お隣さんのその後

風呂場の前で亡くなっていたお隣のおじいさん。あれから毎日、横浜に住んでいる弟さん夫婦がやって来て、家の中を片付けている。ゴミ袋は1回につき5個までしか出してはいけないという市の決まりなので、わが家の前にもどうぞ置いてくださいと伝えている。ゴミ出しのルールは自治体によって全く異なるから、大変だ。弟さんも、ご近所の親切な人たちもみんな高齢者、唯一お向かいさんだけが頼りの綱だ。
外の物置の中の整理を頼まれたというお向かいのパパがやって来て、中には山ほどの工具が入っていて、その出し方がよくわからないと言う。例えば蛍光灯。古いのも新しいのも、何本も出てきた。今時、若い人は細長い蛍光灯など見たことがないらしい。これは有害ごみの日、周りの金物は不燃ごみ、ただし大袋からはみ出す大きさなら粗大ごみとして役所に連絡するなどと、正しい出し方はややこしい。
持ち家を最終的にどうするかは知らないが、リフォームして数年ほどなのでつぶしてしまうのはもったいないだろう。でも中古物件として売るのは難しいし、貸すしかないだろうなどと、周りの人は無責任に話すが、わが家としては他人ごとではない。この家に住む予定がないのに、全面的に息子に託すのはかわいそう。私が元気なうちに、もっと本格的に息子たちと話しあっておこうと思った。
主を失った家の中のあらゆる物の始末、最終的には業者に頼むにしても、まずは総点検して仕分けをしないといけない。「毎日来ます」と弟さん夫婦は、顔を合わせるたびに何度も頭を下げた。

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