フラー 095




技術化を目的とするわたしの哲学の帰結として、わたしは機能や構造についての広汎で豊富な経験と実例をもつに至った。わたしは一九二〇年代の米国をリードする技術者たちから教えを受けた技術者であり、また、物理学一般に通じ、化学の世界も理解しており、数学の分野では探検家である。わたしには自分の哲学的思考の数々を物質的な発明に翻訳する能力があった。以前は、このかけはなれたふたつの世界のあいだをつなぐものは何もなかった。人々は、その欠落を何らかの装置によって埋めることが可能だなど考えもしなかった。その欠落を埋めるには、社会的な手続きを修正することによってのみ可能であると考えられていたのである。しかし、わたしは人々の思いもよらない装置や建物をつぎつぎと考えだした。

バックミンスターフラー『バックミンスター・フラーの宇宙学校』、訳金坂留美子、1987年、株式会社めるくまーる、24ページより引用

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