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FTX破綻で米SECがキャロライン・エリソン氏とゲイリー・ワン氏を起訴!詐欺の全貌が明らかに

2022年12月21日、米国証券取引委員会(SEC)は、FTX創設者サム・バンクマン=フリード(Sam Bankman-Fried、通称SBF)氏のパートナーであるアラメダ・リサーチ(Alameda Research)元CEOキャロライン・エリソン(Caroline Ellison)氏とFTX共同設立者で元CTOゲイリー・ワン(Gary Wang)氏を詐欺容疑で起訴した。
 
SECの起訴状によると、二人は以下の4つを認めた。
①SBF氏は、二人の支援により、FTXとアラメダ・リサーチを中心としたネットワークを構築した。
②二人はアラメダ・リサーチを利用して不正行為を行った。
③二人はFTXのリスク管理が不十分であることを知っていた。これはSBF氏の「成熟した保守的な会社」という主張とは全くの逆である。
④FTXとアラメダ・リサーチが財務難であるにも関わらず、SBF氏とエリソン氏は2022年夏、FTXの顧客資産を不正流用した。不正流用した資産は窮地に陥った暗号通貨関連企業の救済などにも利用され、投資家に誤解を与えた。
 
起訴状ではさらに、SBF氏と二人が如何にして投資家を騙したを明らかにした。
 

SBF氏は少なくとも2019年5月からこの大規模な投資詐欺の計画を始めた。FTXはSBF氏とワン氏が共同で設立し、米国の投資家などから18億ドル以上の資金を調達した。投資家はFTXが内部統制とリスク管理が取れた企業であると信じ、FTXの株式を購入した。その後、SBF氏は自社と自分の利益のために、顧客資金を流用した。二人はこの計画に関与し、投資詐欺計画を成功させるための重要な役割を担った。
 

SBF氏は暗号通貨界のリーダーを演じてきた。彼は規制と監視の重要性を提唱し、「FTXは革新的で責任のある企業」というメッセージを投資家に送り続けた。こうして、世界中の投資家から数十億ドルの資金を集めた。これら資金はアラメダ・リサーチの取引に使い、さらには、非公開のベンチャー投資、高級不動産、政治献金にも使った。
 

SBF氏は、「FTXは一流で複雑な自動化されたリスク管理で顧客資産を保護するため、安全である。アラメダ・リサーチは別のプラットフォームに過ぎず、特別な権限はない」と投資家に説明してきたが、実際には無制限の信用枠など、アラメダ・リサーチに特別な権限を与えていた。
 

エリソン氏はSBF氏の指示で、様々な取引プラットフォームでFTXトークン(FTT)を購入し、FTTの価格を上昇させ、アラメダ・リサーチが保有する担保 (FTT) の価値を膨らませた。これにより、アラメダ・リサーチは外部の貸し手から更に多くの融資を受けられるようになり、貸し手、FTX投資家、顧客へのリスクを高めた。
 

2022年5月、暗号通貨が急落した時、アラメダ・リサーチの貸し手は数十億ドルの返済を求めた。アラメダ・リサーチはFTXの顧客資産を数十億ドルを流用して返済に充てたが、完済できなかった。アラメダ・リサーチと融資先との関係を壊さないよう、SBF氏はFTXに更に数十億ドルの顧客資産をアラメダ・リサーチに送金するよう指示し、FTXの顧客資産でアラメダ・リサーチの債務を完済した。
 

SBF氏と二人はアラメダ・リサーチとFTXが顧客の資金を返金できないことが明らかであったにも関わらず、FTXの顧客資金を流用し続けた。
 
SBF氏は米国に身柄を引き渡された後、2億5千万ドルで保釈が認められた。次の出廷は2023年1月5日である。退廷後、SBF氏は電子監視ブレスレットを着用し、カリフォルニア州の実家で自宅勾留される。米国連邦検察当局によると、この保釈金は米国で公判前の保釈金としては過去最高額である。
 
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