見出し画像

【あの頃のゲームを振り返る_4】獣王記

 クソゲー・ネタゲーで名前が挙がりがちだけれど、放課後に友達の家でワイワイと遊んでいたあのとき、確かに何よりも面白いゲームだった。

男を操作して先に進んでいき、ボスを倒して全5面をクリアするゲーム。もともとはメガドライブで発売されたゲームで、小学生の頃に幼なじみの家に置いてあった実機で死ぬほど遊んだ思い出がある。放課後に友人の家に集まり遊ばなくなる年頃に、PS3のアーケードアーカイブスで見かけて迷うことなく購入した。

 とにかく、不思議な難易度のチグハグさがある不思議なゲームだった。はじめはヒョロヒョロの主人公で、雑魚敵を倒すのにも最新の注意を払わなければならないのだけれど、強化アイテムを取ると急にパワー系四天王のようなマッチョ体格になり、さらにアイテムを取るとタイトル通りに獣の力を得た姿に変貌。急に全ての敵を蹂躙することができて、その馬鹿みたいな爽快さを前に小学生の脳は順調に溶けていったのだった。

 昔のゲームだけに理不尽な点もいっぱいあって、落下でもちろん一撃死する上に、ゲーム敵の攻撃を受けた後に無敵時間がないせいで複数の敵に詰め寄られると落下死するか、ライフ切れで死ぬまで無限にノックバックさせられるという厳しい仕様。さらにスクロールの関係で、歩いていると突然画面端から敵が降ってくることもある。

 何度も死にながら、難所では私と幼なじみのキャラクターを背中合わせにして死角を無くし、しゃがみキックを連打することで攻撃判定の先端を敵に押し付け続けることで捌き切る戦法を習得した覚えがある。おしくらまんじゅうのようになりながらストⅡガイルよろしく脚を出し続けるその絵面には、確かに友情があった。

 そこからどうにかして片方を獣化させてから、全てを薙ぎ払うのが本当に楽しかった。特に一面の獣化(ステージごとに異なる獣になれる。ドラゴンや熊など割とモチーフは多彩)である「狼」がやたらと強く、攻撃の発生から終了まで無敵状態で突進する飛び蹴りを持ち、さらにそれが地上空中どちらでも出せる。加えて、攻撃後の硬直がほとんどなく、飛び蹴りの隙を飛び蹴りで消すことができてしまう。重力を無視して無敵状態で飛び回り、ボスを蹂躙するその荒々しい姿に、動物や大自然への敬意を育まれた少年時代だった。

 結局のところ、ゲーム自体の出来も大切だけれど、誰とどんなふうに遊ぶかだよなあ、と思う。今はsteamで100円で販売しているので、興味のある方はぜひ仲の良い友達と楽しんで見て欲しい。

頂いたサポートで死ぬほどコーヒーを飲みたいです。