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広告漫画シナリオ評論会レポート


先日フーモアの漫画事業部内で、制作ディレクター全員が架空の商材をテーマにシナリオを持ち寄り、誰のシナリオかわからない状態で意見を出し合う「シナリオ評論会」という勉強会を行いました。 2年ほど前にも同じ形式で実施しましたが、新人ディレクターも増えたこともあり、改めて各ディレクターがどのようなことに気を付けてシナリオを起こしているのか確認しつつ、全体のシナリオ力の底上げを狙い実施に至りましたので、今回はその「シナリオ評論会」についてレポートしていきます!

匿名なので先輩後輩関係なく、感じたことをそのままコメントしました

シナリオ評論会とは?

ファシリテーターとなる人に架空商材とヒアリングシートを用意してもらい、ディレクターはそれを見ながら指定のページ数でシナリオを作成します。今回は下記の広告漫画のシナリオを2ページで作ることになりました

~商材に関する情報~

  • 訴求商材:クラウド型会計ソフトの確定申告サービスのPR

  • ターゲット:20~30代の個人事業主

  • ペルソナ:確定申告は税理士に頼まず、自分で申告したいが仕事が忙しくて時間がない

  • ポイント:このソフトを使えば税務知識がなくても一人で簡単に確定申告ができる

比較的一般的な会計ソフトですが、訴求したい内容は確定申告(青色)に関する部分のようでした。各ディレクターはどんな設定で訴求点を表現してくれるでしょうか…!

シナリオの一部をご紹介

事前に提出されたシナリオはファシリテーターが取りまとめて匿名の状態で共有し、当日は良い点や改善点などをディレクター全員で挙げていきます。匿名にしている理由は、経歴や社歴などでフィードバックに影響が出ないようにするためです。

とはいえ、ディレクターごとのシナリオのクセ・特性は部内でもなんとなくわかってしまうところもあり、できるだけ自分の特性を消してくる傾向にありますが、今回は特に皆が特殊な設定やストーリーに挑戦したシナリオが多くみられました!
せっかくなので個性的なシナリオを一部ご紹介します。

シナリオA「夏侯惇(三国志)×ネイリスト」

2P以降のシナリオ

1コマ
カコウぴょん「だから、あたし、ブルー系(※)で頑張ろうと思ってるんだよね」※青色申告のこと
かずえ「そうだ!それなら私が使ってたいいソフトがあるのよ!!」

2コマ目
かずえ「これだよ!」
キャッチ:まるっと確定申告の超簡単確定申告!
■税金知識がなくても〇×で回答するだけで
 申告書が作成可能!
■スマホでも領収書処理ができるので
 隙間時間を有効活用できる(クラウド型)
■年間23,760円/年で利用可能!
 ※税理士に頼むとだいたい10~15万円
描写:かずえの背景にまるっと確定申告のイラスト
キャッチと訴求要素を並べる

3コマ目
カコウぴょん「スマホと連動してるのやばー!しかも超分かりやす~!」
かずえ「ね!! ちょ・・・超使いやすいでしょ?」
描写:カコウぴょんスマホを触っている
カコウぴょんの隣ではしゃいでいるかずえ

カコウぴょんというギャルネイリストが常連の年配経営者からカクテーシンコクのための会計ソフトを教えてもらうというストーリーです。冒頭タイトルに「第一話」と記載があることから、連載漫画になるようですね…?

シナリオAー各ディレクターのコメント

「コマ数を抑え、訴求点を1コマにまとめていて斬新。ストーリーのクセが強すぎてクライアントは選ぶかもしれない…」

「連載を想定しているようなのでコマが少ないのは問題ない。読みやすくて◎」

「設定やストーリーはとても面白い。 訴求点が1コマに詰まっている部分は読みづらくなってしまうかも」

「幅広い世代に読んでもらえそうなストーリー
ただ、自分が三国志をよく知らないのでキャラの良さがわからない」

「シナリオのベースがしっかりしているので訴求点が1箇所でも問題なさそう」

シナリオB「桃太郎」

2P以降のシナリオ

1コマ目
雉「税金の知識がなくても○×で回答するだけで申告書が作れてこのまま申告できるんです」
描写:実際の回答画面を見せながら説明

2コマ目
おじいさん「こりゃ最高じゃな」
おばあさん「でもおじいさん うちにはパソコンなんてありませんよ」

3コマ目
雉「安心してくださいスマホからでもすべての会計処理ができるんです!」

4コマ目
桃太郎「帳簿画面も見やすいし スマホならすきま時間に処理できますね!」
雉「そう! しかも費用もこんなにお得!」
描写:23,760円/年の文字を背景に

5コマ目
青色申告は「まるっと確定申告」にお任せ!
描写:財宝の山にもたれながら、雉はノートPCで、爺はスマホで確定申告している絵をバックにナレーション
桃太郎の登場キャラ全部出す

個人事業主の設定を桃太郎の舞台に落とし込んだシナリオです。鬼ヶ島から持ち帰った金銀財宝はちゃんと税務署に届けないといけないですよね…。

シナリオBー各ディレクターのコメント

「セリフが短く、読みやすくてわかりやすい。桃太郎に落とし込んだアイデアも良い」

「訴求点ベースで考えると物足りないが、LPなどに掲載して商材の細かい部分をそちらでフォローしてあげられれば十分な内容になっている」

「会話の掛け合いがおもしろいし、キャラが立っていてわかりやすい」

「誰もが知っている桃太郎は読者がイメージしやすいし、現代風にアレンジされていて誰でも読める」

「セリフと桃太郎の世界観がリンクしていて面白い。値段の安さをアピールする場合は比較対象を併記してあげたい」

シナリオC「ヒーローもの」

2P以降のシナリオ
1コマ
ユウト「じゃあ、ちゃちゃっと書類作って税務署に出しに行くだけで済んじゃうのか」
アカリ「実は電子申告に対応してるから、会計処理はソフト内で完結出来ちゃうの」
描写:ぱぁっと顔を明るくするユウト アカリと向かい合っている
描写:二人の間に何やらぼんやりと黒い影(怪人)

2コマ
怪人「それは今すぐ始めr」
描写:傷だらけだがヘラヘラしている コマ端からユウトとアカリのダブルキックが迫っている

3コマ
怪人「グハァァ!!」
描写:2人ダブルキックを受けた 迫力がすごい 2人はコマを飛び出して描写

4コマ
描写:ユウトがスマホで領収書をスキャンしているイラスト
ユウトとアカリが怪人と戦っている様子のイラスト
ユウト→スマホで会計処理
モブ→手作業で帳簿を作っている様子のイラスト

5コマ
ユウト「ふぅ…会計処理が楽になって戦闘に集中できるようになったよ」
アカリ「まるっと確定申告さまさまね!」
描写:テロップ:数か月後
描写:汗を拭っている 背後に怪人が山積みになっている
描写:ユウトにタオルを手渡す

ヒーローが個人事業主の世界線…ヒーロー協会とかがあるのかもしれません…。ヒーロー同士で確定申告の情報交換をしているようです。

シナリオBー各ディレクターのコメント

「セリフ量が少なく、描写で場面を伝えていて◎」
「個人事業主は職種が幅広いため特定のフリーランスを立てない方がいい
なのでヒーロー設定は◎」

「キャラデザもしっかり作られていてわかりやすい。楽しんで読める」

「描写で伝える要素が多いので表現するのが難しそう。説明がもう少し必要かも。設定は面白いので作家さんが上手く表現してくれたら面白くなる」

「ヒーローものの広告漫画は基本的に課題を怪人化させて訴求商材がそれを退治する設定が多いので、別のアプローチだったのは斬新だが踏襲していた方が内容が圧縮できて見やすくなりそう」

シナリオ評論会まとめ

いかがでしたか?
もっともっとご紹介したいシナリオはあるんですが、今回はこの辺で!最後に参加したディレクターの感想をご紹介します!

「同じテーマでもこれだけオリジナリティ溢れるシナリオが生み出すことができる。クライアントの要望によってシナリオの傾向は変わってくるが、ディレクターが「このシナリオが正解である」と自信をもって伝えることでクライアントに安心感を与えることができる」

「楽しかったので半期に1回のペースでやりたい」

「インプットの時期なのでとても勉強になる。先輩方のシナリオをたくさん見られて良かった。自分が思いつかないシナリオが読めて楽しかったし、自分の強みをもっと伸ばしていきたいと思った」

「まだ実際のクライアントにシナリオを提出したことがないので、先輩方と一緒にシナリオを提出するのは緊張した。ありがたいフィードバックもたくさんもらい今後の自信につながった」

「クライアントに出さないシナリオだからこそ色々と挑戦することができた。他のディレクターの作品は、漫画として完成したものしか見たことがなかったので、シナリオの形で確認できたのが良かった。指示書の書き方や作家への配慮の仕方などシナリオ以外の部分でも勉強できた」

「他のディレクターがどんなシナリオを出すのかわからなかったので真面目なシナリオを書いたが、次は読み物として楽しめるシナリオに挑戦したい」

シナリオの作り方や指示書の書き方など、ディレクター同士でもなかなかノウハウを共有できない(しにくい)部分はあります。今回シナリオ評論会を開催したことで良い点、改善点を共有することができたので、フーモアの広告漫画のシナリオはより一層パワーアップしそうです!

シナリオ評論会は今後も開催していくので、次のレポートも楽しみにしていてください!

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