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YouTube参考資料)ベトナム語基礎講座⑩  今日から使える否定文と疑問文 yes/noでは答えない!? 

 フーおじさんのベトナム語基礎講座をご視聴いただき、ありがとうございます。YouTubeを始めてからもうすぐ1ヶ月。なんとか10回目を迎えることができました。本業の仕事が終わった後、夜に動画やnoteの資料作りをしているのですが、こんなに大変な作業とは思いませんでした。プロのYouTuberの皆さんは本当にすごいんだなぁと思う日々です。
 さて今回は第8回に続いて文法を解説します。第8回ではベトナム語で重要な3つの動詞であるlà(英語のbe動詞) , ở(ある、存在する、住む) , có(元々はhaveの意味で、転じて「ある、いる」)を説明しましたが、混乱しないように肯定文だけしか紹介しませんでした。今回はどうすれば否定文、疑問文になるかを説明します。ベトナム語作文や会話の幅がグッと広がりますので、ベトナム語が上達したな、と実感できるようになると思います。


否定文は動詞の前にkhôngを付けるだけ

 まず否定文です。ベトナム語の文法は英語とほぼ同じであるということは過去に何度も説明してきました。否定文でもそれは同じで、動詞の前に否定の副詞khôngを付けるだけです。英語のdon'tに当たるものと思ってください。英語との違いは三単現(3人称単数現在形。he,she,itが主語になるとdoesn'tに変化する)がないことです。

動詞の前にkhôngを付けるだけ。英語と同じ文構造

 最初のうちはどれが動詞か、分からないこともあると思います。ベトナム語では2語からなる「単語」も多いので、余計に混乱します。でも焦る必要はありません。まずは基本的な文法だけ押さえておきましょう。

là文の否定はkhông + phải + là

 一般動詞は全てkhôngを付けるだけと簡単なのですが、làだけは違います。ベトナム語において最も重要な動詞なので、否定文でも特別扱いしてあげないといけません。khôngの後ろにphảiを付けます。覚え方は漢越語をイメージします。phảiは「拝」が語源なので、最重要の動詞のlàを拝むように敬意を持って特別扱いする、と覚えてください。

phảiは拝。làに敬意を表している、と考えましょう

khôngは「コン」ではなく、「コ(ホ)ン」

 khôngの発音はコンではなく、コ(ホ)ンと空気音をしっかりと入れて発音した方がいいです。地域によってはコンと聞こえるところも多いのですが、con(子供、動物の類別詞)、còn(まだ〜である)といった同音異義語と区別がつきにくくなりますし、コンではベトナム語っぽく聞こえません。せっかく特殊な言語を学んでいるわけですから、思いっきり不思議な発音をしてみましょう。thích(好き)、khi(〜するとき)などhが入る発音は同じように空気音を入れるので、Google翻訳で耳から学んでください。

疑問文はcóで提起し、khôngで念を押す

 疑問文は少し複雑です。言葉で説明するとやや分かりにくくなりますが、動詞の前にcóを付けて、動詞を挟み込む形で文末にkhôngを置きます。実際の文章で見るのが手っ取り早いです。

cóで疑問文であることを伝え、最後のkhôngで念押ししている

 cóを省いても意味は通じることもあります。しかし、正確な疑問文の作り方を押さえておいた方が将来プラスなので、có~khôngの言い回しを覚えてください。最初は文末のkhôngを忘れがちになるのですが、付加疑問文(〜ですよね?)のような感じで最後に念を押すと思ってください。

là文の特別扱いは疑問文でも同じ

 là文の疑問文は否定文と同様にphảiを付けます。場所はcóの後です。例文を見た方が分かりやすいと思います。

否定文同様にlàの前に露払いのようにphải(拝)を置きます

 一般動詞の疑問文同様に、có phảiを省いて「Bạn là kỹ sư không?」と言ってもほぼ通じるでしょう。でも「あなたは技師ですよね?(*質問者は相手が技師であることをほぼ確信している)」という付加疑問文のニュアンスが強くなってしまいます。やはり正確な言い回しを覚えることを推奨します。

動詞のcóと疑問を示すcó

 第8回の基礎講座で重要な動詞cóを説明しました。英語のhaveの意味を元来持っており、転じて「ある、いる」になる便利な動詞です。気づいた方も多いかもしれませんが、疑問を示す副詞cóと全く同じなのです。動詞cóの疑問文はどうなるのか、ちょっと悩んでしまいますよね。

⭕️の文のcóが動詞なのか、疑問と動詞両方の意味を包含するのか、微妙です

 答えはcóが一つだけになります。原則として疑問文を提起するcóが必要なのですが、動詞のcóだけに限っては不要となります。

「はい、いいえ」とは言わないベトナム流答え方

 疑問文を覚えたので答え方も勉強しましょう。あくまでも筆者の経験を基にした持論ではありますが、ベトナム語では「はい、いいえ」で答えることは稀です。まずイメージを掴むために日本語でベトナム流の答え方を説明します。

日本語では主語が省略され、するか、しないか、言わないことの方が多いですよね

 ベトナム語では動作、行為を聞く質問の場合、「はい、いいえ」ではなく、その動作、行為をするのか、しないのか、という答え方をすることが多いです。これは後で勉強する形容詞文でも同じで、例えば「日本の花は綺麗ですか?」と聞かれたら、「はい」ではなく、「綺麗です」と答えます。上の表のベトナム語の回答をベトナム語にしてみましょう。

主語はtôi以外になることも多いです

Vângは必ずしもYesにあらず

 ベトナム語の本ではVângがYesである、と説明したものが多いです。これは多くの研究者がどうすればベトナム語をわかりやすく説明するか、を考えて、そういう説明に収斂されていったものかもしれません。ただ、私の考えではVângはYesと認識すべきではない、と思っています。
 その理由は二つあります。①Vângはそもそも目下の人が目上の人に対して使う言葉であること、②Vângは日本語で言えば「えぇ、〜しますね」のように相槌的なニュアンスが強く、その後ろに動詞が必要になることが多い。ほぼ単独で使う場合(Vâng ạ / Dạ Vâng)は目上の人からの指示や命令に対して、「かしこまりました」「承知しました」という意味が強くなるのです。ちなみに、目上の人が目下の人に相槌やYes的な返事をする場合はỪという言葉があります。この場合もỪの後に「〜します、〜です」と二の句が続くケースが多いように感じます。

通じるベトナム語を身につけること

 今回は内容が盛りだくさんで困惑してしまったかもしれません。でも、心配無用です。焦らずに一つ一つ覚えていってください。本や動画によって説明が違うことも多いし、ベトナム人に聞いても人によって回答が違うことが多いです。これはベトナム語が言語として統一されておらず、方言や個人差が激しいことに起因していると思います。
 そして日本人のベトナム語学習者は私も含めて基本的にベトナム大好きな人が多いはずです。私もかつてそうでしたが、完璧なベトナム語を身につけようとしてしまいがちです。
 でも我々はベトナム人になることが目的ではありません。ベトナム語を使ってベトナム人とコミュニケーションを取ることが目的なはずです。ですから通じればいいんです。私はなるべく日本人が理解しやすく、発音なども実践しやすい形で教えるように努めています。一人でも多くの日本人に通じるベトナム語を身につけて頂きたいと心から思っています。

*フーおじさんのベトナム語基礎講座⑩文法2 今日から使える否定文と疑問文 yes/noでは答えない!?






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