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読書記録 opus-今敏

Twitterにこの漫画の名前を見た。今氏の作品は代表三部作(パプリカ、千年女優、東京ゴッドファーザー)とパーフェクトブルーは鑑賞済みでアシスタントをしていたというAKIRAは全巻読了しているようなところである。私は好きなアーティストの平沢進の映画音楽から彼の監督キャリアと作品について知っていたがなかなかこの作品に触れるタイミングがなかったので合った。復刊ドットコムから販売されているという情報を目にし、本をAmazonで購入し先日届いた。
¥3500➕税
 まず私はこの作品のストーリーについて全くの予備知識を有していなかった。そのためこの本を読み始めて、読み進めるうちにストーリーの生む違和感を感じたが、それが何なのか気づけず、思わず表紙の作者と裏表紙を確認してしまった。きっとこの本を初めて読む人は皆同じようにこのような行動をしてしまうのではないかと思う。本を開いてまだ数分というのに、二次元上で繰り広げられる構成力を纏う彼の表現に圧倒され、己の脳内の白黒の世界が開化されるのが分かった。(私の漫画読書歴が少ないからこのようなショックが大きかったのかも知れないが) 
アニメ映画作品では少なからず見られる傾向にある表現があったよう。例えばシリーズ最新作のシン・エヴァンゲリオンのクライマックス、作品と私たち観客の世界の境界が曖昧にされるような表現が思い出されると思う。作画絵コンテの製作陣とキャラクター、広島の地とキャラクターの境界はあやふやで、opusと同じように曖昧になるほど緊迫感を増していたのでクライマックスだと感じていたのではないかと思う。
ぜひ今監督作品の好きな方やそうでない方にも広く読書体験をしてもらいたい所存である。

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