震後の帰り道、波打ったままの道路を歩いて帰ったことや、夜に電気も水道も何も無い状態で、蝋燭の明かりだけでラジオを聞きながら食べた すいとん とあの風景は一生忘れないと思います。


本題ですが、私がこの本を読んで考えた事、感じた事は「シェアって素敵だな」「私も知らずの内にシェアしてたんだ」という事です。凄く陳腐な言葉のように聞こえると思いますが、石山さんが本でも言ってた通り、シェアは日本人の先天的な気質だと思います。共同体意識の強い日本人だからこそ、シェアは無くてはならないものだと思います。しかし、私が東京に来て感じた事は、「人に優しくないな」ということです。皆が自分の事に精一杯で疲れていて、周りの人と自分を 別の生物のように扱っているな とも思いました。私も3ヶ月東京で生活してきて、段々そうなっていきそうだと危機感を覚えたりもしました。皆自分の居場所を探して、コミュニティやサークル、学校、恋人、友達などと沢山の肩書きのなかに自分を押し込み安心したふりをして、真相心理では誰も信頼していない、信頼しているふりをしてる、私にはそう見えました。そんなの本当の居場所じゃないし、幸せじゃないと思います。なので、石山さんの言うシェアリングエコノミーが、もっと良い意味で普遍化すれば 人間的な安心、幸福を皆が享受出来ると強く思いました。



自分の価値が可視化されやすい今の世の中で、 自分は無価値だ とずっと思ってきました。高校生の時は社会問題を議論しては、最終的に「政府がやらないのが悪いんだ!」と全て押し付けて、自分から何も行動していませんでした。しかし、大学生になって行動だけはめちゃくちゃ出来るようになったのですが、何者でもない自分と、凄い人達とを比べて毎日悶々としていました。ただ、行動する中で沢山の人と出会い、話を聞き、聞いてもらい楽になれました。 話をする中で、私が知らなかった私の良さや、悪い所を教えて頂ける事が多くなり、知らなかった自分の価値を見いだせる事が出来ました。時間をシェアしたことで「価値を現す」行為がなされているのだと体感しました。色々なものをシェアする事で自分が背負っている物(背負うべき物を除いた物)を軽くできる、かつ、相手を少しでも支えられているという感覚を肌で感じとれるようになれば、それは本当の意味での 信頼 なのではないのかなと思います。

長くなった上に身の上話ばかりですが、ふと感じたことを書き出しました。

ありがとうございました。