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YouTube参考資料)ベトナム語基礎講座⑭ 辞書アプリでスムース検索 超実践的!これがIT活用だっ

 フーおじさんのベトナム語基礎講座をご視聴いただき、ありがとうございます。第9回で「超実践的!辞書サイト活用術」と題してベトナム語の辞書サイトをどう活用するか、を解説しました。弊チャンネルで最多の視聴回数となりました。今回はより便利なスマホでの辞書アプリの活用法について解説します。いつでもどこでも使えるスマホをベトナム語の辞書化すれば、ベトナム語学習の効率は格段に向上します。私は一応ベトナム語の本を出版させていただいておりますが、本格的な勉強開始から5年、ベトナムに住んでから2年で執筆しました。スピード上達を果たせた原動力はIT活用です。その最も重要なエッセンスがスマホでの辞書アプリと言えます。私が実際に使ってきた4つの辞書アプリについて忖度なしで使い勝手、長所、短所を解説します。なお、アプリの製造元からは金銭等一切の便宜供与は受けておりません。あくまでも一人のベトナム語学習者の感想です。アプリの利用には一定のリスクが伴います。リスク判断はご自身で行なってください。いかなる損害も、筆者は責任を負いかねます。金額等の情報は本稿執筆時点です。


①jdict(無料)

jdictのアイコン

 初心者の方にぜひお勧めしたいのがjdictです。予測変換機能があるので、綴り、母音記号、声調記号を覚えていなくても、候補が表示されます。例えば、「雨(mưa)」、「季節(mùa)」を探すとき、muaとだけ入力すれば候補から選べます。
 漢字(Hán tự)を調べる機能もあり、ベトナム語の語源となった漢字が分かります。漢越語と呼ばれる漢字由来のベトナム語は我々日本人にとって覚えやすいので、漢字とセットで記憶することをお勧めします。
 短所としては日本語訳がずらっと羅列され、言葉のニュアンスがわかりにくいほか、例文の精度も高くないように感じます(異様に長かったり、専門的すぎたり)。

文脈によって変わるのだが、訳が多すぎて単語本来の意味が掴みにくい。giữ=keep

② Mazii(無料)

 Maziiのアイコン

 今回紹介する4つの辞書アプリは全て日本語を学習するベトナム人向けのものですが、その中でも一番人気なのが Maziiでしょう。単語の説明がコンパクトで、本来のニュアンスが掴みやすく、例文も豊富で適切です。利用者参加型であることが特徴で、投稿された単語の用例を別の人が高評価、低評価したり、間違いを報告したりするシステムになっている。

インターフェースがシンプルで使いやすく、例文も適切

 日本人利用者にとっての課題は予測変換機能がほぼないことだ。母音記号、声調記号をきちんと書かなければ候補は出てこないので、ベトナム語入力ができるようになった人でないと厳しいだろう。
 何回か作業をするたびに広告が表示されるのも厄介だ。無料アプリなので仕方ないのだが、気になる人は避けた方が良いかもしれない。

③ CJKI越日辞典(980円=買い切り)

 CJKI越日辞典のアイコン

 こちらの辞書はとても使いやすい。まず予測変換の精度が高い。母音記号、声調記号がうろ覚えでも簡単に目的の単語を見つけられます。そして訳の精度も高い。例文も極めて適切で、分かりやすい。ベトナム語は全く同じ綴りで、別の品詞になることがよくあるのですが、タブを切り替えればすぐに調べられるようになっています。漢越語(漢字由来のベトナム語)の語源の漢字も併記されているので記憶する時に役立ちます。南部方言にも対応していて、(南部方言)という断り書き付きで紹介されている点は高く評価できます。

タブを切り替えれば動詞、名詞の両方がわかる

 繰り返しになりますが、私は製造元から金銭など一切の便宜供与は受けておりません。ただ、この辞書アプリには大変お世話になったし、購入する価値がある、と感じています。APPストアで確認したところ、 CJKI越日大辞典なるものが発売されていました。私が持っている越日辞典のリニューアル版のようです。
 利用者目線で辛口なコメントも言わせていただきます。それは語彙がやや少ないこと。収録単語数は存じ上げませんが、「こんな基本的な単語がないのか?」と何度か感じました。あと、単語本来の意味ではないものが上位に来ていることが多数ありました。例えば、「売る」はベトナム語でbánですが、なぜか「女性が体を売る」という不謹慎な内容が一番手の内容として表示されます。

「売る」の最初の意味がなぜ「女性が体を売る」なのか・・・

 ④Lac Viet辞書(610円=買い切り)

Lac Viet辞書のアイコン

  CJKIと並び、私が最も信頼している辞書がLac Viet辞書です。語彙量が豊富で、訳が詳しくて言葉のニュアンスが掴みやすいです。そしてインターフェースが紙の辞書に似ていて、検索したい単語に近い綴りの単語がズラッと表示されるので、辞書を引いている気分で検索できます。

検索したい単語に近い単語が紙の辞書のように表示される

 このアプリも予測変換機能はありません。正確な入力が必要になりますが、語彙量の多さと説明の正確さは素晴らしいものがあります。不満な点を挙げるとすれば、例文が少ないことです。CJKIや Maziiのように例文が充実していればLac Vietだけで十分な気もしますが、そうは行きません。

単語の意味を丁寧に解説してある。語彙量も多い(筆者の感覚)

レベルに合った辞書選びを

 辞書アプリはベトナム語学習(外国語学習)において、不可欠なものになったと筆者は感じる。分厚い辞書を持ち歩くのは難しくても、スマホは常に携帯している。必要な時にすぐに調べる癖をつければ、単語を覚えることは容易になる。ベトナム語の場合、単語本来のニュアンスを掴むのが難しいこと(文脈によって変化したり、略されたりする)、入力が慣れないと難しいことから、自身のレベルに合った辞書アプリを選ぶべきではないか、と筆者は思う。その一案が以下の表だ。

あくまでも筆者の考えに基づく

 大前提として初心者以外は二つ以上の辞書アプリを使うべきだと思う。一つをメーンとして素早く検索できるまで使い込み、サブは情報をチェックするのに使う。初心者は入力ができないので、予測変換が優れた無料アプリのjdictを使い、慣れてきたら Maziiに切り替えるか、併用する。中級者以上は有料アプリを買っても元がとれるので、 CJKI越日辞典やLac Viet辞書を買っても良いだろう。
 世界有数の難解な言語といわれたベトナム語も随分と勉強しやすくなった。Google翻訳が発音、翻訳をしてくれ、YouTubeでは解説動画が溢れている。こうした環境を有効活用するために、辞書アプリをぜひ活用してほしい。家ではパソコンで辞書サイト、外ではスマホで辞書アプリを習慣づければいつでもどこでもベトナム語に親しむことができ、ベトナム語力はあっという間に高まるはずである。

*フーおじさんのベトナム語基礎講座⑭辞書アプリでスムース検索 超実践的!これがIT活用だっ






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