正直

正直な人間でありたいと思う。
「今度ご飯に行きましょう。」を社交辞令ではなく本気で言えるような。

私はひねくれているようで、どこか素直らしい。
社交辞令を本気に取ってしまうことが多々あった。
でも本気で言ってくれている人もいて、その差が全くわからない。
社交辞令だった方を誘って軽くあしらわれてがっくりしたりしたこともある。
だからというわけではないが、私は正直に誘いたい人にだけ、本気の「今度ご飯に行きましょう。」を言うことにしている。
相手がどう思おうと、私は本気だ。

正直でありたいと思ったのはいつのことか。
18歳くらいの頃、「感受性の豊かな大人になろう」と心に誓ったのを思い出す。
感受性豊か=素直=正直。
そんなふうに考えていたのかもしれない。
そして今の私はなんとなくができない。
自分に正直であるが故か、なんでも本当にいいと思わないと生活に取り入れることができない。
面倒くさい性格になってしまったが、それはそれで満足している。
本当に好きなものに囲まれた暮らしは、ささやかながらとても楽しく安らぐ。

「正直者は損をする」とか言われるけど、そんなの卑怯者の言葉だと思う。
正直に生きている素敵な人を私は何人も知っている。
一旦損してるように見えて、結果として損していない。そう感じる。
世の中には信用していい言葉と信用してはいけない言葉がある。
これはその一例な気がする。

優しい嘘というのもあるけど…
私はそういう気の利いたことはできない。
真っ正直に生きていくしかないのだな、とこの文章を書きながら思った。

2021.9.21 SHORTNOTEより転載

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